住まい大全

ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方
未読
住まい大全
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ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方
未読
住まい大全
出版社
出版日
2023年12月28日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

住宅の購入は、人生で最も大きな買い物といわれる。そんな大きな買い物での失敗は誰もがさけたいところだ。しかし、何事も「はじめて」には失敗がつきものである。できれば何度か失敗を重ねてから選択のコツをつかんでいきたいものだが、こと住宅の購入にかんしてはそうもいかない。多くの人にとって、住宅は一度きりの買い物だからだ。

自分で経験を重ねることができないならば、経験豊富なプロの知識を借りればいい。それができるのが本書だ。

著者は19歳から大工として働き現在は住宅会社を経営する、建築歴23年の住宅のプロだ。その豊富な経験から、住宅を手に入れるにあたって重視すべきポイントや、持つべき視点を指南してくれる。賃貸か、持ち家か? マンションか、戸建てか? 初期費用の安い中古住宅か、フルオーダーの高性能住宅か? 家を建てるベストタイミングはいつなのか? 私たちの疑問に本書はひとつひとつ答えてくれる。

著者が繰り返し述べるのは、「快適な住居」は人によって異なるということだ。自分がその家で、誰と、どのように生きていきたいのかを明確にすることが最も重要なのだという。家づくりは夢を描くところから始まると著者は語る。

「住む」ことは「生きる」ことに直結する。住まいを考えることは、どう生きていくかを考えること。住宅の購入を考えている人はもちろん、今すぐに動く予定はない人も、これからのライフプランを考えるきっかけになるだろう。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

平松明展(ひらまつ あきのぶ)
平松建築株式会社代表取締役。建築歴23年。19歳から大工として10年間で100軒以上の住宅を解体、修繕し、住宅の性能の特徴を理解する。2009年創業。会社経営を行いながらもドイツを訪れて省エネ住宅を学ぶほか、地震後の現地取材を行い、気候風土に合った家づくりの研究を行う。YouTube チャンネル「職人社長の家づくり工務店」(登録者数は10万人以上)も配信中。

本書の要点

  • 要点
    1
    家づくりは選択の連続である。無数の選択肢を前に適切な選択をするには、ライフプランが欠かせない。自分がどのように暮らしたいのか、イメージを明確にしておく必要がある。
  • 要点
    2
    住宅にかかる費用を考えるとき、初期費用だけを見るのでは不十分だ。光熱費や修繕費などのランニングコストや、年数が経ったときの価値の減じ方など、長期的な視点を持ってトータルでコストを考えるべきである。
  • 要点
    3
    耐久性が高く長期的に価値が減じにくい住宅は、売却時に高値で売れるだけでなく、住んでいる間も快適である。必要なところには初期費用が高くても設備投資をするべきだ。

要約

家をつくるときに考えるべきこと

ライフプランを指針にする

家づくりは選択の連続だ。「住めば都」とはいうが、住み始めて後悔することも当然ある。

住宅を手に入れる際に最も重視したいのは、豊かな暮らしの実現だ。住宅は高い買い物だが、費用と快適な暮らしはトレードオフではなく、同時に考えることができる。それを実現するには、適切な選択が必要だ。

住宅にはさまざまな選択肢がある。「戸建て/マンション」、「持ち家/賃貸」、「建売/規格住宅/フルオーダー」、「平屋/総二階/3階建」、「低性能住宅/高性能住宅」などが代表的な選択肢だ。他にも無数に選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがある。

無数の選択を前に、まず考えなければならないのは、「どんな人生を送りたいか」だ。そのライフプランをもとに家づくりをしていく。

住宅にどれくらいの費用をかけられるかをはっきりさせるには、いつ、どの段階で、どれくらいの出費と収入がありそうか、マネープランを考えておくとよい。

ライフプランやマネープランは膨大な選択をする際の基本的な指針になる。

その家に、誰が、どのように暮らしていくのか。夢や譲れない部分があって当然だ。ライフプランがはっきりしていれば、希望を叶えるには予算オーバーだと気づいても、単にあきらめるのではなく、ほかを変更して予算をつくることを考えられる。家づくりは夢を描くことから始まる。

賃貸or戸建ての持ち家
avgust01/gettyimages

賃貸と戸建ての持ち家ではどちらが得なのか。これは一概にどちらが良いとはいえない。いくつかの視点から考えてみよう。

生活のクオリティで考えるなら、小さな子どもがいる人は生活音を気にしなくていい持ち家のほうが快適かもしれないし、仕事の関係で引越しが多い人は賃貸のほうが便利だろう。

住む場所によっても比較結果は異なる。地価が高い都会では持ち家は賃貸より割高だ。一方、地価が低い場所で生活拠点を固定できる人なら、持ち家のほうがお得だといえる。

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要約公開日 2024.05.12
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