プロジェクト現場において、最も頻繁に見られるマネジメントの失敗例のひとつが「タスクの丸投げ」である。タスクの丸投げは、6W2H、すなわち「何の作業(What)を、何のために(Why)、誰が(Who)、誰に(Whom)、どこで(Where)、いつまでに(When)、どのように(How)、どれだけ(How much)やるべきなのか」といった基本的な情報の提示が欠けている場合に発生する。
指示が不明瞭なままタスクが進行すると、担当者は自分に何が求められているのかを正確に把握できないため、マネージャー側から見ると期待に沿わない品質のアウトプットが生まれてしまう。そして、そうしたアウトプットに対して否定的なフィードバックをされると、担当者は「困難を解決したにもかかわらずマイナスの評価を返された」と受け取り、自信を失ったり、マネージャーに対する不信感を抱くようになったりすることがある。
このような状態が続けば、担当者は次第に仕事への意欲を失い、精神的な負担を感じるようになる可能性もある。さらに、否定的な反応を避けるために言われたことだけをこなす姿勢になりがちで、自発性や創造性が失われていく。作業方法や成果物について自ら考え、工夫を凝らすといった姿勢も薄れてしまう。これはチーム全体の士気低下やアウトプットの品質の低下につながるため、結果としてマネジメントにかかる手間やコストの増加を招く。
こうした問題を回避し、タスクを適切に引き渡すためには、6W2Hを念頭に置いた指示を行うことが有効である。
また、それと同様に重要なのが「相手に敬意を持つこと」だ。立場の弱い人や気を遣いやすい人は、上司が不機嫌であると感じただけで、必要な確認や質問をためらってしまうことがあるため、そうした配慮もマネジメントには欠かせない。
長時間労働は、注意力や集中力の低下を招き、結果的に生産性を下げる。
このような事態を未然に防ぐためには、適切なプロジェクト計画を立てることが欠かせない。その基本的な手順は以下の通りである。
(1)まず要件定義を行い、「プロジェクトで実施すべきこと」を明確にする
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