アウトプット思考

1の情報から10の答えを導き出すプロの技術
未読
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アウトプット思考
出版社
出版日
2023年07月07日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

情報技術の進化により、誰もが瞬時に大量の情報を取得できるようになった。だがその結果、仕事でも私生活でも情報の波に飲み込まれそうになってしまうことも多いのではないだろうか。もし、「情報に翻弄されているかも」「たくさんの情報とどう向き合っていいかわからない」とモヤモヤしているなら、本書がいい処方箋になるはずだ。

本書のメインメッセージはずばり、「アウトプットから逆算することで、スピーディーに情報を集められるだけでなく、周囲との差別化もできる」だ。

これまでは「インプット→アウトプット」の順が基本だった。だがこれからの時代、早く大きな成果を出したいなら、「アウトプット→インプット」の順で取り組むべきだという。

著者の内田和成氏は、かつてボストン・コンサルティング・グループの日本代表として活躍し、現在は早稲田大学名誉教授を務める人物である。『仮説思考』や『論点思考』、『意思決定入門』など、著書は軒並みベストセラーとなり、2006年度には「世界の有力コンサルタント、トップ25人」に選出されている。

本書では、現代におけるインプット・アウトプットの基本を確認した後、豊富な経験に基づいた内田流知的生産術が語られる。「20の引き出し」などのノウハウはユニークで、公私問わず大いに役立つだろう。

「アウトプット思考」を身につければ、最小のインプットで最大のアウトプットを創出できるようになるはずだ。効率のいいインプット・アウトプットの仕方を学びたい方におすすめしたい一冊である。

ライター画像
小林悠樹

著者

内田和成(うちだ かずなり)
早稲田大学名誉教授
東京大学工学部卒業後、日本航空入社。在職中に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。同社のパートナー、シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000年から2004年までBCG日本代表を務める。
この間ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心にマーケティング戦略、新規事業戦略、グローバル戦略の策定、実行支援を数多く経験。2006年度には「世界の有力コンサルタント、トップ25人」に選出。
2006年、早稲田大学教授に就任。早稲田大学ビジネススクールでは競争戦略やリーダーシップを教えるかたわら、エグゼクティブプログラムに力を入れる。早稲田会議創設。早稲田大学ビジネススクールと日本経済新聞のコラボレーション企画『MBAエッセンシャルズ』創設。
著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『イノベーションの競争戦略』(以上、東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』『リーダーの戦い方』(以上、日本経済新聞出版)、『意思決定入門』(日経BP)など多数。累計50万部以上。

twitter:@kazuchida
YouTube:https://www.youtube.com/@kazuchida/streams
facebook:https://www.facebook.com/kaz.uchida/

本書の要点

  • 要点
    1
    「インプット→アウトプット」の順だと、行動するまでに時間がかかりすぎる。情報収集の効率を上げたいなら、「アウトプット→インプット」を基本プロセスとし、アウトプットを意識してインプットするべきだ。
  • 要点
    2
    情報は、目的によって「意思決定を助ける情報」「アイデアの元になる情報」「コミュニケーションの手段としての情報」の3種類に分けられる。
  • 要点
    3
    脳内に「20の引き出し」を持っておくと、蓄積された情報からひらめきが生まれやすくなる。

要約

アウトプット→インプットが鉄則

「とりあえずインプット」はNG

情報をインプットしたあとに、その内容を踏まえてアウトプットするシーンは多いものだ。例えば、新商品開発プロジェクトでは、まず市場調査をする。そこでA・B・Cという3つのニーズを見つけたら、もっともニーズの大きいAに向けた商品を考えていく……という「インプット→アウトプット」のプロセスが一般的である。

だが、未来を予測できない時代においては、予想もつかないような出来事が次々に起こるため、最新の情報を集めてもあまり意味はない。大量のインプットをしても、ヒット商品を生み出せる可能性は限りなく低くなっていると言えるだろう。時間もお金も無駄になり、競争力を失ってしまいかねない。

網羅思考のワナに陥らないために
maruco/gettyimages

インターネットが普及し、情報収集が簡単になった今、行動する前にありとあらゆる情報を集める人は多いものだ。だが、それはインプット重視の最大の弊害だ。いわば「網羅思考のワナ」である。

インプットを起点とする網羅思考を持っていると、行動するまでに時間がかかりすぎる。マーケットや競合の情報を完璧に調べ上げていては、戦略や企画を生み出しても「時すでに遅し」になってしまいがちだ。今の時代、「情報は集めれば集めるほどいい」とは言えないのである。

網羅思考のワナに陥らないためには、情報収集にかける時間を必要最低限に抑えて、「考える」時間を増やすとよい。そして、インプットではなくアウトプットで差別化することを目指す。

具体的には、「インプット→アウトプット」ではなく「アウトプット→インプット」を基本プロセスとしよう。アウトプットを意識してインプットすると、情報収集の手間を減らせて、最小限の情報から最大限の成果が引き出せるだろう。

【必読ポイント!】 最速で成果を出すインプットの基本

情報を集める3つの目的

内田流知的生産術における基本スタンスは「情報は整理するな、覚えるな、検索するな」である。目指すは「インプットにはなるべく時間をかけずに成果を出すこと」だ。ここでは、効率よくアウトプットを出すための「アウトプットから始まるインプット」について解説する。

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要約公開日 2023.11.04
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