かつての日本は生産力がそのまま企業力であり、モノを作れば売れる時代だった。続いて大量生産の時代が訪れ、商品の魅力は安価さに求められるようになった。
そして現代は、商品力だけでなく社会性や環境志向も重要視され、顧客は物語性だけでなくレビューやその他の情報を考慮して商品を選んでいる。
実際に売れるのは必ずしもよい商品ではなく、「よさそうなモノ」が売れる時代である。たとえよい商品であっても、まず買ってもらわなければそのよさは認知されない。そのため、マーケティングによる誘引力が欠かせないのである。
マーケティング活動においては、ディテールにのみこだわり「木を見て森を見ず」にならないよう、活動の全体の流れをイメージしておくことが大切である。大まかには、まず商品を開発し、販路開拓を考え、流通に乗せていくという流れになる。
売れる商品を開発するには、市場のニーズを確かめる必要がある。次にマーケティング調査を行い、さらに多くのユーザーにアプローチするための販売ルートや効果的なメッセージ戦略を立てる。そして商品の販売やユーザーからの評価結果を得て、それを次の商品開発につなげていく。
立てた戦略が最初から完璧に決まるとは限らない。成功するためには、数多くの戦術を試し、何度も行動を起こし、あきらめずに努力し続ける必要がある。
たとえばプレスリリースを出す場合、露出につながらずとも1回や2回であきらめてはいけない。テーマや切り口を変えながら何度も送り続けるべきなのだ。
マーケティング調査を行い、戦略や開発テーマの起点となる情報をつかんだら、攻めるべき市場のサイズを選ぶ。
新規事業を企画するときは、どの会社も大抵、巨大市場や成長市場を探そうとするだろう。しかし大きな市場では、大手企業がひしめく大海を泳ぎきる体力が必要だ。逆にあまりにも小さい市場では十分な売り上げを立てることができない。つまり、自社の体力に見合うちょうどいいサイズの市場を狙わねばならない。
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