心と体がラクになる読書セラピー

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出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2021年04月25日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたは日頃、どんな目的で本を読んでいるだろうか? 気分転換のため、情報収集のため。フライヤーのユーザであれば、視野を広げてスキルアップするためという方が多いかもしれない。一方で、本に癒されたり励まされたりした経験はないだろうか? これは実は「読書セラピー」の一種なのだという。

本書が提案するのは「自分の心や体のために」本を読むことだ。小説や自己啓発本に限らず、実用書、絵本、詩集、マンガなど何でもよいという。著者で日本読書療法学会会長を務める寺田真理子さんは、読書によってうつ病から回復した経験があり、本の持つ力を多くの人に知ってほしいと語る。本には実用的な側面だけでなく、人の心と体をラクにしてくれる「効用」がある。その効用を意識的に活用しようとするのが、読書セラピーなのだ。

読書セラピーは、病院での診断や治療、リハビリ援助のほか、学校や児童相談所など、さまざまなシーンで活用されている。その効果は世界的に注目されており、本が「処方」される国もあるほどだ。「セラピー」といっても、誰でも気軽に取り組めるのもまた魅力である。この本をガイドに、読書セラピーを実践してみてほしい。本の力を味方につければ、人生のどんな局面においても、壁を乗り越え、希望を見出せるのではないだろうか。

ライター画像
藤井亜子

著者

寺田真理子(てらだ まりこ)
日本読書療法学会会長
長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演・執筆・翻訳活動。読書によってうつから回復した経験を体系化して日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。また、うつの体験を通して共感した認知症について、著書や訳書、全国各地での講演活動を通じてパーソンセンタードケアの普及に力を入れている。介護施設や病院の研修、介護・福祉関連団体主催セミナーの講演で多数の実績があり、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーとしての知識を生かした内容が高く評価されている。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。
仏教を松原泰道老師に、万葉集や枕草子、徒然草などの古典を清川妙氏に師事。
著書に『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)、『翻訳家になるための7つのステップ』(雷鳥社)など。訳書に『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと』(Bricolage)、『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)、『虹色のコーラス』(西村書店)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    本は心身に良い影響を与えてくれる。本書では、本の力を活用して問題を解決したり、癒しを得たりすることを「読書セラピー」と呼ぶ。
  • 要点
    2
    読書セラピーでは、今その時の自分に合った本を選ぶことが重要だ。良い本との出逢いは、仲間やロールモデルを見つけることにつながり、人生に希望を与えてくれる。
  • 要点
    3
    読書セラピーによって、(1)対応能力の改善、(2)自己理解の向上、(3)対人関係の明確化、(4)現実認識の深化の4つが可能となる。自分なりの選書術をつくり、自身の状態に合わせて読書を楽しもう。

要約

「本の力」を知ろう。読書セラピー理論編

苦しいときに支えてくれる「本の力」

読書セラピーは、英語では「ビブリオセラピー(bibliotherapy)」という。もともとは医学の分野で、患者に治療過程で読書をさせることを指した言葉が、カウンセリングの領域でも使われるようになった。日本では「読書療法」という言葉が一般的だが、本書では、読書で気軽に心身を元気にすることができるという点を伝えるために、「読書セラピー」という言葉を用いている。

では読書セラピーとは何か。著者が代表を務める日本読書療法学会では、読書セラピーを「読書によって問題が解決されたり、なんらかの癒しが得られたりすること」と定義している。本は心身に良い影響を与えてくれる。たとえば、本を読むことでホッとしたり、気持ちが軽くなったりした経験はないだろうか。マンガの主人公に勇気づけられる、人づきあいで悩んだときにコミュニケーションの本から解決のヒントをもらう、自己啓発書を読んで仕事へのやる気が出る。これらはみな、読書セラピーの一種といえる。

実のところ、さまざまな研究や調査により、読書にはストレスの軽減や健康寿命の延伸、共感力の育成など、多くの効果があることがわかっている。

苦しいときや困ったときに、本が支えになってくれる。そう知っているだけでも、生きることがラクになる。本書では、読書によってうつ病から回復した経験のある著者が、読書セラピーの魅力を伝えている。

読書セラピーに向く本は?
ra2studio/gettyimages

では読書セラピーではどんな本が活用されるのだろうか。用いられることが多いのは文学作品だ。文学といっても古典の名作だけでなく、詩、小説、エッセイ、戯曲など、できる限り広く捉えている。

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要約公開日 2023.08.06
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