早起きを習慣化したことにより、著者の人生は劇的な変化を遂げた。早起きこそ、やりたいことをすべて実現するための近道であると断言してもいい。
現在、著者は2社の法人において代表を務めながら、ライフコーチや大学講師としても活動している。加えて、毎年1冊程度ビジネス書を出版しており、ビジネスパーソンとして多岐にわたる分野で活躍している。
プライベートでは、3児の父としての顔も持ちつつ、20年以上にわたってサーフィンを続けており、週に1~2回、都内から千葉県の海へ通う。長男がサッカーを始めたことから、少年サッカーチームのコーチおよび副代表としてチーム運営にも携わるようになった。また、中学生の長女はバレーボール部に所属しており、父親として、週末には練習や試合などのイベントにも積極的に参加している。
たとえば、ある週末の一日を例に挙げると、朝は長女のバレーボールの試合の応援に始まり、昼からは長男のサッカー大会にコーチとして帯同。夕方には次男の練習試合を引率し、夜はコーチ仲間と飲み会に参加……といった具合に、週末のスケジュールはいつも充実している。
このライフスタイルは、著者にとって理想的なものだ。理想的なライフスタイルを確立できた最大の要因は、間違いなく「早起き」にある。
著者の1日は、朝4時の起床から始まる。目覚めたらまず、布団の中で約10分間、スマホでSNSをチェックしながら軽くストレッチをして身体をほぐす。続いて、歯磨きをしながら新聞にざっと目を通し、洗顔や着替えといった身支度の時間には、スマホでニュース動画を流しながら、情報をインプットする。
4時30分になると、「手帳タイム」と称する1日の計画作りに取りかかる。この「手帳タイム」では、15分程度をかけて「前日の振り返り」「今週の目標の進捗確認」「今日1日のスケジューリングとタスク確認」をする。
計画を整えたあとは、いくつかの朝のルーティンをこなしたうえで、6時からは原稿の執筆や新しいセミナーの構想、新刊の企画立案など、クリエイティブな仕事に着手する。
8時ごろには、登校する子供たちを見送り、そのまま朝食タイムだ。朝食は「納豆ごはん+味噌汁+前日の残りもの」といったシンプルな献立が基本で、準備から食事まで20分以内に済ませられるようにしている。
早朝から昼食前の時間帯は、頭がさえ、集中力が持続しやすいゴールデンタイムであるため、執筆や企画立案、資料作成など、思考力を要するタスクに優先的に取り組む。一方、昼食後は眠気や疲労感が出やすく、集中力も下がるため、人とのコミュニケーションを伴う商談やミーティングなどを組み込んでいる。こうした時間割は、自身のパフォーマンスを最大化するために設定したものであり、1日を快適に過ごすための型になっている。
遅くとも夕方17時ごろには仕事を終え、その後はプライベートの時間だ。少年サッカーのコーチとして夕方の練習に参加する日もあれば、ジムで身体を動かしたり、飲みに出かけたりする日もある。
20時までには夕食と風呂を済ませ、20時半には寝室で読書の時間を取って、21時には就寝といった流れだ。こうして翌朝4時に起床したとしても、しっかりと7時間の睡眠を確保できるサイクルとなっている。
早起きを習慣化できる人と挫折する人の最大の違いは「なぜ早起きするのか」という目的意識の有無にある。
早起きで得られる時間を、自分の夢の実現のために活かせると捉えたり、「ひとり時間」を大きなごほうびだと感じたりする人は、自然と早起きを習慣化できる。加えて、少しずつ自らの成長を実感し、達成感を覚えることで、「もっと早起きを続けたい!」という意欲と情熱が高まるのだ。
だからこそ、早朝の時間を使って何を実現したいのか、その目的を明確に描くことが何より重要である。その目的は、自分をワクワクさせるものでなければならない。「楽しみだから寝ていられない」という状態をつくり出すことができれば、早起きは簡単に習慣化できる。
早起きの目的が明確になっていて、しかもその目的が自分をワクワクさせるものである――。この2つのポイントを実現するためには、具体的にどうすればいいのだろうか。
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