本書では、タスク管理を「タスクを見える化し、自分に対する信用を高めるための方法」と定義する。
定義からもわかる通り、タスク管理には2つのメリットがある。
1つ目のメリットは、約束を紐付けることで自動的に情報が整理されることだ。たとえば著者にとって、「Wordファイルの原稿」という情報は、「本書の原稿執筆」という約束に紐付けられている。他にも、待ち合わせ場所の情報やミーティングで記録した議事録などの情報も、デジタルツールを使えば、それぞれの約束に紐付けられる。情報の紐付け先をあらかじめ決めておけば、タスク管理をするだけで自動的に情報整理までできるというわけだ。
2つ目のメリットは、信用が高まることだ。タスク管理をし、効率よくタスクを進める人は、着実に仕事を完了できるだけでなく、急な依頼にも対応できる。そのような人は、自然と周囲の信用を獲得していくだろう。
タスクを漏れなく実行するには「今日のリスト」が有効だ。
タスク管理で管理すべき項目は3つある。カレンダーで管理する「予定」、カレンダーとToDoリストで管理する「プロジェクト」、そしてToDoリストで管理する「タスク」だ。これらを管理するには、カレンダーとToDoリストという2つのツールが必要になり、それぞれを使い分けるのはなかなか難しい。
その課題を解決してくれるのが、今日の予定とタスクを融合させて管理する「今日のリスト」である。ToDoリストから今日の「タスク」をピックアップし、タスクの間に、カレンダーに記録されている「予定」を挟み込めばいい。これならタスクと予定の抜け漏れを防げるし、タスクを「やる」か「やらない」かで悩むことなく、自動的に実行できる。
タスク管理には8つの基本ステップがある。
ステップ1は「今」「ここ」に集中すること、つまりマルチタスクをせず、目の前の仕事だけに向き合うことである。
たとえばプロジェクトAのタスクを進めている時、「今はプロジェクトAではなく、プレゼンの準備をするべきではないか?」と考えはじめると、どちらにも集中できなくなる。「今」「ここ」の意識を持ち、本来すべきことを実行するのが、タスク管理の基本だ。
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