世代論の教科書

日本初! たった1冊で誰とでもうまく付き合える
未読
世代論の教科書
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日本初! たった1冊で誰とでもうまく付き合える
未読
世代論の教科書
出版社
東洋経済新報社
出版日
2015年10月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「若い人のことはわからない」「世代が違うから話が通じない」などという会話を耳にすることがある。たしかに、10歳近く年齢が異なると、幼少時に親しんだテレビ番組から、多感な時期に流行したモノ、受験や社会に出る際の状況まで、あらゆることが違い、会話の中で共通項が見つけられないこともある。そんな時、失礼のないように気を使いながらも、実質的に話を聞き流してしまう人が多いはずだ。さらに、仕事のフィールドでは、世代の違う上司や部下の「理解できない言動」に悩んでいる人がいるかもしれない。

そこで役に立つのが本書である。「団塊」から「さとり」までの6つの世代について、それぞれの世代がどのような時代背景の中で生まれて成長し、その経験や経緯から現在のライフスタイルや消費行動、嗜好が現れているということが詳細に描かれている。

各世代の特徴を知れば、相手の言動の理由やその背景にあるものがよくわかるため、受け止め方が変わり、人間関係が良好になるかもしれない。また、本書のもうひとつの楽しみ方は、自分が該当する世代についてじっくりと読むことである。子どものころや、多感な学生時代に親しんだ事物を懐かしむことができるのはもちろんだが、その世代の中にいる自分ではわからない客観的な分析がされており、自分自身に向き合うことができる。そして、「今、自分がすべきこと、変えていくべきこと」を知ることにもつながるはずだ。

著者

阪本 節郎
1952年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、博報堂に入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室開設を推進し、2011年春、発展的に「新しい大人文化研究所」を設立。所長を経て現在、統括プロデューサー。

原田 曜平
1977年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、博報堂入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、2015現在、博報堂ブランドデザイン若者生活研究所リーダー。多摩大学非常勤講師。2003年JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。専門は若者研究で、日本およびアジア各国で若者へのマーケティングや若者向け商品開発を行っている。また日本テレビ系列「ZIP!」の金曜日レギュラーコメンテーターを担当。

本書の要点

  • 要点
    1
    団塊世代は競争意識や仲間意識が強い。欧米文化を最初に受け入れ、若者文化を創造し、「私生活」を重視するなど、「日本で初めて」を担ってきた世代である。子育てや孫育てのスタイルも新しい。「新しい時代の担い手である」という意識を強く持ち、現役引退後もパワフルに活動・消費している。
  • 要点
    2
    新人類世代は、それ以前の世代のような「思想の呪縛」がなく、「自由で軽やか」になった。「楽しいことが一番」で、グルメやファッションを満喫し、ブランド物を着こなし、次々と登場するサブカルチャーを楽しんだ。

要約

団塊世代 1947~1951年生まれ

団塊世代の時代背景と特徴

団塊世代は、同世代の数が多いので競争意識が強い。終戦直後に生まれたため、前時代の封建性と新しい時代の革新性の両面を持つ。幼少時から戦後民主主義教育や欧米文化に触れて成長し、「戦争の呪縛」から解放された最初の世代だ。戦争に対しても公然と「反対」と主張することができることも特徴である。一方で、当時の世界情勢から「思想」が重視され、「保守」「革新」の2つの立場が生まれ、選択を迫られた。こうした「思想の呪縛」からは自由になり切れなかった側面もある。

また、初めて日本に「私生活」を持ち込んだ世代だ。勉強ばかりしている人は「ガリ勉」と嫌われ、音楽やファッション、車などに詳しい人が一目置かれ、後に若者文化や反体制へとつながっていく。

子どものころにテレビが普及
©iStock/RTimages

1959年の皇太子ご成婚を機にテレビが普及。団塊世代が小学校高学年のころにテレビが家庭に入った。

「月光仮面」「赤胴鈴之助」「鉄人28号」「鉄腕アトム」などの実写版が放映されて人気となり、それが現在のアニメにつながっている。開局したばかりの民放では、「名犬ラッシ―」などアメリカのドラマが放送されていた。

【必読ポイント!】 新しい若者文化を創造した団塊世代

欧米文化を自分のものとして受け入れた最初の世代

アメリカの生活文化を知る体験は、アメリカ東部の学生ファッションであるアイビールックの大流行につながる。1962年にはアメリカのベンチャーズが来日し、中高生だった団塊世代はその音に魅せられた。やがてイギリスからビートルズが来日。米英のバンドが多く来日し、それらを受け入れていった。

「モテたい」を背景に生まれたモノ

「モテたい」という気持ちを背景に1964年に「平凡パンチ」「週刊プレイボーイ」が創刊。「バイタリス」「MG5」など男性化粧品も出始める。日産スカイラインの広告で「女の子と二人で車に乗ろう」というキャンペーンも展開された。

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要約公開日 2016.01.07
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