もっと自分を知って好きになる!

ポジティブ大全

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出版社
総合法令出版

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出版日
2023年05月23日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「絶望」というほどではないが、かといって「希望」にあふれた社会でもない。今、日本社会はそうした状況にあるといえるだろう。本書は「希望」を見出し、「強み」を発揮できる人を増やすことを目指してきたと自負する著者による、まさに昨今の社会に必要な一冊である。

著者は、どんな時代でも困難に立ち向かわなければならないときがあると考え、そんなときに「『ネガティブ』であっても、『あるがまま』に受け止めて、ネガティブやトラウマさえも『強み』にできる人が少しでも増えてほしいと願い、執筆した」とまえがきに記している。その言葉の通り、本書では様々な学問をバックボーンに、強み=ストレングスを生かすための知識やノウハウをまとめている。本書を通じて、もしかするとこれまで意識さえできていなかったような強みが見つかるかもしれない。すでにポジティブな人はもちろん、自分には何も取り柄がないと感じてしまうようなネガティブな人であっても、強みは必ずある。本書を通じて、どんな人でも強みを見出し、生かすことで、自信を育むことができるだろう。

自分の才能を伸ばしたいと思っている人にも、他者の強みの発揮を促したいという人にも、本書はおすすめできる。本書によって、自分の強みを理解し、それを各々が生かせるような社会に変わっていくことを願いたい。

著者

徳吉陽河(とくよし ようが)
一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会代表理事・講師
一般社団法人コーチング心理学協会代表理事・講師

専門分野は、ポジティブ心理学、コーチング心理学、キャリア心理学、認知科学など。資格は、公認心理師、キャリアコンサルタント、ポジティブ心理カウンセラー、コーチング心理士、ポジティブ心理療法士、認定心理士(心理調査)、産業カウンセラー、ビジネスマネジャー検定(東京会議所)など多数所持。国際ポジティブ心理学会会員。
大学時代から今までに、カルフォルニア大学バークレイ校教育研修プログラム、ペンシルバニア大学ポジティブ心理学専門コース、ノースカロライナ大学ポジティブ心理学コース、ナラティヴ・セラピー・ワークショップなど、海外のさまざまな研修や国際学会に参加し、心理学、心理療法、コーチングを学ぶ。社会人、大学・看護学校などでの講師を経て、現在は、現場や社会に役立てるため、社会人に向けて「コーチング心理学」や「ポジティブ心理学」、「脳科学」、「心理アセスメント」に関わる実践・研究、普及活動、研修の講師を行っている。加えて、海外の心理尺度の翻訳、実用的な心理テストや性格診断の開発をし、WEBサイト『ペルラボ』にて、心理学とデータ解析に基づいた心理尺度、ストレス研究などを行う。座右の銘は、「我以外皆師也(自分以外はすべて学ぶべき先生であること)」。趣味は、写真撮影(風景・夜景)、ドライブ、カラオケ、食べ歩き、お店や人のいいところ探し。
著書に、『コーチング心理学ガイドブック』監訳、『ナラティヴ・セラピー・ワークショップ BOOKⅠ』共著(共に北大路書房)、『コーチング心理学ハンドブック』共訳(金子書房)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本人はネガティブになりやすいとされるが、一方で社会環境によってそれを克服してきた。しかし、時代を経て歪みが生じ始めている。打開するには、自身の強み=ストレングスを知り、発揮するポジティブさが求められている。
  • 要点
    2
    本書で紹介しているストレングスは、全7つのカテゴリ30種類が存在する。カテゴリは「知恵」「勇気」「人間性」「正義」「節度」「超越性」「専門性」であり、最後の「専門性」は著者独自の視点から加えたものである。
  • 要点
    3
    それぞれのストレングスは「活用するためのテクニック」「行動に生かすポイント」「それを持つ人の本質的なあり方や考え方」と、「ダークサイド」と呼ばれるリスクの観点から解説されている。

要約

「ネガティブをなくす」だけでは幸せになれない

ネガティブをなくすだけでよいのか

自分自身や周囲の環境にある「ネガティブなもの」をなくしたいと考える人は多い。ネガティブなものをいかになくすかというテーマは、これまで心理療法でも重視されてきた。

「精神分析」を創始し、心理療法の祖ともいえるジークムント・フロイトは、ネガティブなものを無理に抑え込むことで、コントロールできない「症状」として現れると考えた。そこで、ネガティブなものが自由に出てこられるようにすれば症状が解消できるのではないかと、患者が頭に浮かんだものをそのまま話すように求める「自由連想」という治療法を生み出した。精神分析の後に誕生した「認知行動療法」ではネガティブな「考え方」が問題であるとし、その考えに固執しないことで救われるようになると考えられている。

このように、ネガティブなものをなくすためにこれまで多くのアプローチがなされてきた。だが、ネガティブなものが全てなくなったとき、我々は本当に幸せになれるのだろうか。

日本人はネガティブになりやすい?
tadamichi/gettyimages

日本は集団主義社会であり、自分の気持ちよりも集団の一員であることを優先し、周囲に合わせる人が多い。また、日本人は遺伝子的にネガティブになりやすいともいわれている。そしてこれまで、互いのネガティブな部分を矯正しながら、日本は発展してきた。そんな日本では、周囲の目を気にして心身の不調に陥り、自分のネガティブな面を恥として相談さえできずに死を選ぶ人が後を絶たない。2022年に発表された世界幸福度ランキングでは、日本は先進国の中で最低の順位となった。

ネガティブなものを排除しようとする社会は、個々人の「自分らしい生き方」は許容されず、不幸を招いてしまう。自分らしく、そして幸せに生きるためには、ネガティブばかりを探すのではなく、「ポジティブ」にも目を向ける必要があるのだ。

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要約公開日 2023.09.28
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