コンテキストの時代

ウェアラブルがもたらす次の10年
未読
日本語
コンテキストの時代
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コンテキストの時代
出版社
日経BP
定価
1,980円(税込)
出版日
2014年09月20日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.0
革新性
5.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「コンテキスト化」とは、システムがユーザーの置かれている状況や背景を読み取り、必要とするサービスを的確かつ即時に提供するべく発達することを指す。コンテキスト化の対象範囲は幅広く、既に実用化されている例としては、アメフトスタジアムでは客のモバイル端末を通じて、どのトイレの行列が少ないかを教えてくれるようなサービスや、メールやカレンダーの内容を読み取り、目的地に向けて出発するタイミングを忠告してくれるような、個人のアシスタント的な役割を果たすサービスなどさまざまだ。近年ソーシャルネットワークとスマートフォンの普及によって、システムがより厳密に個人を識別できるようになってきていることは周知の事実だが、グーグルグラスなどの「ウェアラブル製品」がその流れを加速しそうである。本書では、数々の事例を紹介しながら「コンテキスト化する社会」とは何かを論じている。

将来的には車は自動操縦になり、家も自動的に気候や居住者にあった調整を勝手に行ってくれるようになる。これらのテクノロジーは「パーソナル・アシスタント」として生活をより快適なものにするだろう。夢物語のように聞こえるかもしれないが、近い将来には間違いなくこうした製品が社会に流通すると著者らは断言している。

興味深い事例が多く読み物としても楽しめる本書は、これから20年間のビジネストレンドを知るに最適の一冊である。

著者

ロバート・スコーブル
世界的に著名なテクノロジー・ジャーナリストで、オープン・クラウド・コンピューティング企業のラックスペースに勤務してスタートアップとの連絡を担当している。

シェル・イスラエル
ライター、企業に対するPRコンサルタント、プレゼンテーションのコーチとして活動している。

本書の要点

  • 要点
    1
    企業は5つの新しいテクノロジーのトレンド「モバイル」「ソーシャルメディア」「ビッグデータ」「センサー」「位置情報」を駆使して顧客のニーズを予知し、それを即時に手助けし満たすことができるシステムを作ろうと試みている。
  • 要点
    2
    グーグルグラスに代表される「ウェアラブル装置」は、オンラインで顧客情報を収集、データベース化すると同時に、個々人のニーズに対してコンテキスト化された解決策や回答を提供する「パーソナル・アシスタント」の役割を果たす。
  • 要点
    3
    プライバシーはコンテキスト化社会において重要なテーマだ。コンテキスト社会においてはあえてプライバシーを確保するための機能を設けるなどによって、信頼を確保できた企業が生き残ることになるだろう。

要約

5つのフォースが未来を変える

コンテキストを支える5つの力
Mertsaloff/iStock/Thinkstock

コンテキスト化は5つの新しいテクノロジーのトレンドが重なって生じるものだ。その5つとは、①モバイル、②ソーシャルメディア、③ビッグデータ、④センサー、⑤位置情報、である。

① モバイル

今やスマートフォンは、常時身に付けて頼りにするメインのコンピューターとなっている。インターネットを介してクラウドにデータを保存し、多用なデバイスからアクセスでき、さらにコンテキストを認識して適切に処理できるアプリの普及が後押ししている。先進国ではもうすぐ全員が1人1台以上のモバイル機器を持ち歩くことになるだろう。

② ソーシャルメディア

ツイッターやフェイスブックといったメディアを通じて、個人ごとにカスタマイズされたコンテンツが提供され、企業のマーケティングにも利用されている。

③ ビッグデータ

データの数が重要なのではなく、膨大なデータの中から有用な情報を抽出するための手法が重要である。

④ センサー

センサーは、地震の予知、犯罪者の特定など現代も幅広く利用されており、コンテキスト化に伴い、さらに重要性を増すだろう。

⑤ 位置情報

ベースとなる地図情報は大手企業がこぞって開発し、ユーザーの位置情報を利用した新しいサービスも生まれている。

顧客のコンテキストを読み取る

コンテキスト化とは、顧客のニーズに即した情報を即座に提供すること

グーグルなどのオンラインプラットフォームは、顧客のニーズを予知し、そのニーズに即時に応えられるシステムを作ろうと試みている。それはまるで常連客のことなら何でも知っているバーのオーナーのような存在だ。

「バーのオーナー」を目指し企業は顧客の情報を収集している。NFL(全米プロフットボールリーグ)の一部のスタジアムでは、ファンが座席に座ったままでモバイル・デバイスを通じて飲み物や食べ物を注文できる。どのトイレの行列が一番短いかを調べることもできる。過去の購入履歴をもとに、売店で来場者の好みに合った食事を準備することも可能になるだろう。

カリフォルニアの「ヴィンタンク」は、膨大なワイン愛好家のデータをもとに、ワイン愛好家の購入履歴をワイナリーに提供したり、ソーシャルネットワークへのワイン関連の投稿をモニタリングしてワイン愛好家を独自に格付けしたりしている。こうした試みは、関連する地域の観光ビジネスにも応用されているのだという。

コンテキスト化するツール

自動車の最終目標は、自動操縦
Lightcome/iStock/Thinkstock

現代の自動車は、スマートフォンに劣らない「コンテキストツール」である。自動車も、個人向けにカスタマイズされたツールとなりつつあるからだ。例えば、シートやミラーを自動調整し、位置情報からお気に入りのお店を記憶するようにもなる。近い将来、インターネットに接続した車があふれ、音量の調節や子どもの見守り機能など、無数のサービスが提供されるだろう。

さらには自動車同士が会話し、自動操縦も実用化する。

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