ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
チームワークの大原則 の表紙

チームワークの大原則

「あなたが主役」で組織が変わる


本書の要点

  • 日本社会では団体的な働き方が主流だが、このような働き方では、VUCA時代を生き抜くのは困難だ。AIの時代が到来した今だからこそ、人間にしかできない「真のチームワーク」を実現できるチームづくりが求められている。

  • パフォーマンスは「何をしているか」と「どのような心の状態で行っているか」の2つの要素によって決まる。つまり、内容と質、行動と心だ。機嫌がよい状態では、パフォーマンスの質が高まる。

  • 共有(コミュニケーション)なくしてチームは成立しない。特に、非認知的な内容の共有は個人間の関係性の質を高める。

1 / 2

「チーム」とは何か

「団体」と「チーム」の違い

JUN LI/gettyimages

2024年の夏に開催されたパリオリンピックの結果を分析して明らかになったのは、日本の選手たちは個人競技よりも団体競技で成果を上げているという点である。

例えば、フェンシング競技では、個人でのメダル獲得は1つにとどまったが、団体では4つのメダルを手にしている。陸上競技においても、個人の短距離100メートルでは決勝に進めなかったものの、リレーという団体種目では決勝進出を果たしている。

「日本人はチーム競技に強いのでは?」と思う人もいるかもしれないが、団体競技とチーム競技は別だ。実際、バスケットボールやバレーボールといったチームスポーツでは、日本は結果を残せていない。なぜだろう。

団体は個人の集合体、つまり、足し算だ。一人ひとりの力が1であっても、それぞれが自らの役割を着実に果たすことで、大きな力を出せる。

つまり、団体競技は、自分に課された役割を着実にこなし、指示や命令に「はい」と応えて遂行することで成り立ちやすい。一般論として、日本人はこのスタイルに適性があるように思われる。

これに対し、チームスポーツは掛け算である。1同士をいくら掛け合わせても、個の力以上にはならず、各個人の主体性と、それぞれの個性を最大限に活かす高度なコミュニケーション能力が不可欠となる。

日本社会では団体的な働き方が主流だ。しかし、このような働き方では、流動性が高く、先行きの見通しづらいグローバルなVUCA時代を生き抜くのは困難かもしれない。団体的な協調性に優れた働き方は、AIによる自動化や効率化に太刀打ちできないだろう。

AIの時代が到来した今だからこそ、人間にしかできない「真のチームワーク」を実現できるチームづくりが求められている。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3612/4342文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2025.07.01
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

組織と働き方の本質
組織と働き方の本質
小笹芳央
チームが「まとまるリーダー」と「バラバラのリーダー」の習慣
チームが「まとまるリーダー」と「バラバラのリーダー」の習慣
林健太郎
プレイングマネジャーの「仕事の任せ方」大全
プレイングマネジャーの「仕事の任せ方」大全
加藤定一
売れる組織 売れる営業
売れる組織 売れる営業
田中大貴
教え方の一流、二流、三流
教え方の一流、二流、三流
北宏志
結局、どうしたら伝わるのか?
結局、どうしたら伝わるのか?
西剛志
戦略的暇
戦略的暇
森下彰大
先延ばしグセ、やめられました!
先延ばしグセ、やめられました!
中島美鈴

同じカテゴリーの要約

リーダーの否定しない習慣
リーダーの否定しない習慣
林健太郎
「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
藤吉豊小川真理子
リーダーの「任せ方」の順番
リーダーの「任せ方」の順番
伊庭正康
無料
職場問題ハラスメントのトリセツ
職場問題ハラスメントのトリセツ
村井真子
会社は「本」で強くなる
会社は「本」で強くなる
宮本恵理子
明治製菓カカオ事業部 逆境からの下剋上
明治製菓カカオ事業部 逆境からの下剋上
山本実之
「いい質問」が人を動かす
「いい質問」が人を動かす
谷原誠
「人事のプロ」はこう動く
「人事のプロ」はこう動く
吉田洋介
無料
経営戦略全史〔完全版〕
経営戦略全史〔完全版〕
三谷宏治
若者帝国
若者帝国
片石貴展