頭のよい子に育てるために3歳から15歳のあいだに今すぐ絶対やるべきことの表紙

頭のよい子に育てるために3歳から15歳のあいだに今すぐ絶対やるべきこと


本書の要点

  • 脳をしっかり働かせるには、おかずも含めてバランスのよい朝食を家族一緒に食べることが重要となる。

  • 子どもがスマホを使うと、学習効果が消えてしまう。この主な原因は、前頭前野の働きに抑制がかかることだと推測される。

  • 親子で一緒に過ごす時間が長いほど、子どもの脳の発達が促される。また、幼少期に親と触れ合う体験は、大人になってからの幸福度にも影響を与える。

1 / 4

「米+おかず」の朝ご飯を食べる

朝ご飯を食べないと学力に悪影響を及ぼす

子どもの学力を伸ばし、能力を最大限発揮させたい。そう願うのなら、家族みんなで栄養たっぷりの朝ご飯を食べることが重要だ。脳をしっかり働かせるには、神経細胞のエネルギー源、ブドウ糖を神経細胞に届けなければいけない。よって、ブドウ糖をつくるデンプンを含む食品、つまりご飯やパンを食べることが欠かせない。ただし、脳の学習を促すには、ブドウ糖だけでなくさまざまな栄養素が必要となる。

仙台市で行われた、朝食習慣に関する調査によると、学校の成績がよいグループでは、9割以上の子どもが必ず朝ご飯を食べているという。中でも、小学5年生から中学1年生の子どもたちの成長を追跡すると、3年間朝食を食べ続けていた場合は、偏差値が高いのに対し、朝食の習慣をやめた子どもたちの偏差値が急降下することがわかった。

パンとお米の差は、GI値にあり

Digital Vision./Photodisc/Thinkstock

それでは朝食の主食がパンかお米かどうかで差はあるのだろうか。著者が子どもたちの脳のMRI画像(磁気共鳴画像)を調べたところ、意欲に関係する「大脳基底核」と、言語や記憶に関わる「前頭前野」に大きな差が生じていた。主食にパンを食べている子どもよりも、お米を食べている子どものほうが、意欲、言語、記憶に関する脳の部位が発達していたのだ。

この原因は、パンとお米で、食後の血糖値の上がり方を示す指数である「GI値」に差があるためだと考えられる。パンのGI値はお米よりもかなり高い。GI値が低い食事をとるほうが、心身の発達によいといえる。

朝ご飯では「おかず」こそ重要

朝ご飯でどのようにおかずをとっているのかを調査したところ、主食にお米を食べている子どもたちは、主菜と副菜もとっている割合が高かった。

朝ご飯のおかずをきちんと食べることの重要性を示すデータは、すでに存在する。驚くべきことに、おにぎりしか食べなかったときは、連続足し算の作業量が上がらず、朝ご飯を食べていないも同然だったのだ。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3187/4015文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2017.09.09
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

会社を変える分析の力
会社を変える分析の力
河本薫
伊藤元重が警告する日本の未来
伊藤元重が警告する日本の未来
伊藤元重
すごい立地戦略
すごい立地戦略
榎本篤史
努力不要論
努力不要論
中野信子
これ、いったいどうやったら売れるんですか?
これ、いったいどうやったら売れるんですか?
永井孝尚
簡素な生き方
簡素な生き方
シャルル・ヴァグネル山本知子(訳)
バッド・フェミニスト
バッド・フェミニスト
ロクサーヌ・ゲイ野中モモ(訳)
28歳からのリアル
28歳からのリアル
人生戦略会議

同じカテゴリーの要約

非常識な「ハイブリッド仕事論」
非常識な「ハイブリッド仕事論」
文化放送 浜カフェ(著)入山章栄(編)
新版 科学がつきとめた「運のいい人」
新版 科学がつきとめた「運のいい人」
中野信子
ハーバードの心理学講義
ハーバードの心理学講義
ブライアン・R・リトル児島修(訳)
スマホ脳
スマホ脳
アンデシュ・ハンセン久山葉子(訳)
一流の研究者たちが教える 快眠の科学
一流の研究者たちが教える 快眠の科学
伊藤和弘三島和夫(監修)
FACTFULNESS
FACTFULNESS
ハンス・ロスリングオーラ・ロスリングアンナ・ロスリング・ロンランド上杉周作(訳)関美和(訳)
無料
最強に面白い 睡眠
最強に面白い 睡眠
柳沢正史(監修)
新版 「空腹」こそ最強のクスリ
新版 「空腹」こそ最強のクスリ
青木厚
なぜゲームをすると頭が良くなるのか
なぜゲームをすると頭が良くなるのか
星友啓
科学的に元気になる方法集めました
科学的に元気になる方法集めました
堀田秀吾