「感動」ビジネスの方程式―「おもてなし」を凌駕する驚異の手法

「おもてなし」を凌駕する驚異の手法
未読
日本語
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「感動」ビジネスの方程式―「おもてなし」を凌駕する驚異の手法
出版社
東洋経済新報社

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定価
1,650円(税込)
出版日
2016年01月22日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.0
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おすすめポイント

2020年の東京オリンピック招致時、「おもてなし」という言葉が話題になった。印象的なプレゼンで使われたその言葉は国内外から注目を浴び、今では「経験や伝統に裏打ちされた、世界に誇る日本の接客技術」というイメージが定着している。

しかし株式会社ポジティブドリームパーソンズ(以下、PDP社)の代表である著者は、「おもてなし」は個人の経験に依存した属人化されたサービスで、再現性が低く、世界に広げることが難しいのではないか、と考えている。「おもてなし」に代表されるサービス業の属人化ではなく、一定の方程式を導き出し、仕組み化することを提唱している。だれでも・どこでも通用して、必ず顧客に「感動」を提供する必要があるからだ。本書内では「感動の技術化」、「ことづくりの工業化」といった挑戦的な言葉が並ぶ。かつてのT型フォードと同じように、サービス業も「ライン化」できるはずだという発想は大胆で、興味深い。これまで日本が誇っていた「ものづくり」の時代は終わり、これからはサービス業による「ことづくり」の大量生産が必要と著者は予想している。「感動」という抽象度の高いものを徹底的に分析し、定量化することができれば、日本のサービス業の生産性向上にも繋がることだろう。

さらに本書では理念にとどまらず、「感動の技術化」をどのように現場に浸透させるかにもページが割かれている。理念の浸透は、どんな企業でも課題となるところだろう。「徹底してやり抜くこと」をなにより重視する著者の手法は、あらゆるビジネスパーソンの参考となるはずだ。

著者

杉元 崇将(すぎもと たかまさ)
株式会社ポジティブドリームパーソンズ 代表取締役社長。1967年生まれ、福岡県出身。大学卒業後、1989年に株式会社イトーキに入社。オフィススペース全体の空間設計や、CI(コーポレートアイデンティティ)に伴うオフィス移転プロジェクトなどに多数参画。1995年にウェディングのベンチャー企業に入社後、1997年に30歳で(株)ポジティブドリームパーソンズを創業。現在は、国内外でホテルやレストランの運営、フラワー事業、コンサルティング事業など多数の事業展開をはたしており、社員数740名、売上高144億円を超えた今も「感動創出企業」として成長を続けている。EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパン2013年セミファイナリストに選出。直営ホテルが『ミシュランガイド東京・横浜・湘南』のホテル部門で4つ星(パビリオン)を獲得(4年連続)。またGPTWが主催する「働きがいのある会社」ランキングで上位入賞をはたす等、社会からの評価も得ている。

本書の要点

  • 要点
    1
    人口減少化社会が進行する中、サービス業が生き残り、生産性を向上させるにはリピート率を上げる必要がある。顧客に「また来たい」と思ってもらうために「感動」を提供しなければならない。
  • 要点
    2
    工場の生産ラインのように、サービス業も「仕組み化」することができる。「記憶」「曲線」「連鎖」の3要素をかけ合わせた方程式を駆使すると、一定以上の高い確率で「感動」を作り出せる。
  • 要点
    3
    何かを変えるときには、徹底して継続的にやり抜くことが最も重要である。中だるみを防ぐためには、トップからの声掛けや、行動せざるを得ない仕組みなどの強制力が必要である。

要約

【必読ポイント!】「ものづくり」から「ことづくり」へ

「ものづくり」ベースの日本経済の限界
MOHEJI/iStock/Thinkstock
日本は「ものづくり」の分野で発展を遂げ、多くの製品を生産・輸出してきた。「ものづくり」を職人的にせず、生産性を上げるための仕組みづくりを行い、高品質なものを適正価格で提供することで世界市場を勝ち抜いてきた。最近でこそ若干翳りが見え始めたものの、その力は今なお健在である。しかし、現在の日本は少子高齢化が進行している。生産者・消費者共に減少すると、労働生産性が現状維持だとしたらGDPは確実に下がる。もはや「ものづくり」頼みでは、日本の経済力は衰退する可能性が高い、というのが著者の見解である。
「おもてなし」を工業化する
これまで日本は「ものづくり」分野では世界のトップを走ってきたが、「ことづくり」つまり、サービス業でも「ものづくり」と同じように世界に通用するのだろうか。現状では、日本のサービス業は属人的な側面が強いと著者は感じている。「おもてなし」と呼ばれる一連の接客サービスが、どんなに素晴らしいものであっても、誰かの経験則や才能、一所懸命さ等で担保されているケースがよくみられる。「才能や経験があるからできる」では、具体的なサービスの内容を可視化できないため、再現性が低くなる。特に海外での展開は、日本のサービス業の良い部分は文化や価値観の違いから再現性が低くなる傾向が強い。日本のサービス業は属人的であると同時に属日本人的であることを示している。こうした壁を越えて、だれでも、どこでも高レベルのサービスを再現するためには、サービスの要素を分解して「仕組み化」する必要があると著者は考えている。たとえばある旅館では、「理想の女将」の仕草をデータ化している。畳のどのあたりに座り、どんな角度で何回、何秒お辞儀をするか、といったことスタッフ教育に活用すると、キャリアの浅い人でも、ベテラン女将のように見えてくるという。人を喜ばせて感動させるために、サービスの要素を分解することで、顧客の「感動」をテクノロジーとして捉えようとする試みである。このように抽象度の高い「ことづくり」を可視化、定量化する仕組みに変革し、「ことづくりの工業化」を図ることで、質の高いサービスの再現性を高めることが可能となる。
感動が「リピート」につながり、利益を生む
「ことづくりの工業化」の一環として、著者は自ら経営するPDP社で「感動の技術化」を追究している。PDP社は、ブライダル事業からスタートした企業である。
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