「地球人財」がグローバル時代を勝ち抜く

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「地球人財」がグローバル時代を勝ち抜く
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2015年12月17日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

不確実性を増す現代において、日本のグローバル化への対応が遅々として進まないのはなぜだろうか。

グローバル人材を取り巻く課題について、企業の人事リーダー、起業家、コンサルタント、教育者など各界の第一人者が、参加者とともに白熱したディスカッションを繰り広げる「地球人財創出会議」。その内容を凝縮した一冊が本書である。

扱うテーマは、グローバルビジネスを担う「地球人財」に必要な資質や、コミュニケーション力・リーダーシップ、イノベーション力を持った人材の採用や育成における人事の役割、真のグローバル化に必要な学習など多岐にわたる。具体的なトピックの例としては、海外赴任者のマネジメントや、効果的なグローバル人事施策、東洋思想を取り入れたリーダーシップ、三菱商事の人材育成プラン、シンガポールに拠点を置く日本企業の現状と課題などである。グローバル化を肌で感じてきた、各分野のプロフェッショナルならではの切り口が光っている。単なる抽象論や精神論にとどまらず、具体的なデータや経験に下支えされ、鮮度も応用度も高い内容ばかりであるため、本書のどの章から読み始めても深い洞察を得られるはずだ。

グローバル企業への道筋をつけ、グローバルリーダーを自社で育成したいという切なる願いを持つ経営者や管理職、人事担当者にとって、本書は有益な指針になってくれるのではないだろうか。

ライター画像
松尾美里

著者

一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
IIBC:The Institute for International Business Communication
1986年の設立以来、「人と企業の国際化の推進」を基本理念に、約30年にわたり事業を展開。その中核であるTOEICプログラムは、現在では世界約150カ国に広がり、英語能力を測る世界共通のモノサシとして、英語によるコミュニケーションの促進に大きな役割を果たしている。人と企業のグローバル化をさらに加速し、深化させることが喫緊の課題となっている今日、それを担う人材の必要性は高まり続ける中、発足以来のノウハウと経験を生かした多彩な活動を通じて、世界の舞台で挑戦する学生やビジネスパーソン、そしてその育成に携わる教育関係者や企業の人材育成担当者を多面的に支援し続けている。

本書の要点

  • 要点
    1
    グローバルリーダーは、文化や習慣を越えて、部下、顧客、取引先などの多様なオーディエンスを引き込むために、シンプルで洗練されたメッセージを伝える必要がある。
  • 要点
    2
    グローバルマーケットで勝ち抜くには、「チーム力」だけでなく、ハイパフォーマーが個人として目立ち、結果を出す「個力」も重要である。
  • 要点
    3
    グローバルリーダーに必須とされる能力は、人への敬意の念、鋭い感性、深い共感力、複数の言語を操る能力、実験をいとわない意志、地球市民的行動、そして文化に対する強い好奇心である。

要約

出でよ! 育てよ! 日本発グローバルリーダー

シンプルで洗練されたメッセージを伝えよ

日本企業の海外進出に対する本気度は高まる一方である。明確な数値目標を掲げて海外売上比率を高めようとする企業が目立っている。

グローバル化(地球化)は、ダイバーシティ(多様性)・インターディペンデンス(相互依存性)・コンプレクシティ(複雑性)の3つに収れんする。多様性の増大とともに、金融や情報、世界の標準語としての英語など、共通化の動きも強まっている。

そんななか、文化や習慣を越えて、部下、顧客、取引先などの多様なオーディエンスを引き込むには、グローバルリーダーはシンプルで洗練されたメッセージを伝える必要がある。リーダーは、コミュニケーションスタイルの引き出しやチャネルを複数持ち、場面に応じて最適なスタイルを選ばなくてはならない。

今後は、文化やビジネスへの考え方が異なる人の言動に対し、判断を保留し、その背景を考える「寛容さ」がますます求められるだろう。

不確実性の中で、意味ある解を見つけるために
Digital Vision/iStock/Thinkstock

組織やチームが地球規模に広がっていくと、上司が部下を思い通りに動かそうと事細かに指示を出す、マイクロマネジメントには限界がある。マイクロマネジメントでは、予想外の失敗が起こりにくい半面、思いがけない喜びを感じる場面も少なくなってしまう。

誰も答えを知らない不確実性の中で、意味ある解を見つけ出していくには、メンバーとの相互理解をベースにした「対話」を重視すべきである。多様な文化的背景を持つメンバーと会議をする場面が増えている今、ファシリテーションやコーチングのスキルを磨くことも必要になるはずだ。

「地球人財」とは何か?

日本企業のタレントマネジメントの脆弱性
yuuurin/iStock/Thinkstock

リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫は、日本企業における「タレント(才能)を育てる仕組み」の脆弱性に警鐘を鳴らしている。

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要約公開日 2016.01.11
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