知って得する年金のもらい方
年金制度のウラオモテを知り尽くした専門家が教える

未 読
知って得する年金のもらい方
ジャンル
著者
磯村元史
出版社
プレジデント社
定価
1,404円
出版日
2015年10月10日
評点(5点満点)
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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レビュー

「年金の受給額が減る」と言われて久しい。安心な老後を手に入れるためには、どうすればいのだろう。50年以上年金業務に携わってきた著者の知識が凝縮された本書を読めば、「意外に打つ手がある」と希望を見出す読者も多いにちがいない。

年金などの「公助」や「共助」だけには頼れない現在、「自分で何とかする」ウェイトを大幅に増やさなければならない。その対策のひとつが準公的年金の利用である。会社員経験がある人なら「財形年金貯蓄」を、自営業者なら「国民年金基金」という名称を耳にしたことがあるはずだ。準公的年金は、民間の生命保険会社や共済団体による年金商品よりも優れている点が多い。しかし、このような制度を利用するにも、制度の詳細や手続きについて正しく理解する機会がほとんどないのが現状である。

本書では、個人型確定拠出年金をはじめ、貯蓄・投資・保険・年金に共通する個別の金融商品を比較検討するための入り口として、考え方を整理する材料が数多く用意されている。また、金融機関や専門家との賢い付き合い方や、年金のもらい損ねを防ぐ方法も非常にわかりやすく書かれている。老後破産が現実的な社会問題となりつつある今、老後資金を確保するための具体的な方法を知っておくことは、「人生90年時代」を生き抜くうえでの重要な武器になってくれるのではないだろうか。

本書は50代の方を主要な読者層に据えているが、長期的な視野で年金の原資を形成していける20代、30代の方にもぜひ本書を薦めたい。

著者

磯村 元史(いそむら・もとし)
1934年、旧満州国生まれ。1956年滋賀大学経済学部卒業。野村證券入社後、旧東洋信託銀行の新設に参画。1962年より年金業務に従事。1993年 に東洋信託銀行代表取締役副社長を退任した後、滋賀大学、早稲田大学の非常勤講師、長野県調査委員会会長等を歴任。
1998年に函館大学客員教授着任後は、東京都金融広報アドバイザー、年金業務・社会保険庁監視等委員会委員等を務める。2008年からは厚生労働大臣のアドバイザーとして、年金記録問題作業委員会、年金記録問題拡大作業委員会、年金記録回復委員会の各委員長に就任。2010~2013年まで、日本年金機構の理事として、年金記録問題の処置に取り組んできた。

本書の要点

  • 要点
    1
    今から20年後には年金額が3割減ると言われており、公的年金だけで生活を維持するのは厳しくなる。老後資金を確保するために自分で何らかの準備をすべきである。
  • 要点
    2
    公的年金に加え、準公的年金の制度を活用することを著者は推奨する。給与天引きや口座振替によって、限度額いっぱいに積み立てるのが手堅い方法だ。
  • 要点
    3
    公的年金や準公的年金の受給開始においても、増額が見込めるときも受給者側からの「請求」が必須となる。まずは年金記録に漏れや誤りがないかを確認することが重要である。

要約

2035年、年金の受け取り額が3割も減る!

日本の年金制度の現状

著者によると、今から20年後には年金額が3割ほど減る可能性が高いという。受給開始年齢を現行の65歳から68歳に引き上げるという議論もなされており、公的年金への不安に拍車をかけている。公的年金制度自体はなくならないが、年金財政は現状の仕組みのままでは非常に厳しいものになるだろう。公的年金だけでは賄えない資金を補うために、個々の受給者にも何かしらの備えが必要である。

確定給付型と確定拠出型

確定給付型の年金は、もらえる年金額が当初から確定していて、保険料や掛け金が変動する仕組みである。公的年金の厚生年金、国民年金、共済年金、ほかに厚生年金基金、確定給付型の企業年金、国民年金基金の3種類がある。一方、確定拠出型の年金は、加入者が拠出金(掛け金)を確定し、その積立金の運用も加入者が判断して行う。そのため、運用によって年金額が変動する、自己責任による年金だといえる。

会社員も自助年金が必要

企業年金を「確定給付型」から「確定拠出型」に移行する企業が増えている。その理由は、企業の財務会計に関する「国際会計基準」が厳しくなっているからだ。確定給付型は企業の責任で運用して所定の年金を払うが、うまく運用できずに年金の支給が難しくなると、企業などが不足分を補てんしなければならない。会社員にとっても、今後は自助年金の必要性が大きくなる。

また、自営業であれば、国民年金だけでは老後の資金が不足することは明らかである。不足分は、「確定拠出型の個人年金」と「財形年金貯蓄」を自ら運用することで補っていくしかない。

【必読ポイント!】 年金は自分で運用する時代に

準公的年金を利用する
amanaimagesRF/Thinkstock

準公的個人年金は、「国民年金の付加年金」「国民年金基金」「個人型の確定拠出年金」「財形年金貯蓄」「農業者年金基金」の5つの制度から成る。これらは、加入できる制度が属性別に限られ、加入できても加入用件が異なり、手続きや転職時における積立金の持ち運びなどに問題がある。準公的個人年金に加入できそうな人は、現在4600万人だが、実際に加入しているのは約360万人である。

準公的年金を利用する際は、最初は給与天引きや口座振替による積み立てが効果的である。

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未 読
知って得する年金のもらい方
ジャンル
ファイナンス
著者
磯村元史
出版社
プレジデント社
定価
1,404円
出版日
2015年10月10日
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