本書は日々過ごす上で感じやすい悩みとそれへの回答の組み合わせでまとめられており、どこから読んでもよいようにできている。本要約では、いくつかピックアップして紹介しよう。
誰かに仕事を頼んだり、頼ったりすることが苦手な人は意外と多い。その背景には、相手との信頼関係の不足が潜んでいるかもしれない。「自分は信頼されていない」と相手にも思わせている可能性がある。お互いに信頼関係が築かれていれば、いつでも安心して頼ることができる。「まずは自分から心を開いて、相手を信頼すること」から始めてみよう。そうしてお互いに助け合ううち、少しずつ信頼関係が深まっていく。
あるいは、頼み方を工夫してみるのもよい。「先日、提出してもらった資料が素晴らしかった。またお願いしたい」など、相手に頼みたい理由とともに伝えると、相手も喜んでくれるはずだ。
コロナ禍を経て働き方が多様になり、新たな課題も浮かび上がっている。在宅ワークが続いて気分が落ち込み、たまにオフィスへ出社すると気分が良くなる。そうした現象が起きているという。
これは「孤独」の問題だ。人と人が対面で出会うと、そこには非言語コミュニケーションが発生する。表情や口調、視線、雰囲気などの非言語情報は、PCのモニター越しだとキャッチしにくい。視線を合わせると、癒し物質である「オキシトシン」が分泌される。だから、リアルで人と会うだけで癒しになるのだ。オキシトシンが少なくなると、人はストレスを感じやすくなる。
こうした孤独からくるストレスに対しては、「気分改善効果が高い」とされる「生産性のない雑談」をオススメしたい。現代社会は生産性ばかり追求し、ムダを排除しようとする。その結果、疲労も生じてしまう。リモートの会議であっても、最初の数分を雑談に当てるなどしてみよう。
サクッと会社を辞める人もいれば、なかなか辞めない人もいる。スキルもキャリアもパッとせず、決断ができない……。今苦労すれば将来役に立つものを得られるとわかれば、いざという時が来るまで仕事を頑張れるかもしれない。そこで著者は、会社を辞めたくなったときに「3カ月後に出す辞表を書く」ことを勧めている。
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