ロック史

未 読
ロック史
ジャンル
著者
北中正和
出版社
定価
972円
出版日
2017年10月20日
評点(5点満点)
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
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レビュー

20世紀半ばに誕生したロックは、なぜ若者の心を捉え、発展を遂げていったのか。本書は、その歩みを丹念に追う「ロック入門書」の決定版である。ロックンロールという言葉は、黒人のブルースやジャズでセックスを意味するスラングとして古くから使われており、当時の音楽産業の周縁部から草の根的に生まれた音楽だという。1951年、アラン・フリードがラジオ番組の中でリズム&ブルースをロックンロールと呼び、1954年にエルヴィス・プレスリーがデビューしたことから、ロックはポピュラーミュージックとして台頭した。

1950年代にロックンロールがヒットして以降、どのように変化し、どんなミュージシャンたちによって育まれ、レコード産業に影響を与えてきたのか。そしてロックを生んだアメリカ社会はどのような変化を遂げてきたのか。著者は、ロックという音楽ジャンルを取り巻くさまざまな事柄から、その50年の歴史を紐解いていく。

歴史に名を残したミュージシャンの人生、20世紀後半のアメリカ社会の状況なども克明に書かれており、音楽というジャンルに留まらないひとつの歴史書として、本書を楽しむこともできるだろう。また、巻末には参考音源リストが掲載されているという充実ぶりだ。

ロックファンだけでなく、今まで深くロックに触れてこなかった読者にとっても新たな見識を得られる一冊だ。新たな教養の扉を開いていただきたい。

池田 明季哉

著者

北中 正和(きたなか まさかず)
1946年奈良市生まれ。京都大学理学部卒。音楽評論家。東京音楽大学非常勤講師。JASPM、MPCJ会員。新聞、雑誌、放送、ウェブ他で音楽を研究・紹介・評論している。ウェブマガジン『ERIS』編集協力。『にほんのうた』『毎日ワールド・ミュージック』『事典 世界音楽の本』など編著書多数。2000年から2012年までNHKFM「ワールド・ミュージック・タイム」DJをつとめた。

本書の要点

  • 要点
    1
    1954年のエルヴィス・プレスリーのデビューを皮切りに、ロックはアメリカのポピュラーミュージックとして台頭した。
  • 要点
    2
    1960年代にはビートルズの登場によってイギリスで新しいロックの波が巻き起こった。黒人音楽にも新たなジャンルが生まれ、ロックはさらなる広がりを見せた。
  • 要点
    3
    ビートルズが解散し、1970年代に入るとロックはエンターテインメントの主流になり、ダンス・ミュージックなどの影響を受けながら、現在も幅広い年齢層の人々に親しまれている。

要約

ロックンロールの誕生

ロックンロールの源流

1951年、ラジオDJのアラン・フリードが黒人のリズム&ブルースをロックンロールと呼んで、白人の若者に紹介し始めた。ロックンロールとは第二次世界大戦後のアメリカ社会の変貌を背景に、リズム&ブルースとカントリー&ウェスタンの要素が合流して、ポップのメディアで広がった音楽ジャンルである。

そのルーツのひとつであるブルースは、奴隷解放後の19世紀末に、黒人を取り巻く厳しい状況に反発し、それを笑い飛ばそうとするアンビバレントな感情から生まれた音楽だ。長い間黒人音楽の「レイス・レコード」として売られていたが、1949年からリズム&ブルースとして全米に流通し始めた。

1955年、校内暴力の問題を描いた映画『暴力教室』に、リズム&ブルースを取り入れたビル・ヘイリーの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が主題歌として使われたことで、ロックンロールはティーンエイジャーに広く受け入れられるようになる。

ロックンロールの土壌を築いたアーティストたち
Ingram Publishing/Thinkstock

1950年代を代表するロックンローラーといえば、エルヴィス・プレスリーである。エルヴィスが生まれたテネシー州メンフィスは、古くから黒人音楽の中心地だった。少年時代のエルヴィスは、ラジオから流れる様々な音楽や黒人ゲットーで流行っていた音楽を聴きあさり、彼自身のロックンロールの土壌を作り上げていった。

1956年、エルヴィスは大手RCAから全米デビューを果たし、ティーンエイジャーを中心に爆発的な支持を受けることになる。同時期には、エルヴィス以外にもチャック・ベリーやリトル・リチャードなどの個性的なロックンローラーが誕生した。

この当時のロックンロール市場をリードしたのは、それ以前にレコード市場を支配していたメジャー・レーベルではなく、インディ・レーベルだった。しかし、45回転レコードの普及の波に乗り損ねたリズム&ブルースのインディ・レーベルは、その後衰退の一途を辿ることになる。

アメリカン・グラフィティの時代

日本の若者風俗にも大きな影響を与えたのは、ジョージ・ルーカス監督の映画『アメリカン・グラフィティ』である。この映画では、1960年代を生きるアメリカのティーンエイジャーの姿が生き生きと描かれている。作中には多くのロックンロールナンバーが流れていた。

特筆すべき点は、1962年のアメリカが舞台であるにもかかわらず、1950年代後半のヒット曲ばかりが使用されていた点である。その理由は、1960年代のアメリカ音楽シーンはティーン・アイドルの全盛期であり、1950年代に活躍したロックンローラーが次々に姿を消したためだ。

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ロック史
未 読
ロック史
ジャンル
産業・業界 グローバル リベラルアーツ
著者
北中正和
出版社
定価
972円
出版日
2017年10月20日
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