一生頭がよくなり続ける

もっとすごい脳の使い方

未読
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もっとすごい脳の使い方
出版社
サンマーク出版

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出版日
2024年05月30日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

子どもの脳は本当にすごい。あっという間に計算の仕方を覚え、新しい言葉を使いこなす。

知識をぐんぐん吸収できる脳をもつ若者が羨ましい年代に、要約者も近づいてきた。頻繁に知り合いの名前をド忘れするし、忘れ物を取りに戻ると、何を忘れたのかわからなくなる。リスキリングに興味はあるが、今からでは難しいのではと不安になってしまう。

そんな悩める大人たちに火をつけるのが、ベストセラー『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』の第2弾にあたる本書だ。脳内科医として1万人以上の脳を診断・治療してきた著者、加藤俊徳氏は「あなたが何歳でも、脳は必ず自分の力で変えることができます」と断言する。そして独自の「脳番地」の考え方に従い、“大人脳”にとって効率のよい勉強法や計画の立て方を教えてくれる。

加藤氏によると、脳内には8つの個性的な「脳番地」があり、それぞれが専門的な役割を担っている。大人になると、日頃使う「脳番地」が偏ってくるため、普段あまり使っていない脳番地を意識的に動かすことが大切だそうだ。本書では、それぞれの「脳番地」を活性化させるための具体的なトレーニング法が示されている。

人生は長い。「もういい年齢だから」と諦めていた人も、本書を読んで「一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方」を実践してみてはどうだろう。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

加藤俊徳(かとう としのり)
昭和大学客員教授。脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニング、脳活性助詞強調おんどく法を提唱・開発・普及。14歳のときに「脳を鍛える方法」を求めて医学部への進学を決意。1991年に、現在、 世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI脳画像診断法を用いて、脳の個性や脳相診断、強み弱みの脳番地診断によって、小児から超高齢者まで1万人以上を治療。薬だけに頼らない治療と脳番地トレーニング処方を行う。著書に、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)、『1万人の脳を見た名医が教えるすごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』(サンマーク出版)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    新しいことをはじめる前には、準備運動により、脳の基礎体力を底上げする必要がある。
  • 要点
    2
    インプットした情報を活かし切るためには、脳番地の「ファイアリング」に目を向けることが欠かせない。
  • 要点
    3
    脳には視覚系、聴覚系、思考系、理解系、記憶系、運動系、感情系、伝達系という8つの脳番地がある。
  • 要点
    4
    大人脳は「小刻み学習」「1テーマ学習」「余韻学習」で勉強の効率が上がる。
  • 要点
    5
    勉強スケジュールは100日単位で区切るとよい。

要約

勉強を始める前に知っておきたいこと

「脳番地」の基礎知識

どんなに運動能力が高い人でも、フルマラソンを一度も練習しないで走ろうとはしないだろう。本番に備えて準備運動をし、基礎体力をしっかりつけるはずだ。脳も同じで、新しく勉強などを始める前には準備運動が必要である。

まず知っておいてほしいのは、脳内には8つの「脳番地」があり、それぞれの脳番地が異なる役割を担っているということだ。具体的には、視覚系脳番地、聴覚系脳番地、思考系脳番地、理解系脳番地、記憶系脳番地、運動系脳番地、感情系脳番地、伝達系脳番地の8つである。

毎日同じような日々を過ごしていると、使う脳番地が偏ってしまいがちだ。脳番地への理解を深めるとともに、普段あまり使っていない脳番地を意識的に動かして、脳の基礎体力を底上げしよう。

脳内で起こる「発火」
Dilok Klaisataporn/gettyimages

あなたは今、公園のベンチに座ってぼーっとしているとしよう。その間も、脳内ではいくつかの脳番地が稼働し、毎秒1~5回の電気信号が送り出されている。そこで公園に桜が咲き始めていることに気づけば、電気信号は毎秒50~100回程度にまで増える。久しぶりに会う親友が偶然現れでもしたら、電気信号は毎秒500回以上になるだろう。このように電気信号が活発になった状態を「発火」という。

インパクトの強い情報が脳に入力されると強い発火が起こる。「もっとすごい脳」を手に入れるためには、発火をコントロールして、脳の働きをよくすることが非常に重要だ。

情報を記憶に強く留めるには?

普段から使用頻度の高い脳番地同士は連携が強く、車が高速道路を走るようにスイスイと情報を伝達できる。一方、あまり使われていない脳番地の情報伝達スピードは、使用頻度によって、流れのいい二車線の一般道路のようだったり、ノロノロ運転の狭い一方通行道路のようだったりする。

発火は脳の連携プレーにも強く関係する。目や耳を通して脳に情報がインプットされると、視覚系や聴覚系の脳番地が発火する「ニューロナルファイアリング」(以下、ファイアリング)が起こる。その後、「ネットワークファイアリング」によって、インプットされた情報が理解系や思考系の脳番地に届けられる。つまり脳内では、脳番地のファイアリングが起こり、ネットワークファイアリングによって情報が伝達され、また次の脳番地でファイアリングが起こる……というサイクルが繰り返されているのだ。最初の情報入力のインパクトが強いほど、ファイアリングが強くなり、ネットワークファイアリングから次のファイアリングへの伝播もしやすくなって、記憶に定着する。

注意したいのは、使用頻度の低い脳番地ではファイアリングが起こりにくくなっていることだ。結果として、ネットワークファイアリングも起こりづらくなり、せっかくインプットされた情報を活かし切れない。そうならないよう、まずは各脳番地の特性とファイアリングが起こる条件を把握しよう。

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要約公開日 2024.09.17
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