40代がうまくいく人の戦略書
40代がうまくいく人の戦略書
40代がうまくいく人の戦略書
出版社
出版日
2025年04月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

40代は、生き方・働き方の「シフト・チェンジ」が求められる年代だ。長い学生生活を終え、社会人としてのスタートを切る20代。仕事のイロハがわかってきて、キャリアを積み上げていく30代。個人差はあれ、30代までは山を登っていくようなイメージではないだろうか。

その頂に到達するのが40歳前後である。40代になると、山頂にたどり着いた後の道――いわゆる、人生後半の「道」を歩み始めることになる。

ところが多くの人は、これまでと同じ装備・ペースのまま次の道を進もうとする。その結果、壁にぶつかり「こんなはずじゃなかった」となってしまう。本書はそうした変化のなかにある人や、これから40代を迎える人に向けた、人生後半戦の指南書だ。

仕事では中間管理職としての重責を担い、プライベートでは住宅ローン、子どもの教育費、親の介護など複数の問題が重なる40代。やるべきことは増える一方なのに、体力も集中力も30代のようにはいかない。そんななか、どう自分らしい生き方を見出し、納得のいくキャリアを築いていくか。本書では、そのためのヒントが数多く示されている。

「四十にして惑わず」は、もはや昔の話。いまは「ミッドライフクライシス」と言われるように、40代は“迷い多きお年頃”となった。だからこそ一度立ち止まり、これからの人生を真剣に考えてみたい――。そんな思いを抱えるビジネスパーソンにとって、本書は心強い一冊となるだろう。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

藤井孝一(ふじい こういち)
経営コンサルタント。株式会社アンテレクト取締役会長。1966年生まれ。大手金融会社でマーケティングを担当の後、経営コンサルタントとして独立する。なかでも、会社を辞めずに起業することの有効性に20年以上前から着目、「週末起業」と名付けて提唱する。
これまで2万人超のビジネスパーソンを指導、今も起業を志す多くのビジネスパーソンたちに影響を与え続けている。ビジネス書の愛読家としても知られ、その要約と書評のメールマガジン「ビジネス選書&サマリー」は5万人以上のビジネスパーソンに読まれている。
主な著作に、『50代がうまくいく人の戦略書』『読書は「アウトプット」が99%』『「お金を稼ぐ!」勉強法』『インディペンデントな働き方』(以上、三笠書房)のほか、『週末起業』(筑摩書房)、『大人の週末起業』(クロスメディア・パブリッシング)など60冊以上、うちいくつかは中国、韓国などでも刊行されている。

本書の要点

  • 要点
    1
    40代になると、仕事で求められる価値が一変する。30代までは「与えられた仕事」をこなせばよかったが、40代では「生み出す能力」が重要視される。人の能力を引き出すマネジメント力もその一つである。
  • 要点
    2
    40代になったら「ギバー(与える人)」になろう。社会のために働くことで、自然と実力が認められ、成功にもつながる。
  • 要点
    3
    定年後の人生は長い。「60歳で独立する」つもりで戦略を立て、逆算して準備をしていこう。
  • 要点
    4
    人はいくつになっても生き方を変えられる。変われないのは、変わらないことを自分で選んでいるからだ。

要約

40代のワーク・シフト

インプットからアウトプットへ

これからどんな勉強をすれば、将来安泰でしょうか――。著者のもとには、40代のビジネスパーソンからこのような悩みが寄せられる。それに対する著者の答えはこうだ。「勉強はしなくていいですよ。それより、これまで学んできたことを活かして、行動を起こしてみたらどうでしょうか」。

根が真面目な日本人は、なにかあれば「勉強」に向かいがちだ。漠然とした不安からビジネススクールに通う人も多い。しかしいまの時代、MBA(経営学修士)を取ったからといって、大出世できるわけではない。

勉強をするなら、自分が関わっている業界や仕事について徹底的に学び、スペシャリストになれるくらいのレベルを目指したほうがいい。そうなるとだれかに教えることもできるし、多くの企業から声がかかるような人材になれるだろう。将来への不安から他の勉強に逃げても、なんの解決にもならない。

著者は、40代のビジネスパーソンに対して「これまでやってきたこと、学んできたこと、経験してきたことに、もっと自信を持っていい」と言う。自身の経験や学びを組み合わせることで、稼ぎを生み出し、人の役に立てるはずだ。

40代になったら、「インプット」から「アウトプット」にシフトすること。自分が持っている“財産”を見つめ直し、それを仕分けて運用していくことが求められる。

「生み出す力」を鍛える
miniseries/gettyimages

20代はがむしゃらに働いて仕事を覚え、30代になると業績を出しながら、社内外との調整役を期待されてきた。30代までは「与えられた仕事」をうまくこなせばよかったが、40代からはそうはいかない。40代の会社員に求められるのは、「生み出す能力」だからである。

経営コンサルタントの山本真司氏は、40代からは「いかに仕事をするか(HOW)」から「なにをやるのか(WHAT)」が重要になると語っている。売上低迷の打開策を考えたり、チーム編成を変えたりと、「改善」ではなく「改革」が必要とされるのだ。

また、40代になったら「人材育成」に本腰を入れなければならない。明確な理念に基づいて人を育て、人の能力を引き出すこと。つまり、マネジメントでも「生み出す力」が不可欠になるのだ。

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要約公開日 2025.07.11
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