flier_logo
ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
自由より自在に生きるの表紙

自由より自在に生きる

愉快さと葛藤の哲学

NEW

本書の要点

  • 武道では、地面に貼りついて動けない「居着き」の状態を去り、「いるべきときに、いるべきところにいて、なすべきことをなす」という「自在」の状態が目指される。自由には「我」という主体があるが、自在とは我をなくして、場の理に従って生きることだ。

  • 他者と同期することには、心地よさと生命力が上がる感覚がある。同期することで、我執を去り、自己の境界線がなくなるような感覚を得られるが、それによって自在に生きられるようになる。

  • 贈与は交換とは違い、遅れてやってきて遅れて届くという、時間的な現象だ。相手がすでにいなくなっていても、贈与を退蔵せずに「次の人」へと渡すことで、反対給付義務が果たされる。

1 / 3

【必読ポイント】 「自在」に生きるために

居着きを去って自在を得る

Jacob Wackerhausen/gettyimages

人間が愉快な状況にあるときには、恐怖や怒りにとらわれることなく、余裕を持てるため、間違ったことはしないのではないか。では、「愉快に生きていくための作法」とはどのようなものなのだろうか。

現代では、すぐにイエスかノーか、二者択一を迫られるが、簡単に答えられない問いのほうが多い。「中腰」での未決定の状態に耐え、時間が解決するのを待つための精神力と体力、すなわち「知的な肺活量」を持つことが必要だ。

物書き兼武道家として活動する内田は、「居着きを去って自在を得る」ことを修行の目的としているという。武道では、自分が釘付けにされている状態、「足裏が地面に貼りついて身動きができない状態」のことを「居着き」と呼ぶ。これは、「次に何をするかがもう決まっていて、選択の余地がない状態」のことでもある。立ち合いで、相手の出方を待って反撃しようとすることや、「何とかして相手に勝とうと思う」ことなどを指す。しかしそうして居着くことで、かえって後手に回り、必ず負けてしまう。相手や勝ち、技に居着かず、反対に「自在」の境地に入って、「いるべきときに、いるべきところにいて、なすべきことをなす」。それが、武道の修行で目指されることだ。

どこが「いるべきところ」で、何が「なすべき所作」なのかをわかるようになる方法とは、「ノイズができるだけ少ないところに行き、ノイズができるだけしない動きをする」ことだ。これは、「多くの人がふだん何気なくやっていること」であり、それほど難しいことではない。人は、不自然な動きをしていると、「嫌な感じがする」「息が浅くなる」といった感覚的なノイズを感じ取る。あるタイミング、場所、所作によっては濁りが消えて、心身が透明になったように感じることもある。私たちは道を歩くときなど、いつも無意識にそれをやっているはずだ。

「敵」とは、「私の自由を損ない、可動域を制約するもの」と定義できる。「壁」も動きを制約するが、だからといって壁を敵としてぶち破る必要はない。ドアを開けたり、外から隣の部屋に回ったりすればよく、それこそが「自在」ということだ。

昔は、子どもたちが鬼ごっこやかくれんぼのような遊びを通して、殺気や邪気を感じ取るという、生存に必要な能力を会得していたはずだ。遊びのなかでの同調、模倣は、生き延びるための社会的訓練になるのである。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3207/4207文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2026.06.27
Copyright © 2026 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

働く人が減っていく国でこれから起きること
働く人が減っていく国でこれから起きること
河田皓史
AIはニュータイプの夢を見るか
AIはニュータイプの夢を見るか
三宅陽一郎
人前で話したくなる声と話し方
人前で話したくなる声と話し方
下間都代子
絶望しかけた女子のための世界史
絶望しかけた女子のための世界史
ティチュー・ルコック鳥取絹子(訳)
書店に行くとだいたいイイコトが起こる
書店に行くとだいたいイイコトが起こる
杉浦正人
無料
静かな時間の使い方
静かな時間の使い方
安斎勇樹
血肉となる読書
血肉となる読書
秋満吉彦斎藤幸平小川公代安田登
超一流がさりげなくやっている がんばらない気づかい
超一流がさりげなくやっている がんばらない気づかい
末永貴美子

同じカテゴリーの要約

最初の「10分」がすべて
最初の「10分」がすべて
井上皓史
目標を「達成できる人」と「できない人」の習慣
目標を「達成できる人」と「できない人」の習慣
嶋津良智
いつも機嫌よくいられる本
いつも機嫌よくいられる本
岡崎かつひろ
頭と心がすっきりする書く習慣
頭と心がすっきりする書く習慣
古川武士
「なんとなく不安」が消える本
「なんとなく不安」が消える本
加藤諦三
読書思考トレーニング
読書思考トレーニング
中崎倫子
静かな時間の使い方
静かな時間の使い方
安斎勇樹
改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん
改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん
ロバート・キヨサキ白根美保子(訳)
1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック
1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック
許成準
いい人はうまくいく
いい人はうまくいく
長倉顕太