世の中には話の長い人が多すぎる。
それは、「伝える」ということに関して誤解があるからだろう。ものごとは時系列で伝えたほうがいい、情報は多いほうが相手のためになる、といった考えはその代表だ。何より大切なのは、伝えたい内容を相手に理解してもらうことである。それなのに、相手が知りたいことは何なのか理解しないまま話し始めてしまえば、話はどんどん冗長に、そして複雑になっていく。
話を的確にまとめることのできる人は、短い時間で相手に理解させ、説得することができる。伝えることは日常的な行為でありながら、高度な技術を必要とする。だが、その技術を学ぶ機会はない。ほとんどの人がなんとなく伝える行為をして失敗しているのである。
伝えることが上手な人を思い浮かべてみると、その人のメールや話が簡潔であることに気づくはずだ。情報のムダは省かれ、必要なことがミニマムにまとまっている。伝える内容を簡潔にしようとするとき頭の中で行われているのが要約作業だ。伝えることが上手な人はうまく要約できる人だといえる。
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