東京で勝てるブランドのつくりかた

地元で愛され全国区へ
未読
東京で勝てるブランドのつくりかた
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著者
未読
東京で勝てるブランドのつくりかた
著者
出版社
クロスメディア・パブリッシング
出版日
2015年06月21日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

今、日本では魅力ある地域づくりや農林水産業、中小企業の再生が大きなテーマになっている。経済を活性化させるカギを握るのが、モノづくりや観光資源を活用した「地域ブランド」の創生だろう。しかし、たとえ「地域を活性化したい」と願い良い商品をつくったとしても、「モノが売れない」「誰も来てくれない」では意味がない。従来の支援機関や事業者は、地域ブランドをつくりあげるためのスキームや、「モノを売るノウハウ」が十分ではない面があった。小田急百貨店のマーチャンダイザーを経て行政サイドから日本各地の地域ブランドづくり支援者となった著者は、数々のトライ&エラーを通して集積したノウハウや事例をこの本であまねく紹介している。

モノづくりで大切なことは良い商品をつくることではなく、お客様のニーズに応えることだ。そして地域ブランドづくりで大切なことは企業や地域のストーリーや大義を発掘し、お客様にお伝えすることだ。売る場所とターゲットを決めてから事業者に商品開発をしてもらい唯一無二のブランドをつくり、市場に浸透させていくというプロジェクトになる。

「東京で勝てる」という文言がタイトルに入っているが、東京のマーケットで成功を収めることを目標としているわけではなく、この本の最終目標は地域で愛され、人やお金が地元に循環してくる地域ブランドの創設である。しかし、「東京で勝てる」ようになれば、「世界」ブランドの構築も目指せるようになるのである。

ライター画像
山下あすみ

著者

山本 聖
一般社団法人地球MD代表理事
(独)中小企業基盤整備機構本部プロジェクトマネージャー(地球資源・農商工・新連携担当)
元(株)小田急百貨店 商品統括部 マーチャンダイザー(2010年8月退社)。郊外店舗と都心店舗の衣料品全般(紳士服・婦人服・スポーツファッション・服飾雑貨)の仕入れ担当者として従事。特に小売業主体のMDによる自主編集・単品売場型の差異化商品開発を中心に担当。国内外問わず、外資大手に負けない専業ブランド開発を産・官・学機関と連携しながら具現化に努める。特に「がんばれ!日本の製造業、伝えよう!日本の伝統と革新」と題した、メイドインJAPANのブランディング活動を大手問屋連携(チームJAPAN)と推進。2008年より、(独)中小機構本部プロジェクトマネージャーとして、半官半民の見地で全国の中小企業の支援活動を推進中。

本書の要点

  • 要点
    1
    地域ブランドづくりは、モノづくりよりも、ものがたりづくりである。商品に宿るストーリーや作り手の思いが伝わってはじめてブランドとして自立することができる。
  • 要点
    2
    売れる地域ブランドをつくるためには5つのポイントがある。これらのポイントをふまえて、自身の地域やプロジェクトに落とし込めると売れる地域ブランドに近づく。
  • 要点
    3
    地域ブランドが東京のマーケットで勝つためには、個別で勝負に挑むよりも事業主の連合チームで地域ブランドをつくり、団体戦で対抗するべきである。

要約

地域ブランドとは

地域ブランドづくりとは

地域ブランドづくりで大切なことは作り手ではなく「消費者ニーズ」を中心に商品開発をすすめることだ。商品の良し悪しを決めるのはマーケットだ。

地域ブランドづくりは、モノづくりよりも、ものがたりづくりである。地域に眠っているストーリーや大義をできるだけ掘り起こし、お客様に伝えることができれば、商品の売れる確率が高まる。商品と地域イメージは影響しあうもので、地域ブランドが高まればその地域名を冠した商品が売れるようになり、地域の雇用が促進され、地域のイメージが良くなる。観光客も増えるなど、地域を豊かにするといった好循環を生み出す。

ブランドは土地に宿る
TomasSereda/iStock/Thinkstock

重要な特性は、「ブランドは土地に宿る」ということだ。欧米の高級ブランドのロゴを見ると、ブランド名の下に小さく地名が入っていることが多い。これらのブランドは「聖地(メッカ)」をつくろうとしていることが背景にある。地域ブランドであることで信頼を生み、競合より有利な立場を手に入れられる。例えば、シャネル好きなら「凱旋門で買い物をしたい!」と思うだろうし、ティファニー好きなら「ニューヨークの五番街に行きたい!」とメッカ巡礼を夢見る。

出口から考える市場化

市場化プロセスとは
Anatoliy Babiy/iStock/Thinkstock

市場化プロセスとは、商品が企画されて消費者の手に渡るまでのプロセスを3項目8工程に分けたものだ。最初の項目は「商品企画・開発」で、マーケティング、デザイン、加工・製造の3工程に分かれる。

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要約公開日 2016.02.10
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