ある日、入社5年目のOL水谷楓(27歳)は夜10時ごろ帰宅した。しばらく残業が続いており、ここ1か月ほどこの状態である。疲れきった楓は鍵を開けると、そのままベッドに倒れこんだ。
しばらく動けずぼーっとしていて、床についたのは0時を回るころ。しかしすぐに眠ることができない。来週のプレゼンテーションのことや、課長や新人のことなどが頭の中に浮かんできて、あれこれ考えてしまうのだ。
頭が冴えてしまったので、楓は寝るのをあきらめてユーチューブをつけた。「寝る前 考え事」と検索したら、『精神科医Tomyの人生クリニック』という動画が目に入った。
この動画をクリックしてみたら、画面から白衣を着たうるるんとした瞳のおじさんが出てきた。「アテクシ、精神科医Tomy。よろしくね」。Tomyは悩める人の相談にのっているのだという。
楓は困惑しつつも、寝る前に色々考えてしまって眠れないことを打ち明ける。するとTomyは「考えていたことを箇条書きで書き出す」ことをすすめた。楓は早速書き出すと、Tomyはその中から、「具体的にやらないといけないこと」のみを残すように助言した。楓は会社の人間関係などを消して「プレゼンのテーマが決まらない」だけを残した。
やるべきことがわかり、意気揚々とプレゼンを考えようとする楓にTomyは待ったをかける。Tomyは「寝る前に色々考えるのは、明日のことを前倒しているようなもの。一日は朝から始めることが肝心なのよ」と楓を諭した。
「一日を朝から始める」ために必要なのは、スケジュール管理である。やるべきことや考えるべきことを具体的にして、スケジュール帳に書き込むのだ。楓の場合は、「プレゼンのテーマを決める」「資料を揃える」となる。それができたら、毎朝起きて「今日やるべきこと」を確認して、実行するだけでよい。
今日やるべきことが終わらなかったら翌日のリストに加え、今日のリストは消して1日を終わらせるといい。「一日の終わりには頭を空っぽにする」ことが望ましい。
楓の悩みを解決したTomyは、画面の中に帰っていった。
3,400冊以上の要約が楽しめる