夢と金

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夢と金
出版社
出版日
2023年04月19日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「政治と宗教とお金の話はタブー」――。そんな教えを受けて育った要約者は、お金の話を避けて生きてきた。最近では金融教育の重要性が叫ばれるようになったが、社交の場でお金の話をすることに、いまだに抵抗感のある人も少なくないはずだ。

一方で、夢の話はどうだろう。「夢に生きろ」「夢を持て」といった具合に、夢さえあればまるで人生を変えられるかのような物言いがされる。困窮世帯に生まれた若者が、自分の夢を追い求め、仲間と運と類稀なる能力によって大きな成功を掴む話は、感動物語として語り継がれる。しかし本当はみんな、気づいているのではないか。たいていの人は、夢だけでは生きられないと。

『夢と金』で西野亮廣は、夢とお金はどちらかを選ぶようなものではなく、夢を叶えるためにはお金が必要であると強烈に訴えかける。お金が尽きれば夢は尽きる。生活困窮は、自殺や犯罪の原因の上位でもある。それなのに、「お金の話なんかするな」と子どもにお金の「守り方」も「作り方」も教えないのは、夢を殺す作業だと著者は断言する。本書は子どもにもわかるようにお金の知識やスキルについて解説する。そのねらいは、希望を広げるためにほかならない。

さまざまな分野で夢を語り、行動を起こし続けている著者の言葉は、説得力抜群だ。お金を知ることは、生きることに直結する。いつまでもお金を「臭いもの」扱いして、蓋をしてばかりいるわけにはいかない。蓋を開けよう、お金を知ろう、夢をつなごう。

著者

西野亮廣(にしの あきひろ)
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』、完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』、小説に『グット・コマーシャル』、ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』、共著として『バカとつき合うな』がある。制作総指揮を務めた『映画えんとつ町のプペル』は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。その他「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、第50回ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また『えんとつ町のプペル』は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。ミュージカルでは、NY公演に向けての準備も。

本書の要点

  • 要点
    1
    高価格帯の商品を買わない人が、「高すぎる!」とクレームを入れるのは愚かだ。高価格帯の商品を買ってくれる富裕層がいることで、低価格は実現され、そのサービスや商品は多くの人に届くのだから。
  • 要点
    2
    プレミアムは競合の中でも最上位の体験を提供し、ラグジュアリーは競合が存在しない体験を提供する。スポーツカーに代表されるラグジュアリーは、「意味」が大きな価値となる。
  • 要点
    3
    「たくさん売ることができない時代」に生きる私たちは、「機能」ではなく「意味」を売らなければならない。

要約

無知がもたらす悪循環

沈没事故の原因は「金」

2022年4月23日、観光船「KAZU Ⅰ」が知床半島沖で沈没した。この惨事で、乗客と乗員の合計26名のうち、20名が亡くなり、残りは行方不明となっている。知床観光船沈没事故は、連日メディアが取り上げ、運行会社の社長は厳しく批判されることになった。

会見中の社長は責任者として許されざる態度だった。しかし、個人を吊し上げたところで事故の原因を排除することも、同じような事故を防ぐこともできない。メディアは整備不良や無理な運行を事故の原因として報じたが、それらは単なる過程だ。

「なぜ、整備不良のまま海に出たのか?」「なぜ、無理な運行を続けたのか?」。原因の本質は、これらの問いの先にある。突き詰めれば、原因は「お金がなかったから」だ。

知識不足が命取りになる
lemono/gettyimages

2005年7月に世界自然遺産に登録された知床は、その美しい自然で年間平均100万人(2006年は235万人)の観光客を魅了してきた。しかし、コロナ禍により観光業が打撃を受け、観光船の運行会社4社は2020年7月にクラウドファンディングを立ち上げて支援を求めた。事故直後に支援ページは削除されたが、そこには営業自粛要請で厳しい苦境に立たされる運行会社の様子が詳述されていた。

1ヶ月半のクラウドファンディングで集めた支援は622万円。悪くないように見えるが、リターンは「オリジナルTシャツ」など、原価が高いものが多い。宣伝、デザインや配送の人件費や経費等を計算してみると、残るのは1社あたり70万円程度だ。資金不足にあえぐ会社はこれでは持ちこたえられない。

もしもこのクラウドファンディングで各社に200万円が入っていれば、無理な運行をしないで済んだかもしれない。命は救えたかもしれないのだ。

彼らに足りなかったのは「クラウドファンディングの知識」だ。知識不足はときに、人の命に関わることもある。

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要約公開日 2023.10.18
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