人生で最も大切にすべきものは「信用」だ。信用がない人のところにはお金も人もチャンスもやってこない一方、信用がある人は、いろいろな人から力を貸してもらえて、一人では成し遂げられないようなことも実現できる。成し遂げたい目標があるなら、より早く、より多くの信用を手に入れるのが近道だ。
お金はたくさんあればいいというものではない。お金があるからといって幸せになれるとは限らないし、トラブルを生むこともある。
一方で、信用はどれだけ増えても困らない。信用を集めれば集めるほど、物事は思い通りに進む。お金や知識が足りなくても、信用があればなんとかなると言っても過言ではない。
だから人生において蓄積を目指すべきは「金融資産」ではなく「信用資産」だ。他者からポジティブな評価を獲得し、「あの人なら間違いない」と思ってもらえる人になれるよう、努力を重ねよう。
「信用資産」の考え方は、決算書にたとえると理解しやすくなる。「損益計算書」と「貸借対照表」を比較しながら見ていこう。
損益計算書は、一定の期間にどれだけお金が入ってきて(売上)、どれだけ出ていき(費用)、最終的にどれだけ手元に残ったのか/残らなかったのかをリストアップしたものだ。家計簿のようなものをイメージすればいい。
貸借対照表は、企業の資産状況をひと目で把握できるようにしたものである。左側には企業が持っている「資産」が、右側には「負債」がリストアップされている。「資産」の欄には、現金だけではなく、土地、建物、機械設備なども記載される。
信用資産の考え方を正しく理解するうえでは、「貸借対照表」的な発想が大事だ。短期的な損得だけでなく、広い意味での「資産」がどれだけ増えるかという視点が欠かせない。
たとえば、仕事である人物とのコラボレーションを進めているとしよう。ところが途中で、その人物に大きな問題が見つかったとする。ここでプロジェクトを打ち切れば、それまで投じてきたお金や時間が無駄になるだけでなく、あなたに悪評が立つ恐れがある。
こんなとき、無理やりプロジェクトを進めようとする人もいるだろう。だがそういう人は「損益計画書」的な発想に陥っている。短期的な損得しか見ておらず、自分が将来的に失うものが見えていないのだ。自分の信用を第一に考えるなら、そんなコラボはいち早く解消すべきだろう。短期的な損得にとらわれて、長期的な資産を考えない人は、いつまでたっても信用されない。
いったいどんな信用資産を増やせばいいのか。
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