今日はこのぐらいにして休みます

未読
今日はこのぐらいにして休みます
今日はこのぐらいにして休みます
未読
今日はこのぐらいにして休みます
出版社
出版日
2023年05月27日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.5
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

私たちは、子どもの頃から競争の中に置かれている。受験から始まり学校の成績、就職活動、会社での昇進争い、さらには独立・起業……。どの場面においてもライバルと競争し「頑張ってなにかを成し遂げないといけない」という暗示にかけられている。そんな厳しい現代社会に生きる人々に「休息」の必要性を説き、心が軽くなるヒントを与えてくれるのが本書である。

本書の著者であるソン・ヒムチャン氏は、韓国人の母と日本人の父をもつ気鋭の若手作家だ。12歳で母とともに韓国に移り住むも、気性の激しい母との関係に長く苦しまされた。その経験から紡ぎ出される言葉は多くの人の共感を呼び、本書は17万部を突破するベストセラーとなった。本書には、心を癒す82のエッセイが束ねられている。

責任や義務から離れて休むことに対して、居心地の悪さや罪悪感を抱く人も少なくない。しかし、「よく休むことはよく生きること」と言われるように、誰にとっても休息は必要だ。

そしてよく休むためには、過去に受けた心の傷を癒し、頭の中を整理することが不可欠だ。著者は「問題のほとんどは他人とのかかわり方にある」とし、家族や恋人、友人といった「他人」とのかかわり方における注意点や、自分自身との向き合い方などを紹介する。

エッセイのひとつひとつは短く、それぞれに込められたメッセージは非常に分かりやすい。疲れた現代人を癒すヒントがあふれる本書は、読む人の心の助けとなるだろう。

ライター画像
鈴木えり

著者

ソン・ヒムチャン(緒方真理人)
作家・コンテンツ会社「マリト」代表
韓国と日本の名前をもつ。日本人の父と韓国人の母のもとに日本で生まれ、12歳で母と渡韓。22歳で作家としてデビューする。現在はコンテンツ会社「マリト」の代表を務め、「コリアコーチングシステム」法人所属コーチとしても活動している。Instagramのフォロワーは32・5万人(2023年4月現在)。著書累計30万部を突破している。現代人が共有する悩みに向き合い、心を癒すヒントを提案する本書は、幅広い層から共感・支持され17万部のベストセラーに。
Instagram:@ogata_marito

本書の要点

  • 要点
    1
    人間関係は思いどおりにいかない一方で、自分の思いどおりにも築いていける。自分を嫌う人と無理に仲よくしようとせず、相性が合う人と深い関係を築けばいい。
  • 要点
    2
    人の脳は否定的な要素に反応するようにできているため、意識的によい思考をする必要がある。
  • 要点
    3
    恋人に執着するのは、相手に過剰な期待と幻想を抱くからだ。自分も相手も未熟な人間であることを忘れてはならない。
  • 要点
    4
    ときには休みながら、疲れた心を癒す必要がある。「すみませんが、今日はこのぐらいにして休みます」という言葉を、誰もが自然に言える社会になるといい。

要約

【必読ポイント!】他人との関係におけるヒント

自分を嫌う人に好かれる必要はない

特定の人に嫌われていると悩む人は多い。しかし、誰かを好きになることに理由がないように、嫌いになることにも理由はない。

嫌われている人に自分をよく見せようとしても、得られるものはなく、むしろ自分が傷つくだけだ。すべての人を愛することができないように、すべての人から愛されることは難しい。自分らしさを消してまで、自分を嫌う人に気をつかう必要はない。

人間関係は自分で築いていくものだ。無理をしなくても、最終的に残る人は残る。自分と相性が合う人と深い関係を築いていけばいい。

劣等感を克服する方法
PeopleImages/gettyimages

著者が中学生だった頃、親しい友人に劣等感を抱いていたことがある。自分の知識を誇示してくる友人の態度に傷つき、逆にその子にない能力をアピールしたりした。いま思えば子どもじみた態度だが、当時は自分の価値を守るために必死だったのだろう。

劣等感は、人生に適度な刺激を与えたり原動力になったりする。しかし度が過ぎると誤った選択につながる。

劣等感を克服する方法は、自分の長所を発見し、それを認めることだ。自分の長所を見つけるためには、次の2つのことを行うといい。

ひとつめは、自分がやってきたことを振り返ることだ。自分が習慣的にやってきたことのなかには、「自分だからできた」ことがあるはずだ。

もうひとつは、他人から褒められた記憶を思い出すことである。自分から見た「私」と他人から見た「私」は決して同じではない。他人の目を通すことで、自分の得意分野を発見できるかもしれない。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3584/4243文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.09.17
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
ひとり時間が、いちばん心地いい
ひとり時間が、いちばん心地いい
枡野俊明
未読
知の体力
知の体力
永田和宏
未読
「誰かのため」に生きすぎない
「誰かのため」に生きすぎない
藤野智哉
未読
最後はなぜかうまくいくイタリア人
最後はなぜかうまくいくイタリア人
宮嶋勲
未読
不老脳
不老脳
和田秀樹
未読
脳の闇
脳の闇
中野信子
未読
心に、光を。
心に、光を。
山田文(訳)ミシェル・オバマ
未読
心と体がラクになる読書セラピー
心と体がラクになる読書セラピー
寺田真理子
未読