人の心を一瞬でつかむ方法
人を惹きつけて離さない「強さ」と「温かさ」の心理学

未 読
人の心を一瞬でつかむ方法
ジャンル
著者
ジョン・ネフィンジャー マシュー・コフート 熊谷小百合(訳)
出版社
定価
1,620円
出版日
2015年05月21日
評点(5点満点)
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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レビュー

 部屋に入ってきただけで場を明るくする人もいれば、反対に皆をシラケさせてしまう人もいる。できることなら前者になりたいと望む人は多いことだろう。ではその違いはどこにあるのだろうか?

 本書では、その要因は「強さ」と「温かさ」の2つの観点で説明される。「強さ」と「温かさ」は、そのどちらかだけを備えていても魅力に欠けてしまい、両者のバランスが人を惹きつけるポイントとなる。しかし、両者をバランスよく発揮することは、容易なことではない。

 ハーバード・ビジネス・スクールの必読書となっている本書では、心理学をベースに、人々の印象を左右するポイントについて解説がなされ、性別や年齢・ルックスなどの様々な要素が与える影響について知ることができる。もちろん単なる分析に終始せず、「強さ」と「温かさ」を両立するためには、姿勢や表情、ジェスチャーなどどんなところに気を配ればよいかについても言及されている。特に、聞き方、話し方の実例については多くページが割かれているので、ビジネス・スピーチの教科書としても役に立つはずだ。

 本書を読めば、「強さ」と「温かさ」を兼ね備えた人物はいかに稀有で貴重な存在であるか、その存在自体が、人々をいかに勇気づけるかがわかる。他者を魅了する人物になりたいと願うとき、きっと本書はその手引きとなってくれるだろう。

鳥越 可織

著者

ジョン・ネフィンジャー
マシュー・コフート
企業幹部や国会議員、テレビタレントなどをクライアントに持つスピーチコンサルティング会社、「KNPコミュニケーションズ」の共同創設者。ハーバード・ビジネス・スクール等の大学で定期的に講義を行うかたわら、各種のメディアにおいてコメンテーターを務めている。両氏ともにワシントンD.C.在住。

本書の要点

  • 要点
    1
    我々は人を「強さ」と「温かさ」という2つの観点ではかる。「強さ」は能力の高さや物事を成し遂げる意志の固さを指し、「温かさ」は相手にもっと近づきたいと思わせる優しさや親近感のことをいう。
  • 要点
    2
    「強さ」「温かさ」の印象は、性別やルックスといった変え難い要素によってアウトラインができてしまうが、そのほかの振る舞いで上書きすることは十分可能である。
  • 要点
    3
    「強さ」と「温かさ」を示すには、無意識に行っている非言語コミュニケーションをコントロールすることが大切だ。表情や姿勢を変えることで、自分の感情も変化させることができる。

要約

「強さ」と「温かさ」は両立できるのか?

「強い人」は世界を動かす
Mike Watson Images/moodboard/Thinkstock

強さとリーダーシップは切っても切れない関係にある。カルロス・ゴーンやスティーブ・ジョブス、マーガレット・サッチャー……。強さを感じさせる有名人は数多く、みな業界をけん引する人物ばかりだ。「強さ」とは、その人がどれだけ世の中を思い通りに動かせるかを測る尺度なのである。

「強さ」は2つの基本要素――世界を動かす「能力」と「意志の力」――から成る。ここでいう「能力」は、体力や資格など技術的スキル、社交術などのあらゆる資質を指す。一方「意志の力」は、障害や抵抗を乗り越えて行動を貫き通そうとする熱意のことで、筋肉と同様、鍛えることができるものである。

「強さ」が物事を成し遂げるための「ツール」なら、意志はツールを動かすための「動力」となる。この2つを両輪として「強さ」のシグナルは発せられ、我々はそうした人物に敬意を抱くようになる。

「温かい人」は安らぎを与える
DragonImages/iStock/Thinkstock

しかし「強さ」だけでは人々の好感を得ることは難しい。「敬意」を「畏怖」でなく「称賛」にまで引き上げるのに欠かせないのが「温かさ」である。

プリンストン大学のジャニン・ウィリスとアレックス・トドロフによれば、私たちは初対面の人に出会ってからわずか10分の1秒のうちに、相手が「温かい人」であるかどうかの判断を下しているという。「温かさ」は、「共感」「親しみ」「愛」の3つの感情によって生まれる。相手の身になって考え、なじみ深い存在となり、まるで家族や親友のような「愛着」が発揮されるとき、我々はその人物を「温かい人」として評価するのだ。

「強さ」と「温かさ」のジレンマ

「強さ」と「温かさ」の間には相互作用が働いている。好感のもてる人物は能力も高い、という判断がされることもあれば(「ハロー効果」)、強さを演出しようとすれば温かさがマイナスとなり、温かさを表に出せば強さが損なわれるという側面もある(「シーソー現象」)。また「強さ」をもたらすホルモンであるテストステロンは、「温かさ」を生み出すホルモンであるオキシトシンの分泌を阻害する働きがある。

一見両立しにくい「強さ」と「温かさ」。しかし、どちらか一方をフルに発揮しているとき、もう一方の特性も同時にアピールできるようになることもある。アイン・ランドは個人の権利を何より重んじる小説世界を構築した。その「強さ」の絶対性が多くの支持者を集め、連帯感という「温かさ」を生み出した。ビートルズは、圧倒的な「温かさ」である愛を説いた音楽で影響力を手に入れ、社会を動かす「強さ」を発揮した。

「強さ」と「温かさ」は、人間の魅力を表す万国共通の指標となる。目指すべきは、その両方を兼ね備えた人物なのだ。

「強さ」と「温かさ」を決める「見た目」とは

性別による「強さ」と「温かさ」
Milan Markovic/iStock/Thinkstock

「強さ」と「温かさ」の印象は、会った瞬間にほとんど瞬時に決まってしまう。そのため、性別や体型、ルックスなどの所与の条件によって大きく左右される。

たとえば男性と女性であれば、残念ながら女性のほうが不利と言える。男性は「強さ」と、女性は「温かさ」とひもづけられることが多いが、研究によれば男性のほうが「強さ」と「温かさ」のバランスが取れていると判断されやすい。

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未 読
人の心を一瞬でつかむ方法
ジャンル
スキルアップ・キャリア
著者
ジョン・ネフィンジャー マシュー・コフート 熊谷小百合(訳)
出版社
あさ出版 出版社ページへ
定価
1,620円
出版日
2015年05月21日
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