気くばりのススメ
気くばりのススメ
人間関係の達人たちから学んだ小さな習慣
NEW
気くばりのススメ
出版社
出版日
2025年05月27日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「ヒデちゃん」の愛称で幅広い世代から親しまれる中山秀征氏は、2025年にデビューから40年を迎えた。「誰からも愛される」ことが働き続けられることと直結している世界で、著者は好かれる人、信頼される人には共通点があることに気づいた。それをまとめたのが本書『気くばりのススメ』だ。

「誰からも愛される」ことを支えているのは、ちょっとした「気くばり」の積み重ねであるようだ。なかでも印象的なのが、志村けんさんとのエピソードだ。一時代を築いた昭和の大コメディアンは、テレビ番組では陽気で朗らかな印象であったが、著者が「師匠」と慕った志村さんは、プロ意識が高く、ストイックで、謙虚でもあったことが感じられる。あそこまでのぼりつめた人が、こんなにも周りに気を配っていたのかと驚かされると同時に、だからこそ長年愛され続けているのだと納得させられてしまう。

そんな大御所から可愛がられてきたという著者が実践した「大先輩を誘う秘訣」は、ビジネスパーソンがまさに聞きたかったところかもしれない。そのほかにも、自己紹介のコツ、信頼されるためのコミュニケーション術など、仕事や日常生活で役立つ内容が豊富に詰まっている。著者の温かみのある語り口と具体的なエピソードのおかげで、実践のイメージが持ちやすい。人間関係に悩む人や、より良いコミュニケーションを目指す人にこそ、気くばりという視点の力強さを実感してほしい。

ライター画像
池田友美

著者

中山秀征(なかやま ひでゆき)
1967年生まれ、群馬県出身。司会者、俳優、歌手。1985年、フジテレビ系『ライオンのいただきます』でデビュー、その後は、日本テレビ系『静かなるドン』で主演を務めたほか、日本テレビ系『DAISUKI!』やフジテレビ系『ウチくる!?』など、MCとして活躍の幅を広げ、現在は日本テレビ系『シューイチ』の総合司会を務めている。2025年は芸能生活40周年にあたり、音楽ライブ、書道活動にも力を入れている。著書に『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』(新潮社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    著者は長年の芸能生活で、誰からも愛されている素晴らしい人たち出会ってきた。人間関係の達人たちは、「気くばり」ができている。
  • 要点
    2
    大先輩である志村けんさんと初めて会う機会があった収録で、著者はある質問をした結果、飲みにつれていってもらえることになった。大先輩に可愛がってもらうには、相手が心地良くなるような誘い方をするのが重要だ。
  • 要点
    3
    博学で仕事にこだわりを持っていた志村けんさんは、誰よりちゃんとしているのに偉ぶることがなかった。そんな志村さんの「バカでいる」という教えは、究極の気くばりであり、一生モノの金言だ。

要約

【必読ポイント!】 老若男女に愛されるヒケツ

好かれるヒケツの根底は「気くばり」

芸能生活40年、老若男女から「ヒデちゃん」と呼ばれ慕われる著者は、これまでたくさんの人と出会ってきた。その中には、誰からも愛されている素晴らしい人たちがいる。彼らの教えを通して、「好かれる人には6つのヒケツがあるのではないか」と思うようになった。その根底に流れているのが「気くばり」だ。

人間関係の達人たちは、気くばりができている。これだけで人生が大きく変わってしまうほどだ。

ヒケツ1 笑顔でいる

ヒケツその1は「笑顔でいる」だ。シンプルだが、誰だって笑顔の人には好印象をもつものだ。

みんながそのパワーを知っているが、実践できている人は多くない。本人は笑顔のつもりでも、ちっとも笑顔になっておらず、印象がつくれていない人が多いのだ。

芝居経験のある著者は、自分では笑顔のつもりだったのに、監督から「笑ってないな」とダメ出しをされたことがある。そう言われて撮影された映像を確認すると、本当に笑っていない。こんなつもりじゃなかったという演技をしている自分が映っていたりするのだ。

笑顔ができるようになるためには、笑顔の練習が必要だ。スマホで録画すれば一目瞭然。笑顔はやっぱり満面の笑みがいい。まずはそこから始めてみよう。

ヒケツ2 否定しない、怒らない
Nuthawut Somsuk/gettyimages

好かれる人に共通する2つめのヒケツは、「否定しない、怒らない」ことだ。人がそれぞれ違った価値観を持っているのは当たり前のことだ。違う「好き」や違う「考え方」を認めないと、コミュニケーションはうまくいかない。

否定から入ってしまう人は、「でも」が口癖になっていることが多い。相手から話が来たとき「でも」から返事をしていたら要注意だ。たとえそんなつもりはなくても、それは否定と受け止められる。

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要約公開日 2025.07.16
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