平常心のコツ

「乱れた心」を整える93の言葉
未読
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「乱れた心」を整える93の言葉
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平常心のコツ
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出版社
自由国民社

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出版日
2013年12月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

心の安定は、人に安らぎをもたらし、幸福感を与え、人生を良い方向に導く。反対に、乱れた心は人を不愉快にさせ、間違った判断や行動へと引きずり込む。そのことは誰もが知っている。しかし、どのようにして心を整えればよいかがわからない。気がつけばまた、いつものようにあくせくと、息が詰まるような時間を過ごしてしまっている。そんな人にこそ迷わず本書を開いていただきたい。どのページからでもいい。そこにはきっと、誰かに言ってほしかった言葉が記されているだろう。

本書には、平常心を保つための93の知恵が紹介されている。著者の植西氏は、何十年と成功者の行動習慣や幸せな人の考え方を研究し、「成心学」という幸せになるための人生法則の理論を確立させた心理カウンセラーである。身近な人と意見が合わないときの考え方、人に批判されたときの心の持ち方、失敗との向き合い方。身近な出来事に、心おだやかに対処する方法が述べられている。

特筆すべきことは、平常心を保つ、あるいは取り戻すためにどのように行動したらよいかが非常に実践的であるという点だ。自分自身の心を整えたいときはもちろん、大切な誰かを励ますときにも、著者の言葉は大いに役立つに違いない。

本書の続編で、著者の最新刊となる『不動心のコツ』(自由国民社)からは「ぶれない心」を築く方法が学べる。ぜひあわせてお読みいただきたい。

ライター画像
二村英仁

著者

植西 聰 (うえにし あきら)
心理カウンセラー

東京都出身。著述家。学習院大学卒業後、資生堂に勤務。
独自の『成心学』理論を確立し、人々を明るく元気づける著述を開始。
1995年(平成7年)、「産業カウンセラー」(労働大臣認定資格)を取得。


・折れない心をつくるたった1つの習慣(青春出版社)
・平常心のコツ(自由国民社)
・「いいこと」がいっぱい起こる! ブッダの言葉(三笠書房・王様文庫)
・話し方を変えると「いいこと」がいっぱい起こる(三笠書房・王様文庫)
・ヘタな人生論よりイソップ物語(河出書房新社)
・カチンときたときのとっさの対処術(KKベストセラーズ)
・運がよくなる100の法則(集英社・be文庫)
・不動心のコツ──どっしりと構えて生きる96の方法(自由国民社)

本書の要点

  • 要点
    1
    物事が上手くいかないときほど他人の言葉に惑わされやすい。最終的な決断は自分で下すものである。
  • 要点
    2
    失敗は成功の原動力となる。失敗から学ぶという姿勢があれば、動じずに前へ進める。
  • 要点
    3
    平常心を保つには心を癒す方法を持っておくとよい。意識的に一人の時間を作ることや、本の朗読などで声を出すことは、心を落ち着かせるのに効果的だ。
  • 要点
    4
    頑張っても何の見返りも得られないこともある。そう心得て努力を続けていれば、期待した以上の見返りが得られることもある。

要約

他人の言葉に惑わされない

「あきらめるか、あきらめないか」は自分次第

人は物事が上手くいかないときほど、他人の言葉に惑わされやすい。不安で誰かにアドバイスを求めたとき、「大丈夫、この点を改めれば上手くいく」というように、的確な助言をくれる相手であれば問題ない。その言葉を励みに前に進めるからだ。

しかし、気をつけなければいけないのは、ネガティブなことを言う相手に遭遇した場合である。「あきらめたほうがいい」「がんばっても無理だ」。こうした声は、弱気になっているときほど心を強く動揺させる。さらには、こういった言葉が、相手の足を引っ張るために発せられる場合もある。

「あきらめるか、あきらめないか」は自分次第、最終的に決めるのは自分だと、固く誓っておくようにしたい。そうすれば、他人の言葉に惑わされることもない。

怒ったときこそ「ありがとう」
waewkid/iStock/Thinkstock

カッと頭に血が上るような出来事があったとき、怒りを鎮める最適な方法がある。それは、その原因となる相手に対し、感謝の言葉を伝えることだ。もし、相手が何か嫌なことを言ってきたのなら「いいことを教えてくれて、ありがとう」と口に出してみるといい。「ありがとう」を口にすると、気持ちが落ち着いて、怒りの感情を一旦鎮められる。

怒りの感情は、人の平常心を乱す最も大きな要因となる。気持ちを落ち着けた後に、言うべきことがあれば言う、というのが重要だ。

失敗との向き合い方を知る

仮定で考えるのをやめる

「たら、れば」思考、それは後悔からくるものである。「浪人してもっといい大学に入っていたら、いい会社へ就職できた。やりがいのある仕事もできたのに」。このような後悔の感情は、人の心を大きく惑わす要因となる。「たら、れば」思考の人は、「~していたら、もっと幸せだった」「~していれば、人生は違った」などと口にしがちだ。

しかし、それは本当に正しいのだろうか。たとえば、浪人しても希望の大学に入れず、就職もできずにフリーターになっていた可能性だってある。今、正社員として雇われているだけで十分に幸せかもしれない。

大切なのは、「たら、れば」という仮定で考えるのではなく、現状の中でどのように積極的に前を向いて生きるかを考えることだ。そのほうが、平常心で人生と向き合える。

失敗は「失敗」ではない

「失敗は成功の母」ということわざがある。失敗は次の成功の原動力になるという意味だ。

たとえば、現在は世界文化遺産に登録されている富士山も、過去には世界自然遺産への登録に失敗している。しかし、関係者はそこであきらめなかった。失敗の原因を調査し、新たな目標を掲げて挑戦した。その結果、「世界文化遺産への登録」という成功を手にできたのである。

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要約公開日 2018.02.28
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