天才性が見つかる 才能の地図

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天才性が見つかる 才能の地図
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出版社
きずな出版

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出版日
2023年08月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「自分はなんて平凡なんだろう」「自分より優秀な人が入社してきて、居場所がなくなってしまった」……こうした悩みを解消し、仕事でもプライベートでも自信を持って振る舞えるようになりたいなら、ぜひ本書を手に取ってほしい。

著者の鈴木祐氏は、『科学的な適職』や『YOUR TIME』、『ヤバい集中力』など、多くの人が悩みやモヤモヤを抱えていながらも、これまで明確な解決策が提示されにくかったテーマについて、科学的な知見をもとにしたアドバイスを贈ってくれる人気著者である。

そんな鈴木氏の最新作のテーマは「才能」。万物の知識に精通する120歳の猫「猫師匠」と、20代のビジネスパーソン「弟子」の会話調で、才能にまつわる誤解を解くとともに、才能の3つのルールを提示してくれる。読者は、誤解を解き、ルールを理解したのち、4つのエクササイズで自分だけの「才能」を見つけ、活かすステップへと移っていく。

本書を読むと、好きなことや得意なことがなくても、自分より優秀な人がすぐそばにいても、生まれながらの才能に恵まれていなくても、落ち込む必要はまったくないとわかる。重要なのは、環境を見極め、どの才能をどのように活かし、アピールするかを決めるだけなのだ。自分らしく活躍できる居場所を見つけたいなら、必ず読むべき一冊である。

著者

鈴木祐(すずき ゆう)
サイエンスライター。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。
10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ね、多数の執筆を手がける。
自身のブログ「パレオな男」では心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方を伝える講演なども行う。
著書に『運の方程式』(アスコム)、『YOUR TIME ユア・タイム』(河出書房新社)、『進化論マーケティング』(すばる舎)、『最高の体調』『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)、『不老長寿メソッド』(かんき出版)他ベストセラー多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    人生は「異能バトル」だ。評価される能力は時と場所によって変わるし、一見ネガティブな特性でさえうまく活用できる可能性がある。
  • 要点
    2
    異能バトルを勝ち抜くためには、まず戦い方を決めよう。異能バトルのフィールド、審査員、勝利条件を見極めて、自分の「優位なかたより」となる能力(異能)を見つける。
  • 要点
    3
    戦い方を決めたら、異能を使いこなす。「優位なかたより」を発揮する行動を1週間試して、自分の「優位なかたより」を活かす方法を確立しよう。

要約

才能なんて存在しない

人生は「異能バトル」である

本書は、万物の知識に精通する120歳の猫「猫師匠」と、20代のビジネスパーソン「弟子」の会話調で進んでいく。

冒頭で弟子は、猫師匠に「僕は長所や特技がない、つまらない人間です……。才能のない人間でも、どうにか生きる道はないのでしょうか」と相談する。それに対して猫師匠は「才能は誰にでもある」「自分の才能を探すには、才能があるかどうかなど無駄なことを考えずに、人生とは『異能バトル』であるというたったひとつの真実だけ覚えておけばいい」と答えた。

異能バトルの代表格といえば「さるかに合戦」だ。ずる賢い猿をこらしめるべく、栗や牛糞などが集められる。とうてい猿には勝てそうもない面々だが、囲炉裏で焼かれた栗が飛びかかったり、牛糞が玄関先で猿をすべらせたりして、各自がそれぞれの“才能”を発揮し、猿を見事にこらしめるというストーリーだ。

人間が自分だけの能力を発揮するには、才能に関する3つのルールを押さえておく必要がある。次の項では、3つのルールを紹介する。

【必読ポイント!】 「才能」を決める3つのルール

(1)人生とは、「異能バトル」である

1つめのルールは「人生とは、『異能バトル』である」だ。

私たちが評価される能力は時と場所によって変わるものだし、一見ネガティブな特性もうまく活用できることがある。このような能力のゆらぎを、自分なりの“異能”として使おう。ハンデだと思っている特性でも、使いみちを考えてみる価値はある。

(2)才能とは、グループ内の「かたより」が評価された状態である
LUNATIC 制作

異能をうまく使う方法を見つけたとしても、自分より優秀な人がいたら意味がない――そう思う人もいるだろう。

そこで注目したいのが、2つめのルール「才能とは、グループ内の『かたより』が評価された状態である」だ。自分が集団の中でどのようにかたよっているのかを考えれば、自分より優秀な人間が現れても、活躍の機会は十分にある。

たとえば、「音楽うま太郎」と「音楽へた次郎」というミュージシャンがいて、2人でロックバンドを組むとしよう。

2人組なので、1人はボーカルで、もう1人はギタリストになることにした。担当を決めようと、お互いの音楽スキルを比べてみたところ、問題が起きた。ギターとボーカルの両方において、音楽うま太郎のほうが上手かったのだ。

2人の音楽スキルを数字で表すと、音楽うま太郎はボーカル10・ギター15。音楽へた次郎はボーカル2・ギター10だ。音楽うま太郎はボーカルよりもギターの技術点が高いため、自分のことを「私はギターが得意だ」と考えていたが、バンドを組むとなると話が変わってくる。音楽うま太郎がギターを、音楽へた次郎がボーカルを担当した場合、トータルスコアは17にしかならない一方で、役割を入れ替えると20になり、音楽的な成果を最大にできるのだ。

この例において、音楽へた次郎は、音楽うま太郎よりも音楽で優れたところは何もない。それでも、自分より上の人間と組むことで、ギタリストとしての能力を活用できる。音楽へた次郎のギターの技術がかたよっているおかげだ。

個人の能力は他者とのパワーバランスによって決まる。あなたにとっては苦手で嫌いなことでも、周囲とのバランスによっては「優れた能力」になりえるのだ。

私たちの持つ特性は状況によって評価が変わり、ある場所では「良い」とされた能力が、別の場所では「悪い」と評価されてしまうこともある。だから、好きなことや得意なことを追いかける前に、自分が置かれた状況を見定めることを忘れてはならない。

(3)ルールがあいまいな世界ほど、あなたは異能バトルに勝ちやすくなる
Mongkol Akarasirithada/gettyimages

ここまでの話から「凡人は優秀な人のサポートに回らなければならないのか」と落ち込んでしまった人もいるかもしれない。だが「かたより」を活かすことができれば、逆転も可能だ。これを理解するために、才能のルールの3つめ「ルールがあいまいな世界ほど、あなたは異能バトルに勝ちやすくなる」について見ていこう。

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要約公開日 2023.10.16
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