ついに本物の「ドラえもん」が現れた。その名も「ChatGPT」。あらゆる質問、要望に博覧強記の知識で応じてくれる対話型AIのチャットサービスだ。開発元のオープンエーアイによると、このシステムのベースとなるGPT-4に米司法試験の模試を受けさせると、上位10%のハイスコアで合格したという。
GPTはあらゆる分野の膨大な知識とともに、倫理観も備えている。差別をあおる質問や犯罪に悪用できる質問には応じないし、いさめてくる。まさに、特異な能力でこちらを助けてくれる「ドラえもん」だ。
ChatGPTの登場は、AIが人類の知能を超える転換点、つまり「シンギュラリティ」の到来を意味する。そして、「人間とはいったい何なのか」という命題を投げかける。
人間は自然言語によって文明を発展させてきた。GPTの言語能力の獲得プロセスは人間と変わりない。GPTは自然言語の大量インプットを経て、そこから妥当と判断される自然言語を再構成している。つまりGPTのメカニズムも人間のそれと一緒なのだ。
人間とAIの境界線は消えつつある。AIが人間を侵食するのではなく、AIと人間は融合して、さらなる高みを目指していく。
GPTが真のシンギュラリティを果たすうえで、最大の壁は「個性」である。ChatGPT も人間のように、時と場合に応じた個性を獲得できるのか。答えはイエスだ。
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