もしアドラーが上司だったら

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もしアドラーが上司だったら
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出版社
プレジデント社

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出版日
2017年03月19日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

広告代理店の営業部に所属するリョウは、仕事や人生にモヤモヤを抱えている。そんなリョウの上司になったのは、アメリカの大学院でアドラー心理学を修めたドラさんだ。ドラさんは、アドラーの教えをベースに、リョウにさまざまなアドバイスをしてくれる――。

本書は、若手ビジネスパーソンのリョウを主人公としたストーリー形式のビジネス書だ。ドラさんのもとで成長していくリョウのストーリーを楽しみながら、働く理由や仕事の楽しさを学べるようになっている。

リョウの悩みは、要約者も経験があるものばかりだ。たとえばリョウは平社員だが、同期入社のツヨシは既にマネジャーに昇格している。リョウは2クォーター連続未達成なのに、ツヨシは3クォーター連続トップだ。リョウがひそかに好意を寄せているリカも、ツヨシに気がある様子。自信をなくし、投げやりになってしまっているリョウに、ドラさんはハッとするような言葉をかけてくれる。

アメリカ帰りのドラさんは、チャーミングで、部下思いで、熱心で、ウィットに富んでいて、一つひとつの教えは核心に迫るものでありながら、決して押し付けがましくない。きっとあなたも「もしドラさんが上司だったら……」と、リョウのことがうらやましくなるだろう。心がじんわりとあたたまり、気持ちが楽になるこの感覚を、ぜひ読者の皆さんにも体験していただきたい。

著者

小倉広(おぐら ひろし)
アドラー派の心理カウンセラー。組織人事コンサルタント。コーチングや交流分析などを学ぶうち、それらの源流にアドラー心理学があることを知り、岩井俊憲氏に師事。現在は「子育て中心の理論であるアドラー心理学をビジネスに活かすための架け橋となる」ことを使命に、数多くの企業にて講演、研修を行っている。著書に『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(ダイヤモンド社)、『アドラーに学ぶ部下育成の心理学』(日経BP社)、『任せる技術』(日本経済新聞出版社)など。著作累計100万部。

本書の要点

  • 要点
    1
    ほんの少しの「できていないこと」に目を向けるのはやめて、「できていること」に注目しよう。
  • 要点
    2
    「やらされ仕事」などない。目の前の仕事は、あなたの選択の結果であるはずだ。本当にやりたくないならやめればいい。
  • 要点
    3
    「仕事ができない人はダメな存在だ」というのは勘違いだ。誰かと比べて仕事ができなくても、欠点があっても、あなたの存在価値が損なわれることは決してない。

要約

ドラさんとの出会い

「ボクはキミたちの支援者だ」
lzf/gettyimages

平日の早朝、皇居周辺では多くのランナーがジョギングを楽しんでいた。ボク、リョウも例外ではない。お堀の周りを走り、ランステーションでシャワーを浴びて出勤する。ニューヨークのビジネスエリートになったようで、気分がいい。

ラストスパートをかけていると、スーツと革靴でドカドカ走っている男性を見かけた。小柄な背中は、まるであの猫型ロボットのようだ。

いったいどんな人なんだろう。追い抜きざまに振り向いてみると、ばっちり目が合ってしまった。40歳前後だろうか。小さな丸眼鏡をかけ、真ん中分けの髪はポマードで固められている。その男性は汗をダラダラかきながらも、目をクリクリさせて笑い、ボクに「ハーイ!」と挨拶した。「よろしく、ボクはドラ。キミは?」

ドラだって? もしかして、本当にあの猫型ロボットなのだろうか……と訝りつつ、着替え場所に困っているというドラさんをランステーションへと案内して別れた。

オフィスに到着すると、なんだかいつもと風景が違う気がする。課長席に見慣れない顔、いや、ドラさんが座っているのだ。驚いたことに、ボクの新しい上司になるらしい。

新任のドラさんは、朝の課会でスピーチをした。「ボクは上司ではなくキミたちの支援者だ。だから、命令はしたくない。その代わりにキミたちをできるだけ勇気づけたい」「キミたちはクライアントの力になり貢献することができるはずだ。キミたちは仲間や会社の役に立つことができる。ボクはそう信じている」

汗をかきながら真面目に話すドラさんに、ボクはますます興味を抱いた。営業事務のリカによると、ドラさんの名前の由来は猫型ロボットではなく、ドラさんがアメリカの大学院で学んできた「アドラー心理学」だそうだ。

【必読ポイント!】 キミはこんなに「できている」

「自分を追い込んでどこが悪いのですか?」

「今日も寝坊してジョギングをサボってしまった。なんて意志が弱いんだ……」ボクはため息をつきながら、ランニング・キャップをぶら下げたドラさんのデスクを見やった。今朝も皇居ランをしたのだろう。週に2日しか走っていないボクとは大違いだ。

そんなボクを見たドラさんが、ニヤニヤしながら声をかけてきた。「どうしたのかね? 朝から大きなため息をついて。もしかしたら、キミは自分を責めているのではないかな? それで『このままじゃダメだ』と自分に喝を入れたんだね」

図星だ。「はい。今日もジョギングをサボってしまって、そんな自分が情けないんです。でも、自分を追い込んでどこが悪いのですか? 毎日のジョギングさえもできない自分を許していたら、ますます自分がダメになっていくじゃないですか!」。そう返すと、ドラさんは「本当にそうかな?」と、瞳をクリクリと動かした。

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要約公開日 2023.05.19
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