「働くママ」の仕事術

自分らしいキャリアも幸せも手に入れる!
未読
 「働くママ」の仕事術
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自分らしいキャリアも幸せも手に入れる!
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 「働くママ」の仕事術
出版社
かんき出版
出版日
2015年12月07日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

仕事と子育てを両立させることは、口で言うほど簡単なことではない。保育園のサポートがあるにせよ、乳幼児の世話をしながらビジネスの世界でキャリアを積んでステップアップしていくには努力も工夫も必要になるだろう。本書では、そんな母親たちに向けて、どうすればうまく仕事と子育てを両立できるかが書かれている。働く人間として、そして母親として持つべきマインドや、日々の仕事や子育ての時間管理法、ネットワークのつくり方など、具体的かつ効果的な方法がふんだんに盛り込まれており、著者自身や周囲の「働くママ」たちの経験談は今すぐ実践に役立つものばかりだ。

一見、キャリア志向の女性だけを対象とした本だと思われるかもしれないが、そうではない。「出産・育児を機にワークシフトを」という言葉にあるように、多様な志向や環境に合わせて柔軟に働くスタイルを、本書は提唱している。子育てをしながら向上心を持って管理職をめざしたい人にも、子どもが生まれたのを機に仕事のペースを今より緩やかなものにしたいという人にもおすすめしたい一冊である。

著者は、バリバリのキャリアウーマンを経験して40代で第一子を出産し、子育てとの両立に不安を抱えながらも起業するという紆余曲折を経て、夢をつかんできた。そんな著者だから生み出せた、「ハッピーキャリア」につながる仕事術に注目していただきたい。

著者

金澤 悦子(かなざわ えつこ)
女性限定キャリアの学校「はぴきゃりアカデミー」代表。東京都出身。1991年、株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)に入社。営業に従事し、新人MVP賞を受賞。1994年、株式会社キャリアデザインセンターに創業メンバーとして参画。広告営業で同社初の売上1億円 を達成。広告営業局局次長、広報室室長を歴任するも、仕事との距離感がつかめずに心と体を痛めてしまう。この体験をきっかけに、「幸せに働くってどういうこと?」という問いへの答えを求め、2001年、日本初の総合職女性のためのキャリア転職マガジン「ワーキングウーマンタイプ(現ウーマンタイプ)」を創刊する。2005年に独立し、有限会社フォーウーマン(現株式会社はぴきゃり)を設立。これまでに1万人以上のビジネスウーマンに取材して体系化した「恋する仕事」への4つのステップ、さらに統計心理学「i-color」を使ったオリジナルメソッドにより、年間300人以上の女性たちを「ココロとサイフが満たされる仕事発見」へと導いている。日経ウーマノミクス・プロジェクト・サポーター。40歳で第一子を出産。休みの日は趣味のサンバを楽しむ。著書に『愛されて仕事がうまくいく女になる43のヒント』(サンマーク出版)、『人見知りでも「人脈が広がる」ささやかな習慣』(教育実務出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    時短勤務をしながら計画通りに仕事を進めるには、「意志疎通」と「行動」をセットにしたコミュニケーションを心がけることが重要だ。
  • 要点
    2
    限られた時間を有効に使うために、ランチタイムや「ながら」「ついで」を活用するとよい。
  • 要点
    3
    仕事もプライベートも一冊のスケジュール帳で管理して「見える化」することで、予定をうっかり忘れるのを防ぐことができる。
  • 要点
    4
    子育ての経験で培った、コミュニケーション力や段取りのスキルなどを仕事に活かすことで、ステップアップにつながる。

要約

仕事も子育てもうまくいく段取り

円滑な時短勤務のために

時短勤務を選ぶと、「子どものお迎え」という時間制限ができ、仕事相手の動き次第では、思うように物事が進まなくなることも増えるだろう。計画通りに仕事を進めるには、相手に締め切りを守ってもらうことが必要だ。そこで大事なのが、「意志疎通」と「行動」をセットにしたコミュニケーションである。自分の希望通りに相手に気持ちよく動いてもらうには、次の5つのステップを心がけるとよい。

1つ目は「締め切りをハッキリと伝える」ことだ。人によって締め切りのとらえ方が違うので、最適な締め切りをデッドラインの1日前に設定し、その上で「○日○時までにお願いします」と日時を明確に提示するとよい。

2つ目は、「相手にとって行動するときのメリット、行動しなかったときのデメリットを提示する」ことである。相手の業務に及ぶ影響を具体的に伝えることで、自分の依頼内容の優先順位を上げてもらいやすくなる。

そして3つ目は、締め切り日をメールで送り、「見える化」することだ。記録が残るので責任の所在が明らかになるうえに、相手にとって良いプレッシャーになる。

4つ目は、締め切り前日に「明日が締め切り」と、明るくメールで「リマインドする」ことである。

最後に5つ目は、「感謝する」ことである。人は自分を認めてくれる人に好感を持つ。「どれだけ助かったか」とともにメールで感謝を伝えることを著者はおすすめしている。

こうして、社内にファンをつくっておくと、仕事がやりやすくなるはずだ。

退社間際の依頼には、代案を提示する
Notorious91/iStock/Thinkstock

退社間際に仕事を頼まれるのは困りものだが、「無理です」と言い放つのも角が立つ。このような場合は、今すぐに対応するのは無理であることを伝えたうえで、いつなら対応できるかを提案することが大事だ。急ぎの仕事を頼まれた際は、今取り組んでいる業務との優先順位決めを相手にゆだねるとよい。

ランチタイム活用術

「緊急ではないが重要なこと」をスケジュールに組み込むには、ランチタイムを活用するのがおすすめである。例えば、昼休みを「会いたい人に会う」時間にするのも一案だ。働くママは夜の会食の予定が入れにくいので、ランチタイムは絶好のチャンスとなる。

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要約公開日 2016.06.29
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