実施する順に解説!

「マーケティング」実践講座

未読
「マーケティング」実践講座
実施する順に解説!
「マーケティング」実践講座
著者
未読
「マーケティング」実践講座
著者
出版社
日本実業出版社

出版社ページへ

出版日
2023年05月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
要約全文を読むには会員登録ログインが必要です
ログイン
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

本書は、ビジネスの現場で役立つ順番、必要になる順番で書かれた、実務で使えるマーケティングの本だ。北の達人コーポレーションをマーケティングの力で急成長させた木下勝寿社長が、「私が試行錯誤して学んだことが全部書いてある。本書を先に読んでいれば5年は早く成功できただろう」と持ち上げるように、事業構築から商品開発、ネーミングや価格付けまで、中小企業の事例を中心に紹介しながら、マーケティングの流れの基本が順序立てて解説されている。

大企業から中小企業まで2200社に実務的指導をしてきた専門家である著者は、マーケティングを「愛であり、思いやり」と捉えている。顧客に対してどれだけ思いやりを持ち、顧客の課題を解決する商品を開発できるか、また、どのような表現でその商品を必要な人々に届けるかという点が重要なのであり、これがマーケティングの本質なのだという。

従来のマーケティング本は理論を重視した解説本が多く、実践で使うには内容が抽象的なものも多かった。本書には、マーケティングを実際に実施する順番に、何をすればいいか具体的に示されている。経験豊富な著者ならではの、実務のヒントになる事例や実践的なノウハウが満載である。プロジェクトの途中で迷ったりつまずいたりしたときに、そのプロセスに該当する箇所を辞書のように引いて活用することもできる。

マーケティングの体系的な理論と現場で使えるノウハウを両輪で紡ぐ、まさにマーケティング本の決定版と言える一冊である。

ライター画像
中村美音

著者

弓削徹(ゆげ とおる)
日本工業大学大学院教授。製造業のマーケティングコンサルタント。
東京・浅草生まれ。クリエイターとしてSONY、サントリー、オリンパス、CASIO、雪印などの商品開発、広告・販促キャンペーンを成功させ、「製造業なら弓削」との評価を得る。[ノートパソコン]の名付け親。
現在は、大学でマーケティング論の授業をおこなうほか、これまで全国の商工会議所750ヵ所に登壇。フクザツなマーケティングテーマを、明解なキーワードと事例で伝える内容は、わかりやすく実践的と好評。
日本の土台である中小ものづくり企業のマーケティング導入の支援活動とともに、地域貢献として復興庁・有識者会議委員、中小機構・中小企業アドバイザーなどを務める。
ラジオFM J-WAVE、TBSラジオ、ニッポン放送の情報番組にコメンテーター出演、取材協力。
主な著書に『キャッチコピーの極意』『ネーミングの極意』(以上、明日香出版社)、『顧客は展示会で見つけなさい』(日刊工業新聞社)、『即買いされる技術』(秀和システム)、『短い言葉を武器にする』(フォレスト出版)、『メモ・ノートの極意』(ぱる出版)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    現在は商品力と共に社会性や環境志向の視点も求められる。実際に売れるのはよい商品よりも魅力的な商品であり、マーケティングによる誘引力が不可欠である。
  • 要点
    2
    顧客にとっての価値はUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)によってもたらされる。USPを重視する層を見つけてアプローチすることが重要だ。
  • 要点
    3
    M&Aが一般的となった現代は、企業の価値評価においてブランドの重要性が増している。過去の努力やこだわりを物語にし、共感を呼ぶことでブランドが生き生きと躍動する。

要約

マーケティングとは何か

誰に・何を・どのように売るか

かつての日本は生産力がそのまま企業力であり、モノを作れば売れる時代だった。続いて大量生産の時代が訪れ、商品の魅力は安価さに求められるようになった。

そして現代は、商品力だけでなく社会性や環境志向も重要視され、顧客は物語性だけでなくレビューやその他の情報を考慮して商品を選んでいる。

実際に売れるのは必ずしもよい商品ではなく、「よさそうなモノ」が売れる時代である。たとえよい商品であっても、まず買ってもらわなければそのよさは認知されない。そのため、マーケティングによる誘引力が欠かせないのである。

マーケティングの大まかな流れを把握
Olivier Le Moal/gettyimages

マーケティング活動においては、ディテールにのみこだわり「木を見て森を見ず」にならないよう、活動の全体の流れをイメージしておくことが大切である。大まかには、まず商品を開発し、販路開拓を考え、流通に乗せていくという流れになる。

売れる商品を開発するには、市場のニーズを確かめる必要がある。次にマーケティング調査を行い、さらに多くのユーザーにアプローチするための販売ルートや効果的なメッセージ戦略を立てる。そして商品の販売やユーザーからの評価結果を得て、それを次の商品開発につなげていく。

立てた戦略が最初から完璧に決まるとは限らない。成功するためには、数多くの戦術を試し、何度も行動を起こし、あきらめずに努力し続ける必要がある。

たとえばプレスリリースを出す場合、露出につながらずとも1回や2回であきらめてはいけない。テーマや切り口を変えながら何度も送り続けるべきなのだ。

選ばれる商品・サービスとは

幕の内弁当より専門的な唐揚げ弁当

マーケティング調査を行い、戦略や開発テーマの起点となる情報をつかんだら、攻めるべき市場のサイズを選ぶ。

新規事業を企画するときは、どの会社も大抵、巨大市場や成長市場を探そうとするだろう。しかし大きな市場では、大手企業がひしめく大海を泳ぎきる体力が必要だ。逆にあまりにも小さい市場では十分な売り上げを立てることができない。つまり、自社の体力に見合うちょうどいいサイズの市場を狙わねばならない。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2813/3705文字
会員登録(7日間無料)

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.11.10
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
リサーチのはじめかた
リサーチのはじめかた
安原和見(訳)トーマス・S・マラニークリストファー・レア
未読
デジタルテクノロジー図鑑
デジタルテクノロジー図鑑
comugi
未読
アイデアをお金に変える「マネタイズ」ノート
アイデアをお金に変える「マネタイズ」ノート
市原義文
未読
「若者の読書離れ」というウソ
「若者の読書離れ」というウソ
飯田一史
未読
マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ
マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ
西口一希
未読
アウトプット思考
アウトプット思考
内田和成
未読
プロ経営者・CxOになる人の絶対法則
プロ経営者・CxOになる人の絶対法則
小杉俊哉荒井裕之
未読
世界を動かした名演説
世界を動かした名演説
池上彰パトリック・ハーラン
未読
法人導入をお考えのお客様