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多様性って何ですか? D&I、ジェンダー平等入門

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出版社
出版日
2022年01月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「女に責任ある仕事なんて任せられるわけないでしょ?」

「○○さんの産休が早まってさ、めっちゃ迷惑だったよね~」

「これだから女はうるさいんだよ」

これらはすべて、要約者が職場で実際に耳にした経験のある言葉である。このようにあからさまに問題がある発言がいまだに飛び交ってしまうほど、日本の組織における多様性推進への無理解・無関心は根強い。制度が充実していても、構成員の意識が旧態依然としていることも少なくない。組織の多様性を推進しようという立場にいる人は、こんな現状をどう変えればいいか頭を悩ませていることだろう。

本書は、こうした現状を打開し、組織の多様性を実現するための道しるべを示そうとする。著者は、日本経済新聞社グループによる働く女性を応援するWEBメディア「日経xwoman(クロスウーマン)」を創刊して総編集長を務め、「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」を通して多様性に取り組む先進事例を取材・発信してきた羽生祥子氏だ。10年以上にわたり500社を超える日本の組織をウォッチし積み重ねてきた知見から、組織を多様化するためのステップを具体的に提示する。

本書によれば、組織の多様性推進として最初に取り組むべきなのは、女性活躍とワーママ支援である。そう聞いて「女性にだけ『ゲタ』を履かせるのはずるい」と思った人にこそ、本書を読んでもらいたい。女性活躍の先に待っている、成果をあげやすい組織体制、誰もが働きやすい職場作りの構想が見えれば、多様性推進の動きに納得できることだろう。

ライター画像
奥地維也

著者

羽生祥子(はぶ さちこ)
著作家・メディアプロデューサー
京都大学農学部入学、総合人間学部卒業(文芸論主専攻、認知科学論副専攻)。2000年に卒業するも就職氷河期の波を受け渡仏。帰国後に無職、フリーランス、ベンチャー、契約社員、業務委託など多様な働き方を経験しながらサバイバル。2002年編集工学研究所に入社し松岡正剛に師事。「千夜千冊」「情報の歴史」に関わる。05年日経ホーム出版社(当時)入社。12年「日経マネー」副編集長。13年「日経DUAL(当時)」を創刊し編集長。18年「日経xwoman」を創刊し総編集長。20年「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」始動。22年株式会社羽生プロ設立、代表取締役社長。内閣府少子化対策大綱検討会、厚生労働省イクメンプロジェクト、東京都子供子育て会議の委員などを歴任し、働く女性や共働き家族の声を発信している。大学講師、企業セミナー、TV等出演多数。プライベートでは2児の母。趣味はピアノ、料理、水泳、筋トレ、金融の勉強。目下、グローバルの中で薄れつつある「日本の個性」に着目。大阪・関西万博Womens’ Pavilion WAプロデューサーとして女性活躍について国内外に発信中。

本書の要点

  • 要点
    1
    組織に多様性(Diversity)を求める声は、急速に高まっている。男女のジェンダーギャップが大きい日本では、企業における性別多様性の推進が特に重視されている。
  • 要点
    2
    「女性だけ特別視する必要はない」「多様性で経営は上向かない」として、女性活躍を敬遠する日本企業は少なくないが、こうした「言い訳」を反証するデータは豊富に存在する。
  • 要点
    3
    組織の多様性推進を成功させるためには、「初級レベル」から「達人レベル」までの段階を一歩ずつたどる必要がある。最初に取り組むべきは女性活躍とワーママ支援だ。

要約

多様性って、何ですか?

「多様性」が指すものとは

多様性やダイバーシティ(Diversity)という言葉はよく聞かれるようになった。

組織に求められる多様性の中で、代表的な属性は性別だ。男女比率はもちろん、性的マイノリティーも含め、組織を構成するジェンダーは多様であることが求められる。年齢、民族や国籍、宗教などの属性において多様であることも重視される。

人事部や経営企画室、広報IR部などの活動では、D&I(またはI&D)、DEIといった言葉も出てくる。DはDiversityを、Iはインクルージョン(Inclusion、包括)、Eはイクオリティ(Equality、平等)とエクイティ(Equity、公平)を表す。D&I、DEI、女性活躍推進、男性育休取得促進、イクボス育成など、表現はさまざまであるが、どの活動も多様性に関わる取り組みである。

経済界にも押し寄せる多様性の波
andreswd/gettyimages

2015年に国連総会で掲げられた持続可能な開発目標・SDGsには、「ジェンダー平等を実現しよう」「人や国の不平等をなくそう」「平和と公正をすべての人に」という、多様性に直接関わる目標が盛り込まれている。そして、国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は、特にジェンダー平等の実現が、他の問題の解決にも寄与すると見なしてと勧告を出している。

経済界でも多様性の重要性は近年急激に高まっている。2020年1月は米国の金融大手ゴールドマン・サックスが、ダイバーシティをもたらす人材が取締役会にいない企業には上場支援しないことを表明。同年12月には米国証券取引所のナスダックも上場企業に対して多様性を含む人材の採用を義務付ける方針を打ち出した。

多様性の波は日本の経済界にも押し寄せている。金融庁と東京証券取引所(東証)は2021年6月、企業の行動指針となるコーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた内容を発表。管理職層における多様性の確保に積極的に取り組み、情報開示することを企業に求めた。日本国民の年金という巨額資金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を筆頭とし、多様性、特にジェンダー多様性を考慮して投資先を判断するなど、投資家サイドにも多様性を重視する動きが出てきている。

「ジェンダー不平等国」日本

多くの実証研究によれば、ジェンダー多様性に富む企業は幅広い人材プールにアクセスでき、優れた経営パフォーマンスをあげる可能性が高い。これが、ジェンダー多様性を考慮して投資先を決める一つの根拠になっているわけだが、日本は多様性の中でも、ジェンダー平等の項目で世界から取り残されているレベルに留まっている。

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要約公開日 2024.06.02
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