会社を元気にする51の「仕組み」

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会社を元気にする51の「仕組み」
出版社
日本実業出版社

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出版日
2015年05月28日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

表紙には、タイトルに「『働きがいNo.1』の企業が試行錯誤して生み出した」という言葉が添えられている。その言葉通り、本書で取り上げられているのは、「2015年「働きがいのある会社」ランキング1位(従業員25人~99人部門)」を獲得した企業における、ユニークで型破りな取り組みの数々だ。

自らを「既存の企業のはみだし者だった」と語る著者の新免玲子氏と、その夫であり社長の新免流氏は、自分たちが気持ちよく仕事ができる理想の会社をつくろうとアクロクエストテクノロジー株式会社を設立した。「モチベーション向上」「活性化」「一体感の育成」を目標に掲げ、普通の企業とは一線を画する仕組みを次々と導入してきた。

著者自身も前置きしている通り、正直なところ、「できるわけがない」「反発を招くのでは?」と感じられる仕組みもある。しかし逆に言えば、それが実現できる社内風土こそが、彼らが試行錯誤の中で生み出したものにほかならないのだろう。本書から垣間見える社員たちの姿勢は、真摯で意欲的であり、何より会社に強くコミットしている。

本書に紹介されている仕組みは、個人・部署レベルで実践できるものから、全社を巻き込むものまで様々である。「自社では無理!」と決めつけずに、「どうすればエッセンスを取り入れられるか?」という視点で読んでみてほしい。社員が元気に、そして生き生きと働く職場をつくるためのヒントがきっと得られるはずだ。

著者

新免 玲子(しんめん・れいこ)
アクロクエストテクノロジー副社長。外資系企業の支店長秘書や金融系企業など数社で勤務後、夫の新免流氏が起業した同社に入社。社員が長く働ける会社、社員が能力を発揮できる会社を目指して大胆に社風の強化に力を入れている。
全体査定の「Happy360」をはじめ、「花一輪」「配偶者誕生日休暇」など、ありそうでなかった「仕組み」を次々に提案。
その結果、「2015働きがいのある会社ランキング1位(従業員25〜99人部門)」「『日本でいちばん大切にしたい会社』大賞 審査委員会特別賞受賞」などの評価につながっている。
NHK等のマスコミへの登場多数。神奈川県情報サービス産業協会主催のベスト・ワーキング・ウーマン表彰制度で貢献賞受賞。

本書の要点

  • 要点
    1
    会社に元気があれば、ピンチやチャンスが訪れても乗り越えられる。会社の元気は、社員一人ひとりの高いモチベーションによってもたらされる。
  • 要点
    2
    社員の高いモチベーションを持続させるためには、型破りであっても、イキイキと気持ちよく働ける「仕組み」を作ることが大切である。
  • 要点
    3
    同社では、社員全員で各人の給料を査定する。他者から自分の仕事ぶりについて厳しい意見を言われる場面もあるが、それは互いの成長をサポートし合う風土が根付いているからこそである。

要約

【必読ポイント!】 自身の成長を自覚し、社内でのポジションを知る

全員で決め、即座に実行する

アクロクエストで最も重要とされているのは、「MA」と呼ばれる全社員での会議だ。月に1回開催され、社員は原則全員参加となっている。後述するユニークな仕組みの多くがこのMAの場で生み出された。

重要なのは、絶対に多数決をとらないことと、決まったことは即座に実行することだ。全員が納得するまで終わらないため、午後1時から6時まで、時にはそれ以降にまで及ぶこともある。ギスギスしてしまいそうに思えるが、実際には終始ざっくばらんな雰囲気で行われる。同社は理系大学院出身者が大半を占めており、社員は論理的に発言する傾向にあるため、議題が堂々巡りになったり、感情的になったりすることがないのだという。

また、会を形骸化させないために、事前の議題選定や、喋らない社員への対応など、MAを充実させるための案も常に考えられている。社員全員が議題を他人事としてとらえず、問題解決のために頭をひねる。「決断し、変革していく場」として、MAは同社の社風の源となっている。

失敗もよい行動も、その場ですぐに拾い上げる
©iStock.com/Jacob Ammentorp Lund

仕事をする上では失敗はつきもの。時には、同じような失敗を何度も繰り返してしまうこともあるだろう。そんなとき同社では、「バリ金」という仕組みで解決している。これは、社内で起こりがちな失敗に名前をつけ、それを他の社員から指摘された場合、ペナルティとして100円を支払うというものだ。たとえば、明確に指示された内容を実行していないことは「I・B・M(言っても、ぼーっと、無視する)」、よくわかっていないのに知ったかぶりをすることは「N・H・K(生返事)」と呼ばれる。

バリ金の目的は金銭をやり取りすることではなく、失敗からの切り替えを容易にすることだ。ありがちな失敗であれば、長々と説教したり、いつまでも引きずったりすることにあまり意味はない。バリ金をとられた社員はベルを鳴らして胸にカエル(失敗を振り「カエル」)のバッジをつけ、まわりの社員はそれを拍手で受け入れる。バリ金は上下の関係なく発生するので、社内の活性化にも役立っている。

一方、よい行動に対しては、100円をプレゼントして褒め称える「ホメキンコン」という仕組みもある。こうしたセレモニー化によって、失敗の再発を防ぎ、よい行いをどんどん奨励するというメッセージを社員に伝えることができるのだ。

自身の成長を振り返る「社員ファイル」「ITスキル年表」

同社の社員になると、入社から退職までの成長が記録された個人別のファイルが作られる。

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要約公開日 2015.10.05
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