アタマがどんどん元気になる! ! もっと脳の強化書2

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出版社
出版日
2015年01月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

仕事も余暇もばっちり楽しみたいと思っている読者の皆さま、この本を読んで脳をギュンギュン活性化しよう。そして今よりさらに充実した人生を手に入れようではないか。

「脳トレ」は一時期の大ブームは落ち着いたものの、依然として多くの人の関心を集めるトピックだ。むしろ現在は、新たな自己啓発ジャンルのひとつという安定的な地位におさまったように見受けられる。著者によれば、「脳の一部分は死ぬまで成長し続ける」ということから、成長の可能性をみすみす見逃すわけにはいかない、と多くの方が意識するようになったのも当然といえるかもしれない。

ベストセラーとなった前著『アタマがみるみるシャープになる!! 脳の強化書』では、脳をその働きごとに番地分けし、パートごとにトレーニングする方法を提唱した。その続編となる本書では、脳の成長のための根源的なエネルギーとなる、「欲求」に着目している。

たとえば、いつまでも旅行や趣味を楽しんでいる人の方が、年をとっても元気で生き生きしているというのは自然に腑に落ちる道理ではないだろうか。本書では、こうした「欲求」と脳の成長の関連を解き明かし、欲求を通して脳を成長させるトレーニング法を述べている。トレーニング法とは、女性は立ち食いそば、男性はパフェを食べてみる、後ろ向きに歩く、などユニークなものばかりだ。ぜひ元気に輝く自分づくりに役立ててほしい。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

加藤俊徳(かとう としのり)
新潟県生まれ。
医師、医学博士、株式会社「脳の学校」代表、加藤プラチナクリニック院長。
14歳のときに、「脳を鍛える方法」を探そうと、医学部への進学を決意する。
昭和大学大学院を卒業後、国立精神・神経センター(現・独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター)、米国ミネソタ大学放射線科MR研究センター、慶應義塾大学、東京大学等で脳の研究に従事。
脳画像の鑑定では屈指の読影技術を持ち、これまでに、胎児から超高齢者まで1万人以上の脳を分析した。脳の活性化を計測するfNIRS原理の発見、発達障害に伴う海馬回旋遅滞の発見など、研究分野は多方面に渡る。2006年、株式会社「脳の学校」を立ち上げ、企業の脳研究や人材育成事業をサポート。2013年、加藤プラチナクリニックを開設、MRI診断による脳の健康医療を実践。
著書に『アタマがみるみるシャープになる!! 脳の強化書』(あさ出版)、『脳を育てる親の話し方~その一言が、子どもの将来を左右する~』(共著、青春出版社)、『「認知症」は“脳”を鍛えてくいとめる!』(PHP研究所)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    脳には、30代以降も成長する部分がある。実行力や判断力を司る「超前頭野」は50代を過ぎてから成長期を迎え、高齢になっても委縮が少ない。
  • 要点
    2
    欲求が人間を、脳に刺激を与える行動へ向かわせる原動力である。しかしながら現代社会では、自分の欲求が偽物の欲求にかき消され、見失われがちだ。強い欲求が暴走することにも気をつけなければならない。自分の中にある正しい欲求を見つけ、育てていくことが大切だ。
  • 要点
    3
    習慣化された行動は、脳の働きにより「自動化」され、無意識に行われるようになる。自動化された脳の回路ばかり使うのではなく、新しい欲求を育て、脳の未開発エリアを刺激してやることが脳を成長させることに繋がる。

要約

あなたの脳を動かす、「欲求」

いろいろな欲求
EllysaHo/iStock/Thinkstock

人間の欲求にはさまざまなものがある。三大欲求と呼ばれる食欲、睡眠欲、性欲を筆頭に、承認欲求や物欲、何かを壊したくなる破壊欲、他者を守りたいという養護欲など、挙げていけばきりがない。

欲求の方向性は、2つに分かれる。過去の経験をもう一度経験したいという欲求と、そして未知の経験をしたいという欲求だ。2つは脳に異なる刺激を与える。

また、欲求は良い欲求と悪い欲求にも分けられる。つまり、達成されることによって自分や周囲のためになる欲求と、逆に破滅に追いやる欲求だ。

それから、欲求というと「○○したい」という能動的なものを思い浮かべるだろうが、「○○したくない」という受動的なものも欲求である。勉強したくない、仕事をしたくない、というのも立派な欲求というわけだ。この欲求は、過去に苦痛や不快を感じたことがよみがえってくるため、もしくは脳の未発達のパーツを使うことになるために起こる拒否反応が影響している。「やりたくない」と強く感じたときは、どちらに原因があるか考えてみると、自分との向き合い方がわかるだろう。

脳の成長

人間の脳は、奥の部分になればなるほど、生命に関わる大事なことを司るようにできている。最奥の脳幹は呼吸や血圧の機能など、その上にある視床・大脳辺縁系は感情や記憶、行動、学習などをコントロールしている。さらにそれらを覆っているのが、動物にはない、人間だけが持つ「新しい脳」、大脳皮質だ。この部分は思考や運動など高度な機能をコントロールしており、生きていくために必要な欲求以上の複雑な欲求は、ここから生まれている。

このような仕組みの私たちの脳には、「超脳野」と呼ばれる場所があり、これらはとくに複雑な情報処理をしている。超脳野は3つの場所にあり、どれも30代以降にそれぞれの能力を伸ばすという。とくに、実行力や判断力を司る「超前頭野」は、50代を過ぎてから成長し、高齢になっても、元気な人には委縮が見られることが少ないという。「脳は死ぬまで成長し続ける」のだ。

超前頭野が活発に働く人に見られたのが強いストレス耐性だ。欲求を強い意志で実行する力を生み出すのが超前頭野であり、欲求が大きく脳の発達に関わっているといえる。

欲求の取り扱いにはご注意を

偽物の欲求に惑わされがちな現代

私たちの生きている社会は、欲求をたやすく見失ってしまう構造になっている。

和を重んじる日本社会では、皆の意見に合わせて自分の欲求を押し殺したり、他の人の欲求に同調する流れになったりすることも多い。

一方、街やメディアには欲求を刺激する情報があふれかえっている。コンビニに入れば何かしら欲しいものが見つかってしまうし、CMやみんなが観ているからという理由に流されて映画を観てしまうこともあるだろう。

本来ならば自分にとって必要な欲求、内面からわき起こってくる欲求を見極めなければならないのに、現代社会においては、偽物の欲求に踊らされ、何がしたいのかわからなくなってしまいがちだ。

インターネットが脳に及ぼす影響
ViktorCap/iStock/Thinkstock

欲求を刺激する情報の宝庫といえるのが、インターネットだ。実はインターネットは脳に悪影響をもたらしかねない。

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要約公開日 2015.02.03
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