2000年代半ば、ビジネスの世界では大きな革命が起きていた。グーグルが新たな採用手法を導入し、シリコンバレーのテック企業に急速に広まった。この動きを本書は「採用革命」と名づけ、2020年代には世界中のグローバル企業がグーグルモデルを採用するようになる。
グーグルはリンクトインを洗練された形で活用し、「タレントアクイジション(Talent Acquisition)」チーム、つまりTAチームが主導して先進的な採用活動を展開。自社データに基づく評価で、厳しい基準と大量採用の両立を実現した。さらに、採用をリーダーの重要業務と位置づけた点も特徴的である。その結果、「最も賢い人だけを雇う」というビジョン、社内チームによるスカウト体制、客観的評価、時間をかけた見極め、委員会方式による意思決定といった要素が有機的に結びついた「グーグルモデル」が確立し、採用の常識が一変した。
グーグルモデルは革新性と精緻さで瞬く間に世界中に広がった。このモデルは、ネットワーク効果が働くため、使う企業が増えるほど価値が高まる。日本でも外資系コンサルティング業界やIT系のベンチャー企業を中心に広がっていった。
採用革命で広がったのは、ダイレクトリクルーティングを軸とする新たな採用モデルである。
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