人生が整うマウンティング大全

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出版社
技術評論社

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出版日
2024年02月14日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

日本人は謙虚だ。ビジネスシーンでは尊敬語や丁寧語を駆使してリスペクトを示し、常に低姿勢を崩さない。

では、SNSの世界ではどうか。FacebookやInstagramはさまざまなマウンティングにあふれている。本書の表現を借りると、空港に滞在していることをSNSで報告する「空港マウント」、海外の名門大学に留学したことを自慢する「海外留学マウント」、都会から離れた生活をアピールする「地方移住マウント」……どれも見覚えがあるのではないだろうか。

本書の著者はマウンティングポリス氏。氏は「世の中に存在する様々なマウンティング事例を収集・分析し、情報発信に取り組むマウンティング研究の分野における世界的第一人者」であるという。

本書では、さまざまなマウントのパターンを網羅的に紹介する「マウンティング図鑑」に多くの紙面が割かれている。知らず知らずのうちにやってしまっているマウンティングを自覚するのに使うもよし、同僚や友人がやりがちなマウンティングを見つけて「あるある」と楽しむもよし、である。

これだけではない。マウンティングポリス氏は「マウンティングを制する者は人生を制する」という信条のもと、マウンティングをうまく受け止め、利用して、人生をよりよく生きていくための術を教えてくれる。さらに、日本経済を立て直すカギはマウンティングにあるとも指摘している。

現代を生きるすべての人に、ぜひ奥深いマウンティングの世界を眺めてほしい。日々のストレスがすこし軽くなるとともに、コミュニケーションの達人になれるはずだ。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

マウンティングポリス
「人間のあらゆる行動はマウンティング欲求によって支配されている」「マウンティングを制する者は人生を制する」を信条に、世の中に存在するさまざまなマウンティング事例を収集・分析し、情報発信に取り組むマウンティング研究の分野における世界的第一人者。「だれもが自分らしくマウントを取ることができる豊かな社会」の実現に向けて、我が国のマウンティングリテラシーの向上に努めることを人生のミッションとして掲げている。
【X】@mountingpolice

本書の要点

  • 要点
    1
    マウンティングは現代社会を生き抜くうえで必須の教養だ。マウンティングリテラシーを高めてマウンティングを適切に活用し、人生を攻略しよう。
  • 要点
    2
    厳しいビジネスの世界を生き抜きたいなら、自身の能力や地位をさりげなくアピールする「ステルスマウンティング」と、相手に気持ちよくマウンティングさせてあげる「マウンティング枕詞」をマスターすべきだ。
  • 要点
    3
    現代の企業には、「マウンティングエクスペリエンス(MX)」起点で事業を構想することが求められている。

要約

現代人必須の教養としての「マウンティング」

マウンティングリテラシーの重要性

「マウンティング」(マウント)という言葉は、相手に対する自分の優位性を示す意味合いで用いられる。

誰もがSNSを使って情報発信している現代社会において、私たちはほかの人の生活や人生を詳細に把握するようになった。SNSで「マウンティング合戦」が絶え間なく繰り広げられる中、マウンティングによって精神を疲弊させる「マウンティング疲れ」はもはや深刻な社会問題だ。

自分らしく満ち足りた人生を送るうえで、不毛なマウンティング競争はできる限り回避したいものである。だが一方で、人間の行動の多くはマウンティング欲求に支配されているため、マウンティングを避けて生きることはできない。ならば、マウンティングを否定するのではなく、マウンティングは「現代社会を生き抜くうえで必須の教養」であり、「人生を切り開くツール」だと捉えるほうが得策ではないだろうか。

人間のマウンティング欲求を理解し、味方につけて、豊かな人生を送ろう。「マウンティングリテラシー」を高めてマウンティングをうまく使えば、人生は天国になりうるのだ。

一流の人が実践するマウンティング例

ニューヨークマウント
OlegAlbinsky/gettyimages

「申し訳ありません、その日はあいにくのニューヨーク出張でして、同窓会に参加することができません」――同窓会を欠席する理由として「ニューヨーク出張」を挙げ、自身のグローバルな活躍ぶりを周囲に見せつけるマウント例

「ピーター・ルーガー、NYに住んでいた頃によく行きました。ニューヨークで食べる、いつもの味が懐かしいなあ」――自身の豊富な食体験を振り返ることで、ニューヨークに住んでいた事実をさりげなくアピールするマウント例

「ミュージカル『オペラ座の怪人』の大阪公演に行かれたんですね。私も数年前にブロードウェイ公演にクライアントからご招待いただいたのですが、本当に素晴らしかったです。大阪はどうでしたか?」――有名なミュージカルのNY公演にクライアントから招待されたことを語り、自身が特別な立場にあることをほのめかすマウント例

日本人にとって、世界の経済と流行の中心地であるニューヨークは特別な存在だ。だからこそ日本人の間では、ニューヨーク在住マウントやニューヨーク駐在マウント、ニューヨーク出張マウントといった、ニューヨークを題材にしたマウンティングが日々繰り広げられている。

また、ニューヨーク拠点と日常的にミーティングしている事実を示す「ニューヨークテレカンマウンティング」も存在する。退屈な飲み会でこれを使うと「ニューヨークと会議なら仕方ないか」という雰囲気が生まれ、比較的スムーズに帰宅できることが多い。

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要約公開日 2024.05.16
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