仕事で資料や企画書を作るとき、なかなかしっくりくる言葉が思いつかなくて、テンプレのような言葉ばかり並べてしまった経験はないだろうか。普段から言葉を使っているのに、いざ書こうとすると出てこない。その原因は、頭の中にあるモヤモヤをきちんと言葉にできていないからだ。
モヤモヤとは頭の中の「曖昧なイメージや感覚、概念」であり、言語化力とは「モヤモヤを言葉にする力」である。「言いたいことをうまく言葉にできない……」というもどかしさは、「言語化」に悩んでいるということに他ならない。
書店へ行くと、「伝え方」に関する多くの本が並んでいる。いわゆる「コミュニケーション本」である。しかし、「伝え方」の本では「言語化」に対する悩みは解決できない。なぜなら、「伝え方」と「言語化」はまったく別のスキルだからである。
コミュニケーションは、「何を言うか」と「どう言うか」に分解できる。たとえば、話の最初に「恐縮ですが」と付けることや、「勉強しなさい」ではなく「一緒に勉強しよう」と言い換えることは「どう言うか」である。「どう言うか」は、伝え方を変えるだけで「言う“内容”」そのものは変わらない。一方、「何を言うか」は「言う“内容”」を考えることであり、そのスキルが「言語化力」である。
仕事での評価は「何を言うか」で決まる。あなたの意見に「思いもよらなかった視点」や「新しい気づき」があるかどうかが、評価の対象となるからだ。
「何を言うか」を整理して「言語化力」を磨くことで、「言葉にできない」という悩みは解消されるだろう。
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