2040年の日本

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2040年の日本
出版社
定価
1,078円(税込)
出版日
2023年01月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

個人・企業を問わず、「未来」に対する見通しは非常に重要なものである。例えば、今就いている仕事は10年後、あるいは20年後になくなってしまうかもしれないし、社会保障制度も変わるかもしれない。企業にとっては、技術革新の見通しは業績を大きく左右するだろう。

その未来を巡って、日本は暗い状況にあるといえる。少子高齢化が進む中、労働力の減少・社会保障費の負担増は多くの人が実感を持っているはずだ。かつては「ジャパン・アズ・ナンバーワン」として世界に冠たる経済大国だったが、今や中国に抜かれてしまい、給与も上がらず新興国の猛追を許している。

本書では、経済成長は「労働力」「資本」そして、「科学技術」によって構成されると述べられている。その中で日本が活路を見出すべきは、「科学技術」である。AIやメタバース、自動運転といった社会構造そのものを変えるテクノロジーが進化し、医療技術も日進月歩だ。科学技術分野で主導権を握ることができれば、経済成長を続けることも夢ではないだろう。

本書では、こうした日本が置かれているマクロ的な状況とともに、注目を集める最新技術についてわかりやすく解説している。本書を読めば、日本の未来は必ずしも絶望的ではなく、生きる道はまだ残されていることが理解できるはずだ。

今できる備えは何か、活路はどこか。ぜひ本書を読んで確かめてほしい。

著者

野口悠紀雄(のぐち ゆきお)
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省。72年エール大学でPh.D(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書に『情報の経済理論』(東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本政府は「実質成長率2%」というシナリオにもとづいて政策を立てているが、実際は1%程度の経済成長が現実的なラインである。
  • 要点
    2
    2040年には経済の中心が欧米からアジアに移っている。日本は世界平均よりは豊かであるが、新興国との差は縮まるだろう。
  • 要点
    3
    テレプレゼンス、デジタルツイン、ブロックチェーンなどを活用したメタバースは、幅広い分野での活用が期待されている。
  • 要点
    4
    自動運転車の実用化はリスクとメリットの両方をもたらす。自動車産業の構造変化やドライバーの失業というリスクの一方、安全性の向上や物流コストの削減といったメリットもある。

要約

【必読ポイント!】 日本はどのくらい成長できるのか

日本の経済成長率は1%程度

日本はこれから、どの程度の経済成長が可能なのか。著者は、数多くの機関が発表しているもののうち、OECDのデータを最も詳細なデータとして取り上げている。OECDの調査では、日本の年平均実質GDP成長率を、2020年から2030年までの期間で0.987%としている。過去、2000年から2021年までの平均が0.645%、2013年から2021年までの平均が0.44%だったことと比較すると、かなり高くなっている。

国内でもいくつかの見通しが出ている。内閣府が2022年に発表した10年後(2031年)までの見通しを示す「財政収支試算」では、高めの成長を見込む「成長実現ケース」で実質成長率が2023年度を除く2026年度まで2%超、その後も2%に近い数字が想定されていた。低めの成長率を見込む「ベースラインケース」では、2026年度まで1%超、その後も1%程度を想定している。

著者は政府の描く“低成長シナリオ”と“高成長シナリオ”に対して、明らかに年間の実質成長率が1%程度である低成長シナリオの方が現実的だと指摘している。

問題なのは、日本の政策体系が「2%」の高成長シナリオを基にしていることだ。日本の政策では、維持することができないのは明らかである。

現役の負担は1.5倍に
Yossakorn Kaewwannarat/gettyimages

65歳以上人口が総人口に占める比率である「高齢化率」を見ると、日本の2020年の値は28.7%である。アメリカの16.6%、フランスの24.1%などと比較して、世界で最も高齢化が進んだ国といえる。

1980年代頃までは、日本よりもアメリカやイギリスの方が高齢化率は高かった。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代を支えたのが、この人口構造の差である。しかし、1990年代中盤以降に日本の高齢化率が急速に高まり、経済の停滞も始まった。2021年における出生数は、1899年以降で最少となる81.1万人を記録している。

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