ビジネス会食 完全攻略マニュアル
ビジネス会食 完全攻略マニュアル
すべての食事会を成功に導く最強の実務メソッド
ビジネス会食 完全攻略マニュアル
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2024年02月27日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「取引先と会食することになったから、セッティングをよろしく」と言われたら、あなたはどう思うだろうか。面倒なことになった、できればやりたくない、というのが本音ではないだろうか。しかし、本書の著者はこう指摘する。ビジネス会食の設定は、ビジネスの「基礎中の基礎」であり、同時に、あなたの「創造力」を発揮できる、最高にエキサイティングなビジネスシーンである、と。

著者は、自らのキャリアを会食によって切り拓いてきた。かつては「ポンコツ」であったそうだが、一念発起して会食を極めた結果、社内外から信頼を勝ち取り、転職後には会食をしたことのある人から仕事をもらうまでになった。会社という看板を失った後でも一緒に仕事をしたいと思ってもらえるまでの強固な信頼関係を築くことができたのは、著者が独自に編み出した「会食メソッド」のおかげであるという。

本書で余すところなく紹介されるこのメソッドは、会食を成功に導くための具体的な行動指針を示している。会食初心者はこのメソッドをまるごと真似するだけで、一気に会食準備のレベルを上げることができるだろう。著者の入念な会食準備の根幹には相手を思いやる「想像力」がある。徹底した相手ファーストの配慮、段取り力や臨機応変な対応など、ビジネスパーソンとして身につけたいスキルが会食準備には詰まっている。会食メソッドを学びながら、ビジネスパーソンとしての必須の基礎スキルにも磨きをかけられることだろう。

著者

yuuu(ユウ)
京都大学大学院修了後、新卒で大手広告代理店に入社。
入社当時は競合代理店である「博報堂の回し者」と社内で揶揄されるほどの落ちこぼれであったが、先輩の言葉をきっかけに会食に全力で取り組むように。
百戦錬磨の会食猛者達に揉まれ、最大28回/月の会食を経験。その苦戦苦闘の末に、すべての会食・食事会を誰もが成功に導くことができる、徹底的に実務に即した体系的な会食ノウハウ=「会食メソッド」を独自に生み出す。会食メソッドをフル活用して社内外の信頼を勝ち得たことで、徐々にビジネス人生が好転。媒体社の新規プロジェクトの立ち上げなど、切望していた業務に携わる機会を手にする。
その後、自らセッティングした会食をきっかけに、念願のスタートアップ企業に就職。転職後も会食を通じて信頼関係を構築した企業から仕事を受けるなど、会食で人生の起点を創り出した。
「会食メソッド」の一部を公開したnote『若手のうちに絶対身に着けたい「ビジネス会食完全攻略マニュアル」』は大きな反響を呼び、noteでは異例の約30万PVを達成。
グルメでもあり、本書特典の「珠玉の会食店/困ったときのハズさない店リスト」は、8年もの期間、ほぼ365日名店巡りを続けてきた記録の集大成。X(旧Twitter)フォロワー数2万3000人(2024年2月時点)。本書が初の著書。

本書の要点

  • 要点
    1
    ビジネス会食の本質は「自分がクライアントをどれほど大切にしているかを伝えること」であり、その意味で「相手に対して徹底的な貸しを作る」ものである接待とは別物だとしている。
  • 要点
    2
    会食当日までには11個のフローがあり、中でも重要なのが「④選定基準書の作成と上司との合意」である。
  • 要点
    3
    会食当日は、序盤は「聞き役」に徹し、中盤では相手の懐に入り込んでいき、終盤では「情熱」を語ると良い。

要約

ビジネス会食の定義と下準備の重要性

会食は「自分がクライアントをどれほど大切にしているか」を伝える場

会食において最も重要なことは何か。良い店を選ぶことだと思うかもしれないが、著者の考えは違う。著者の考えるビジネス会食の本質とは「自分がクライアントをどれほど大切にしているかを伝えること」だ。その意味では「相手に対して徹底的な貸しを作る」ものである接待とは別物だといえる。ほぼ全額をホストが払う接待とは異なり、ビジネス会食は割り勘から持ち合いまでさまざまだ。

そのうえで、著者が思うビジネス会食の定義は「会社の経費を使って開かれるもの」だ。会社の経費を使うからこそ、①ビジネス上の目的を設定し、かつ②ゲストファーストであり、③会食の前後で何らかの変化を生み出すことが求められる。

会食の目的を「相手と仲良くなること」とのみ定義する考え方もあるが、著者は仲良くなった先に何を達成したいかという目的の設定を徹底することを推奨する。そのほうが、会食後に効果を測定しやすいからだ。

成否のカギは事前準備が握っている
kazuma seki/gettyimages

ビジネス会食の成否のほとんどは「事前準備」にかかっている。そして、事前準備に必要なのは天性のセンスではなく、正しいメソッドだ。

具体的には、会食当日までに行うべきメソッドが11個ある。なお、いずれのフローでも「前始末」、すなわち事前準備の徹底こそがすべての成果に直結するといったマインドで臨む必要がある。この考えを持っていないと、「直前で店の予約をとれない」「ゲストの苦手なものが会食中に判明する」、といった失態につながる可能性がある。

本書ではフローチャートを記載しているが、業務時間に応じてフローをアレンジしても問題ない。しかし会食までの時間が限られている場合でも必ず行うべきなのは「④選定基準書の作成と上司との合意」だ。この工程をはさむだけで、上司を味方につけることができるからだ。

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要約公開日 2024.06.03
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