経済評論家の父から息子への手紙

お金と人生と幸せについて
未読
経済評論家の父から息子への手紙
経済評論家の父から息子への手紙
お金と人生と幸せについて
著者
未読
経済評論家の父から息子への手紙
著者
出版社
出版日
2024年02月27日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

大学生になった著者の息子に向けた手紙というていをとりながら、これから働くことになる若者たちに対するメッセージを伝えているのが本書だ。その内容は会社で中堅以上のポジションに就いている人にも大いに参考になる。お金を効率よく、正しく増やして、自由で幸せに生きていくための考え方や具体的な方法が紹介されているからだ。

一方で「大いにお金を稼げ」というつもりはないとも書いている。お金は目的ではなく、あくまで手段でしかない。自由に生きるために必要なだけあればよいのだし、その中で大金持ちを目指したくなれば目指せばいい。

うっかりしていると損をする側に回ってしまう資本主義が跋扈した現代社会において、様々な点でいかに「損しないか」について書かれているのが本書の特徴だ。そのため、投資がやけにダーティに感じ、「お金儲けに興味がない」という人こそむしろ読むべき書籍といえそうである。

手紙とはとてもパーソナルなものであり、基本的には送り主と受け取り手、この2人の間でしか読まれることのないものだ。だからこそ、文豪が交わした書簡などは非常に高い価値を持ち、多くの人が興味をもって読もうとする。その意味で、父から子へ贈られた手紙であり、かつベストセラーをいくつも著した経済評論家が書いた本書は、すでに希少な書籍といえるだろう。それが、スラスラと読み進めつつ、内容を受け止めることができる秘密なのかもしれない。

著者

山崎元(やまざき はじめ)
経済評論家。1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会多数。ズバリ語る辛口の経済解説、マネーコラムで人気を博した。『リスクとリターンで考えると、人生はシンプルになる!』(ダイヤモンド社)、『ほったらかし投資術』、『超簡単お金の運用術』(以上、朝日新聞出版)、『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社)などベストセラー多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    従来、理想的とされてきたような働き方はもはや「割の悪い」ものとなっており、働き方を刷新する必要が生まれている。その手段が、株式投資によって稼ぐことだ。
  • 要点
    2
    株式投資によって稼ぐ方法は主に4つである。起業すること、あるいは起業から間もない企業に就職してストックオプションを得ること、報酬の多くをストックオプションなどで支払う企業に就職すること、そして、有望なビジネスに出資することである。
  • 要点
    3
    お金に関する問題の考え方や運用のポイントは非常にシンプルであり、複雑に捉える必要はない。投資であれば、「長期」「分散」「低コスト」の観点から、全世界株式のインデックスファンドを選ぶとよい。

要約

新しい時代の働き方

従来の働き方は「割が悪い」

「安定した職を得て、出世して、労働を高くかつ長く売る」。これは古い世代の働き方の常識だ。大手企業で出世して多くの年収と退職金を得る。医師や弁護士のような労働時間単価の高い仕事は「食いっぱぐれがない」。

しかし、結局は「時間売り」のビジネス・モデルだ。それぞれの成功者が手にするのは多くても数億円程度の資産で、しかもそれが手に入るのはたいてい晩年である。

こうした古い働き方に従えば、不自由な職業人生を送ることになる。小さい確率で成功できても大金持ちにはなれないので、「割が悪い」。ぼんやり生きていたらチャンスを失うだけだ。

新しい働き方とは

では、新しい働き方とは何か。ひとつは、「『時間の切り売り』では達成できない効率性を求めて、なるべく若い時点で効率良く財産を作ること」。もうひとつは、「働き方の『自由』の範囲」を拡大することである。そのためには、常に適度なリスクを取り、かつ他人と異なることをしようと工夫をするマインドが重要となる。

その具体的な手段が「株式とうまく関わること」である。雑誌『Forbes』が発表した2023年の世界の長者番付では、トップ10がすべて、保有株式の評価額によって富豪とされている面々だった。

株式は資産形成を高速化させる。上手く関わっていかなくてはならない。

株式で稼ぐ4つの方法
guoya/gettyimages

株式で稼ぐといっても、「株式運用でお金を『増やせ』」ということではなく、「株式ないし株式に連動するかたちで報酬を得て『稼げ』」ということだ。そのためには4つの方法がある。

まずは、自分で起業することだ。自社の株式を公開して、その価値で大きなお金を得る。起業の成功率は高くないが、今は起業コストが低下し、株式公開も容易になっている。人を雇う経済的なリスクと対人的なプレッシャーに耐えられるなら、「他人を振り回す側」に回ってみよう。

2つめは、他者の起業に早い段階で参加することだ。早期にストックオプションなどの権利を確定させよう。そこで働くことが自分にプラスになるかなどを見極める必要はあるが、短期間で資産を形成できる。3つめは、報酬の大部分を自社株やストックオプションで支払う会社で働くことだ。10年も働けば運用益で一般的な勤労所得並の生活を送る、いわゆる「FIRE」も夢ではない。

最後は、「起業の初期段階で出資させてもらうこと」だ。友人などのビジネスに出資して株式の一部を持たせてもらう。人脈を形成し、チャンスを逃さないようアンテナをしっかり張ろう。

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お金を増やす基本

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要約公開日 2024.05.23
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