コーオウンド・ビジネス

従業員が所有する会社
未読
日本語
コーオウンド・ビジネス
コーオウンド・ビジネス
従業員が所有する会社
未読
日本語
コーオウンド・ビジネス
出版社
定価
1,980円(税込)
出版日
2015年09月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

通常より利益率も成長率も高く、社員の幸福度も高い。会社の持続性も高く、創業者の事業承継戦略にも寄与する。こんな素晴らしい状況を可能にするビジネスモデルが、「コーオウンド・ビジネス」である。社員が会社の大株主となり、稼いだ分を会社とシェアするという。「自分たちの会社」という意識、つまりオーナーシップが、仕事にまい進し、互いを助け合う文化を醸成し、社員の定着率を高めていく。こうしたビジネスモデルを日本に初めて本格的に紹介したのが本書である。

本書では、「コーオウンド・ビジネス」の概要や、誕生の経緯、上記のようなプラスの結果を生み出す理由、そして「コーオウンド・ビジネス」を軌道に乗せるための秘訣がわかりやすく紹介されている。また、英国デパートチェーン「ジョン・ルイス」や、スポーツ食品メーカー「クリフ・バー」など、先駆者たちがどのように「コーオウンド・ビジネス」の果実を得ているのかという事例も豊富に用意されている。

米国ではすでに、民間雇用の約1割をコーオウンド会社が支えており、英国では2020年までにGDPの10%を、コーオウンド・ ビジネスで稼ぎだすようにするという宣言がなされている。また日本でも、コーオウンド化に舵を切った会社も登場し、コーオウンド・ビジネスは新しい時代のトレンドとなりつつある。

本書に登場する「従業員が所有する会社」の世界観と、会社の利益が適正に従業員や地域、社会全体に還元される仕組みから働き方や雇用のあり方について示唆を得られるはずだ。

ライター画像
松尾美里

著者

細川あつし
数多くの国際ブランド事業に携わった後、日英合弁企業を立ち上げ社長CEOに就任。
時流との追いつ追われつを繰り返し、人の欲望ばかりを喚起する高付加価値ブランドビジネスの有り様に苦しむ。人びとが幸せに携われる事業を模索する中で、コーオウンド・ビジネス・モデルに出会い、研究と調査に没頭。本書執筆に至る。
コーオウンド会社化指導、エシカル・ビジネス、ブランディング経営戦略のコンサルティングを主たる業とするほか、多摩大学、立教大学大学院、跡見学園女子大学大学院でエシカル・ビジネス、経営戦略、マーケティング戦略に関する授業を持つ。
他に都市型コミュニティ「よいコトnet」を運営。多くのセミナー・講演活動を行っている。
一般社団法人従業員所有事業協会代表理事、株式会社コア・ドライビング・フォース代表取締役、 多摩大学客員教授、立教大学大学院兼任講師、跡見学園女子大学兼任講師。
1956年東京生まれ。慶大商学部卒。社会デザイン学博士(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科)
趣味は、バンド、たき火、ぼーっとすること。

本書の要点

  • 要点
    1
    コーオウンド・ビジネスとは、社員がその会社の大株主となり、利益極大化に向けて行動することが、会社の利益向上や社員の幸福につながるビジネスモデルである。
  • 要点
    2
    成功するコーオウンド会社の共通点は、情報共有とプロフィット・シェア、そしてオーナーシップ・カルチャーである。
  • 要点
    3
    コーオウンド会社は、非コーオウンド会社に比べて、売上高、収益性、平均従業員増加率、従業員一人あたりの売上高貢献度も高いという調査結果が出ており、最大の優位性は従業員の高いコミットメントにある。

要約

コーオウンド・ビジネスとは何か

元祖コーオウンド会社

コーオウンド・ビジネス(従業員所有事業)とは、社員が会社の大株主となり、利益極大化に向けて行動することが、会社の利益向上や社員の幸福につながるビジネスモデルである。コーオウンド会社の経営者や社員たちには共通して、「わかちあい」のエトス(気風)が満ちている。

元祖コーオウンド会社は、英国の老舗百貨店「ジョン・ルイス」だ。同社の事業目的は「成功したビジネスを通じたパートナー(従業員)たちの最大幸福追求」である。また、年度の利益に応じ、パートナーの年収に対して等率のボーナスが支払われる。会社は、社員の幸福を追求する中で、社員の家族や地域、環境に積極的に貢献するようになる。また社員は、自社で働いていることに誇りを感じ、共に協力し合い、わかち合う「オーナーシップ・カルチャー」を醸成していく。

また、「経営の専管性」が同社の憲法に規定されており、経営の意思決定はトップ経営者(会長)の手に委ねられている。一方、パートナーたちは会長の罷免権を持っている。これがコーオウンド会社に一般的に見られるスタイルだ。

コーオウンド化していくプロセス

架空の会社シャインズ株式会社がコーオウンド化していくプロセスを疑似体験してみよう。

ある日、オーナー社長は「この会社を社員みんなにあげる」と言い出し、自身の所有する株を社員たちに譲渡していった。オーナーとなった社員たちは、会社の経営情報をこれまでよりも熱心に学ぶようになった。また、好業績により、「パートナーズ・ボーナス」として全員に公平に利益が分配された。すると社員たちは「自分たちの成果次第で手にする配分が増える」と俄然やる気になった。

仕事のスタイルにおいても、各社員が最適解を求めて自律的に判断を下すようになってきた。「一緒に稼いで利益をシェアする」という共通認識が、残業で会社の人件費を上げたくないという考えを生み、残業時間の削減につながった。その結果、何の号令がなくとも経費節約のために社員が動き、仲間を助け合う気運が社内に満ちていった。

さらには、一生懸命、親切、笑顔、ポジティブといった空気が社内に浸透し、お客様や取引先、自分たちの家族、地域、社会への「貢献」が意識されるようになっていったのだ。

会社のあげ方・もらい方
©iStock.com/Rawpixel Ltd

上記の物語の解説を通じて、コーオウンド・ビジネスの本質や押さえるべきポイント、組織に生まれる気運や気風を汲み取ってほしい。

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