宇宙思考

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宇宙思考
出版社
かんき出版

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定価
1,980円(税込)
出版日
2023年02月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

あなたは宇宙のことをどれだけ理解できているだろうか。惑星の名前くらいしか知らないという人でも、ダークマターという名前を聞いたことがある人でも、ぜひ一度この本を手にとってほしい。

直感的にわかりやすいように、様々な点が工夫されている。たとえば、すごく遠くにある天体の化学組成について、建物の「ビル」のモデルを使って説明している。時空の歪みについては、その補正がGPSの位置サービスで重要な役割を果たしているといったように、実用性を絡めた紹介もしている。前の章から読んでいって理解できない点にぶつかっても、通読してみるとわかるようになっているから不思議だ。

この本はそれだけでは終わらない。こうした宇宙の知識を得た視点で人生や社会を眺め直してみると、いろいろなことが違って見える、という実践にもなっているのだ。それこそがタイトルにある「宇宙思考」であり、この本が広く読まれるべき大きな特徴でもある。

学問の入門書としても、視野を広げていくためのライフハック本としても、価値のある一冊だ。著者はTikTokはじめSNSでも「宇宙思考」を展開しているので、あわせてその著者の視点、世界観を楽しみ、エンパワメントされる体験をしていただきたい。

ライター画像
河合美緒

著者

天文物理学者BossB(てんもんぶつりがくしゃぼすびー)
信州大学准教授。理学博士。アメリカのコロンビア大学博士課程修了、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、ドイツのマックス・プランク天文学研究所などで研究活動後、10年間の子育てを経て、2014年よりアカデミアにカムバック。

本書の要点

  • 要点
    1
    宇宙の歴史138億年を1年に圧縮した「宇宙カレンダー」で考えると、人間1人に与えられた時間は0.2秒である。
  • 要点
    2
    時空には制限速度があり、私たちは、時空内を「最高スピード(=光速)」で進んでいる。そして空間を動く人は、動いていない人に比べて、時間の進み方が遅くなる。
  • 要点
    3
    1975年には多くの科学者がその存在を信じていない理論上の仮説であった「ブラックホール」は、様々な観察結果により「科学知識」となった。
  • 要点
    4
    私たち人間は宇宙のほんの一瞬しか生きられない。でも、その一瞬一瞬の輝きが繋がって、宇宙の歴史や最期を予想できるようになった。

要約

宇宙の中の私たち

宇宙の大きさ

「全ての空間、時間、モノとエネルギーが宇宙」だ。宇宙思考とは、「宇宙の本質を『見る』方法で、自分を、人を、そして関係、感情、社会など自分の周りのモノゴト全てを思い、考えること」を指す。

ポイントは3つだ。宇宙において見えるもの、知ることができることは「視点に依存」していること。宇宙では、「容易に見えない所に本質が隠れている」こと。そして、宇宙は「無限に広がり、ほぼ無限の可能性」があることだ。

これを念頭に以下、本書で紹介されているトピックをいくつか取り上げてみよう。

私たちのいる場所は、「ラニアケア超銀河団、おとめ座超銀河団、おとめ座銀河団、局部銀河群、天の川銀河、オリオン腕、太陽系、地球」と表すことができる。ここで、太陽系を100億分の1のサイズに縮小してみると、「太陽の大きさはグレープフルーツの大きさになり、地球はそこから15メートル先にある針の先の大きさ」となる。また、天の川銀河には数千億個の星があるので、「星の数ほど男(女)がいる」ことはない。男も女も「星の数の1%ほどしかいない」のだ。

宇宙はこのように果てしない。宇宙は何が正しいか、どう生きるべきか、何も判断することなく、ただ、ある。自分の価値は自分で決めていこう。

宇宙の歴史
Kateryna Kovarzh/gettyimages

宇宙は、様々な観測結果から138億年前に誕生したことがわかっている。この138億年を1年に圧縮した「宇宙カレンダー」で宇宙と人間の歴史を考えてみよう。

太陽系と地球が生まれたのは9月2日だ。恐竜は12月25日のクリスマスに誕生し、12月30日の早朝に滅亡した。人類が登場するのは12月31日大晦日の21時12分。23時59分59秒にコペルニクスが地動説を唱え、科学革命が起き、現代文明の幕開けとなる。

このスパンで考えると人間1人に与えられた時間は0.2秒である。恐竜は少なくとも4日以上地球と共生できたのに対して、人間は誕生して3時間ほどで地球を破壊している。一方で、宇宙の歴史も様々な現象も1秒で解明してきた。

たとえ0.2秒しかない人生であっても、人類は大きな影響力を持つ。その一人ひとりの人間の選択が来年の宇宙カレンダーを創っていく。

宇宙は何でできているの?

95%が不明

星は原子でできている。「光を波長ごとに分光した結果である光の分布」をスペクトルというが、原子はそれぞれ固有のスペクトルを持ち、「スペクトルを見るだけでどの原子のものかわかる」。そして、原子の輝きは、天体の温度や化学組成、質量などの宇宙の情報を伝える。

私たち人間も、誰一人として同じ原子配合ではない。あなたが輝ける環境を選んで、自分自身を輝かせよう。

宇宙の5%は存在を確認できるもの、原子などの「ノーマルマター」だが、残る95%は、正体がわからない、「普通」ではないものだ。27%はダークマター(暗黒物質)であり、68%はダークエネルギー(暗黒エネルギー)と名付けられている。

「ダーク」なのにその存在を捉えられるのは、「質量のあるモノとモノの間に働く力が重力(ニュートンの万有引力の法則)」だからだ。星や銀河の動きから、「目に見えなくても重力を生み出す何かがあること」がわかるのである。

人間一人ひとりの視点は限られているし、本質が見えたと思っても部分的にすぎない。だから、「自分の解釈は間違っているかもしれないという謙虚(知的謙虚)な態度で、見えないものを見ようとする努力」はできる。その素晴らしさに気づけたら、本質に近づけるようになるかもしれない。

【必読ポイント!】 空間、時間、時空

次元と時空間
Ackun/gettyimages

次元とは「動ける方向の数」であり、これを使って自分の場所を表すことができる。あなたの地球上での場所は、緯度、経度、標高の3つがあれば示せるので、私たちは3次元空間に生きる「3次元人」だ。

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要約公開日 2023.07.16
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