【必読ポイント!】 AIはニュータイプの夢を見るか
人工知能と想像力のあいだ
物語、アニメ、ゲーム、音楽など、「エンターテインメント・コンテンツは人の世を映す鏡である」。人の願望、不安、未来への展望、過去への想起――コンテンツは生活必需品ではなく、いつでも触れたいときに触れて、やめたいときにやめられるからこそ、そこにはまっすぐに人の願望や不安が反映される。
そして近年のコンテンツでは、人工知能というモチーフが頻出している。コンテンツの中に登場する人工知能を通じて考えることで、その技術ではなくあり方について考察することができるだろう。「人が望む人工知能の姿」「人が望み得る人工知能との関係」とは、果たしてどのようなものなのだろうか。
ガンダムという思考実験

人工知能の研究には、「ある特定の問題を設定してそれを解けるようにする」という方向のものがあり、この問題設定は「フレーム」と呼ばれている。たとえば囲碁や将棋はフレームが明確であり、こうした分野から人工知能の研究は発展してきた。
人間の生きる世界はフレームで閉じているわけではなくオープンだが、人間もやはりフレームにとらわれているという見方もできる。歴史を紐解いて過去を参照すれば、人がひとつの考えにとらわれていると思えることもあるだろう。一方で、未来には今の当たり前がそうでなくなっていることも想定される。
『機動戦士ガンダム』(サンライズ、1979年)は、地球にいる人々と、スペースノイドと呼ばれる宇宙の居住地域(コロニー)に住む人々との戦いを描いた物語だ。ここに登場する概念が「ニュータイプ」である。「ニュータイプ」とは、宇宙空間で活動するようになった人類が、「地球という環境内の閉じた『フレーム』」から脱して、より大きく認識を拡大していくようになったことを指している。
ニュータイプは「通常の人が持っているフレームより、そのさきの大きなフレームを、普通の人類に先駆けて捉える人」のことではないだろうか。人工知能の観点で重要なのは、「人類が宇宙に進出している」こと、「モビルスーツ(ガンダム作中に登場する搭乗型ロボット)に乗る」ことの2点である。




















