各企業で成果を出し続けるトップ5%社員(以下、5%社員)962名を調べると、年に平均で43.2冊の読書をし、うち63%は35冊以上読んでいた。年間平均2.4冊の一般のビジネスパーソンと比べると、5%社員がいかに多く読んでいるかがわかるだろう。
5%社員が多忙な中でも読書の時間を生み出せているのは、他の何かをやめたからだ。通勤時間にはゲームやSNSの代わりに読書をする。休日の午後には、買い物に行く代わりに図書館に立ち寄ってみる。そんな小さな変化の積み重ねが、やがて大きな習慣の変化につながっていく。
なぜ5%社員は読書を重要視するのか。
読書をしたいができていないビジネスパーソン1.8万人を調査したところ、読書ができない理由の圧倒的1位が「時間がない」だった。
ビジネスパーソン17.3万人へのアンケートでは、96.4%が「忙しい」と回答。ちなみに5%社員は96.1%が忙しいと感じており、全体平均とさほど変わらない。忙しいのは5%社員もその他の社員も同じだ。
しかし、忙しくても読書を欠かさないのが5%社員だ。
年に50冊近く読書する5%社員にどのようなときに読書するのかを尋ねると、「時間があるとき」と答える人は24%だけで、「忙しいときこそ読書する」と回答する人が75%もいた。
5%社員たちに個別ヒアリングしたところ、「読書は、自分の時間を取り戻す手段」だという回答があった。本の世界に没頭することでストレスを発散している人、読書を通じて業務プロセスを改善しようとする人、本を読んで「何のために働いているのか? そもそもどうありたいのか?」を自問する人もいた。
読書は時間を奪うものではなく、自分自身を取り戻すための有効な手段であると言える。
5%社員の本の選び方は特徴的だ。自分の専門分野や課題に対応する本を5冊選んだら、次の2冊は偶然出合った本や新しい分野の本を選んでいる。これは、知識の深化と拡大を同時に促進する効果的なアプローチだ。
3,400冊以上の要約が楽しめる