特別支援教育が教えてくれた

発達が気になる子の育て方

未読
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発達が気になる子の育て方
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発達が気になる子の育て方
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出版社
かんき出版

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定価
1,540円(税込)
出版日
2023年03月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

特別支援教育とは、本書の言葉を借りれば広場に白線を引く作業のようなものだ。広場に駐車場という看板が立っていたとして、それだけでも駐車場として一応使うことはできる。だが、安全に効率よく使いたいと思ったら、広場に白線が引いてあったほうがずっといい。なくてもできなくはないが、あったほうがやりやすい。特別支援教育では、今のままでは一人でできない子に、どんな支援があったらできるかを考える教育だ。

要約者は、特別支援教育に関する書籍を今回はじめて手に取った。そのためか、特別支援学校ではこんなことまで考慮しているのかと驚かされるものも多かった。それと同時に、「『特別支援教育』は全人類に有効」という著者の考えにも深く共感した。苦手ごとや困りごとがあったとき、それがやりやすいように工夫をしたり、やり方を変えたりした経験は誰にでもあることだろう。人によって困りごともその程度も異なるが、「白線を引く」ことで取り組みやすくなるならば、それに越したことはない。障害のあるなしにかかわらず、子どもだけでなく大人にとっても、特別支援教育の考え方は有効なのだ。

本書の後半はケースごとの対処例にあてられていて、子どもの困りごとにあわせて対応を具体的に想像することができる。発達が気になる子に関わる方におすすめしたいのはもちろんのこと、子どもへの声がけに悩んでいる方、自分や周囲の「困りごと」への対処を考えたい方にとっても、気づきが溢れる一冊になることだろう。

著者

平熱(へいねつ)
おもに知的障害をもつ子が通う特別支援学校で10年くらい働く現役の先生。やさしくてちょっと笑える特別支援教育のつぶやきが人気を集め、Twitterのフォロワー数は7.3万人(2023年6月現在)。
小学部、中学部、高等部のすべての学部を担任し、幅広い年齢やニーズの子どもたち、保護者と関わる。「視覚支援」「課題の分解」「スモールステップ」「見えないところを考える」など、発達障害やグレーゾーンの子どもたちだけではなく、全人類に有効な特別支援教育にぞっこん。
障害の種類や程度にとらわれず「この子はどんな子?」を大切にし、子どもを恐怖でコントロールする「こわい指導」はしない。「先生も子どももしんどくならない環境」で子ども、そして関わる大人たちのニーズを満たす働き方を模索中。本書がはじめての著書となる。
Twitterアカウント:@365_teacher

本書の要点

  • 要点
    1
    「特別支援教育」とは、障害のある子どもたち一人ひとりの困りごとを把握して、得意分野を伸ばし、苦手分野を少しでも克服・改善して、生活・学習での困りごとの解決を目指すものである。
  • 要点
    2
    著者が特別支援学校の先生として子どもたちに求める「自立」とは、「できること」を増やし、「できないこと」を多くの人やものに助けてもらいながら生活する力のことだ。
  • 要点
    3
    子どもが好ましくない行動をしたとき、「見えてる」行動を注意するだけではなく、なぜそうなるのか「見えない」部分を考えることが大切だ。

要約

「特別支援教育」とはどんなものなのか?

「特別支援教育」は全人類に有効
Prostock-Studio/gettyimages

たとえば、広いアスファルトに「駐車場」と書かれた看板がただ置かれているとする。ほかに何の説明もなければ、整備もされていない。そのような場所でも一応車を停めることはできる。だが、秩序立った停め方ができるはずもなく、効率が悪く事故の危険性も高い。

この広場に、ただ白線を引いてスペースを区切るだけで、「あと何台停められるか」「左右の車とどのくらい距離を取るべきか」などが、「パッと見」でわかるようになる。

「特別支援教育」とは、広場に白線を引く作業のようなものだ。なくてもわからないことはないが、あればわかりやすい。なくてもできなくはないが、あればやりやすい。そんなサポートができれば、発達につまずきがある子どもたちの困りごとをグッと減らすことができる。「今の状態では駐車できないあの子が、どんな線を引いたら駐車できるだろう」。そんなふうに考えながら、一人ひとりをよく見て考えて、サポートをする。それが「特別支援」だ。

「特別支援」は「特別な支援」ではない。こうした支援は、形や程度を変え、身近に溢れている。本書では特別支援教育をベースに、困りごとを小さくするためのヒントをまとめた。

特別支援学校で働く著者は、特別支援教育のおもしろさを実感している。そして、特別支援教育は、障害のあるなしに関係なく大事なものだと考えるようになった。特別支援教育がクールな教育だと知っていただければ幸いだ。

【必読ポイント!】 特別支援教育と子どもの「自立」

特別支援教育とそのエース「視覚支援」

特別支援教育と聞くと、障害のある子どものための教育だと思うかもしれない。それはまちがいではない。だが、著者は常々、特別支援教育は障害の“ない”子どもたちにも有効だと考えている。

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要約公開日 2023.07.02
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