ぷしゅ よなよなエールがお世話になります

くだらないけど面白い戦略で社員もファンもチームになった話
未読
日本語
ぷしゅ よなよなエールがお世話になります
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ぷしゅ よなよなエールがお世話になります
出版社
東洋経済新報社

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定価
1,650円(税込)
出版日
2016年04月21日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

「よなよなエール」というビールを飲んだことはあるだろうか? 日本で一般的に飲まれているラガービールと違い、常温より少し冷たい程度に冷やすことで、フルーティな香りが楽しめる「エールビール」の代表的ブランドの1つだ。今や全国のコンビニエンスストアやスーパーマーケットで手に入れられるほどの人気商品となり、楽天市場では9年連続で「ショップ・オブ・ジ・イヤー」を獲得するという快挙を見せたことでも知られている。

「よなよなエール」を語る上では、製造元のヤッホーブルーイングの社風についても触れなければなるまい。彼らはクレイジーなことで有名である。互いをニックネームで呼び合い、部署の名前には「よなよなエール広め隊」(広報)など、一風変わったものばかりが並ぶ。表彰式に招かれれば仮装を披露し、それまでのビール業界では目にすることのなかった戦略を次々と打ち出す。まさに型破りの企業だ。

このように、ビール業界で旋風を巻き起こし続ける著者だが、そこまでの道のりは決して平坦なものではなかった。まったくビールが売れず、社内のあちらこちらで陰口が聞こえてくる時期もあったという。

そのようなどん底の状態から、11年連続増収増益の会社にまで成長させた著者の取り組みは、あくまで泥臭く、真面目そのものだ。もともと、どこか他人事のように仕事に取り組んでいたという著者が、どうやって心を入れ替え、ここまでの会社に築き上げたのか? ぜひ本書を手にとって、その真相を確かめてもらいたい。

著者

井出 直行(いで なおゆき)
ヤッホーブルーイング代表取締役社長。よなよなエール愛の伝道師。1967年生まれ。福岡県出身。国立久留米工業高等専門学校卒業。大手電気機器メーカー、広告代理店などを経て、1997年ヤッホーブルーイング創業時に営業担当として入社。地ビールブームの衰退で赤字が続くなか、ネット通販業務を推進して2004年に業績をV字回復させる。現在まで11年連続増収増益。全国200社以上あるクラフトビールメーカーのなかでシェアトップ。2008年社長就任。ニックネームは「てんちょ」。

本書の要点

  • 要点
    1
    「よなよなエール」は発売当初、地ビールブームに乗っかる形でヒットしたものの、ブームが去ってからはまったく売れなくなってしまった。
  • 要点
    2
    転機が訪れたのは、ネット通販を始めたことがきっかけだった。自分たちならではの強みを打ち出すことで、熱心なファンを少しずつ獲得していった。
  • 要点
    3
    人は興味のあることにしか心を開かない。だからこそ、まずはおもしろいと思ってもらう必要がある。

要約

成功からどん底へ

「よなよなエール」との出会い
Kondor83/iStock/Thinkstock

それまで職を転々としてきた著者がヤッホーブルーイングに入社したのは、当時ヤッホーブルーイングの社長を務めていた星野佳路という男に出会ったのがきっかけだった。星野の「日本にもアメリカにあるような個性あふれるビールを紹介したい」という言葉を聞き、実際の醸造所を見た時、直感的に「ここだ」と悟ったという。

星野はクラフトビールを造るにあたり、外国からブルワー(醸造責任者)を招聘するのではなく、日本人のブルワーを育てていこうというこだわりを持っていた。そのため、醸造スタッフにアメリカ留学の資金と時間を与え、発酵に関してだけでなく、麦芽やホップの種類、ビールの歴史についても学ばせた。

そんな醸造スタッフが造ったビールに、著者は激しく魅了された。特に気に入ったのはその「香り」である。試験醸造されたビールを飲んだ瞬間、「こんなに華やかな香りがしてコクがあるビールはいままで日本になかった! この感動的な味のビールをこれから日本に広めるんだ!」と考えた。

また、「よなよなエール」を造るにあたっては、ビールの品質以外の部分にも様々な工夫がなされた。たとえばネーミングについて、もともとはナンバーワンになりたいという思いから、「エールナンバーワン」という名前がつけられていたが、それではありがちすぎて何も心に残らないという判断から、何十回の会議の果てに、「よなよなエール」という名前が与えられた。味わいある個性豊かなエールビールを、「夜な夜な」飲んでもらうことを夢見てのネーミングだった。缶のデザインについても、当時ビール業界ではタブーとされていた黒を積極的に用いて、それまでの慣例を打ち崩した。

グラスではなく排水口に流されるビール
Surachet99/iStock/Thinkstock

ネーミング、味、デザインすべてにおいて、常識の逆をいった「よなよなエール」は、順調すぎるほどの滑り出しを見せた。「製品が足りません」とお詫びすることもしょっちゅうだった。当時、地ビールブームが巻き起こっており、「よなよなエール」もそれにうまく乗ることができたのだ。

しかし、その行き先は、もともと目指していたゴールとはかけ離れていた。著者たちの使命は町おこしではなく、アメリカのように個性的でおいしいクラフトビールを広めていくことである。だから観光需要の開拓よりも、リピーターの獲得を主眼に戦略を立てていたのだが、うまく固定顧客を掴むことができなかった。結局、「よなよなエール」も地ビールブームの中に回収されてしまい、ブームが去った2000年頃になると、まったく売れなくなっていった。

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