他人を攻撃せずにはいられない人

未読
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他人を攻撃せずにはいられない人
出版社
定価
979円(税込)
出版日
2013年12月02日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

世の中には、他人を攻撃せずにはいられない人がいる。著者は精神科医として、理不尽な攻撃のターゲットにされて悩んでいる方々からのたくさんの相談に応えてきた。会社でのパワハラやセクハラ。家庭でのDV、虐待。こうした攻撃によって被害者は吐き気などの心身の不調に悩まされ、リストカットするほど追い込まれる人もいる。さまざまな相談から共通して浮かび上がってきたのは、攻撃欲の強い人の存在だった。

攻撃欲の根底には「支配欲」が潜んでいる。「相手を自分の思い通りに支配したい、操作したい」と思う欲望だ。しかもこの欲望は、本人にとっても無意識であることが多い。「あなたのためを思っているから」「仕事上、必要なことだから」と本気で思い込んでいる場合もある。かれらのターゲットにされてしまうと、精神的にも肉体的にも破壊されかねない。

本書では他人を攻撃せずにはいられない「攻撃欲の強い人」を取り上げ、事例にもとづいてその心理メカニズムを分析する。攻撃欲の強い人の特徴、ターゲットとなる人が抵抗できなくなる理由、攻撃が及ぼす影響について述べている。どのように対応すべきかがわかる処方箋も紹介されているのがありがたい。

攻撃欲の強い人といっても、暴力や暴言によって怒りをむき出しにする人ばかりではない。常識に訴えながら、いつの間にか精神を破壊してしまうようなやり方もある。まずはどのような特性があるのかを知り、かれらの「攻撃しようとする意図」を理解する。その解決への第一歩をこの本とともに踏み出そう。

著者

片田珠美(かただ たまみ)
広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。
精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析的視点から分析。『無差別殺人の精神分析』(新潮選書)、『一億総ガキ社会』(光文社新書)、『一億総うつ社会』(ちくま新書)、『正義という名の凶器』(ベスト新書)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    他人を攻撃せずにはいられない人とは、他人の幸福が許せず、自分の思い通りに支配しようとする「攻撃欲の強い人」だ。自己愛が強く、異なる価値観を認められない。そのため強い不安と羨望に囚われている。
  • 要点
    2
    そうした攻撃のターゲットになりやすいのは、自分の意見よりも相手の望みに合わせ、怒らずにいる「いい人」だ。
  • 要点
    3
    理不尽な攻撃に付き合い、思い悩む必要などない。現実を受け入れ、攻撃をかわしながら逃げてしまえばよい。

要約

「攻撃欲の強い人」の特徴

相手の幸せを破壊し、支配する

攻撃欲の強い人は、「破壊」を欲している。強い怒りや敵意をもって、他人の幸せや成功すべてを壊そうとする。周囲への影響を顧みず、自分の道を邪魔する者の足を引っ張る。正当な理由があるかのように振る舞い悪意を隠して、あるいはそもそも悪意にすら気づかずに行動することもある。

かれらは、全てを自分で支配したい。とにかくけちをつけ、あら探しをして自分の力を誇示しようとする。うまく機能していた場をわざわざ壊し、あえて「自分のやり方」を導入し、それを決して変えようとしない。都合が悪くなると責任転嫁する。周囲にイエスマンを集めて、自らの存在意義を強調しようとする。このなかで出来上がった組織は、早晩つぶれる。

こうした人と一緒にいると徒労感や疲労感を覚える。最初は何となく感じるくらいだったとしても、言動を細かく観察すれば、あなたの世界を混乱させるタイプの人なのかが見えてくるはずだ。

攻撃に対する反応の種類
vejaa/gettyimages

では自分自身の身を守るためには、何をすればよいのだろうか。「自分がターゲットになったときの体・心の反応」と、「誰かが攻撃された時に周囲に見られる反応」の2軸から考えてみたい。

「急に気力や自信をなくす」「罪悪感にさいなまれる」「反論してもムダだと思う」「あの人がいると心身の不調が出てくる」といった場合は、できる限り距離をおくべきだ。早急に誰かに相談し、助けを求めよう。

自分が直接のターゲットではなくても、攻撃欲の強い人は周囲に影響を及ぼす。重苦しい雰囲気が漂い、もめ事や不和が絶えない。病気や事故、退職も増えて全体的に沈滞したムードが漂い、疲弊している。

そんな状況でも、攻撃欲の強い人は「自分の正しさ」を確信している。間違っているのはいつも他人であり、その考え方を変えさせようとしても無駄だ。

人を壊すために使う「武器」

攻撃欲のある人は、さまざまな方法で心身を破壊してくる。

攻撃をとがめられても「わからないふり」をして、しらを切る。非難した側が逆に責められ、「攻撃している非常識な奴」扱いをされることもある。その結果、何をやっても何を言っても効果がないと感じて疲弊することになる。

自分以外の人間には何の価値もないと思っているため、「他人の価値を無視」する。

「愛している」と言いながら人前ではバカにするなど、言葉と真意、言っていることとやっていることに大きな「ズレ」を生じさせ、相手を混乱させる。

罪悪感を抱くように仕向けて自分の攻撃欲を隠蔽しようとするのも常套手段だ。

こうした“武器”が巧妙に使われると、自分も周囲も容易に反撃できない状況へと陥ってしまう。

反撃できない被害者たち

被害者が反撃できなくなってしまう理由は、いくつかある。

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要約公開日 2023.12.07
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