あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか?
奇跡を起こすブランドポジションのつくり方

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あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか?
ジャンル
著者
上阪徹
出版社
東洋経済新報社 出版社ページへ
定価
1,404円
出版日
2017年11月30日
評点(5点満点)
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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レビュー

明治大学と聞いて、みなさんはどのようなイメージを持つだろうか。その印象は年代によってまちまちだろう。たとえば、昭和末期から平成初期にかけて大学時代を過ごした人の多くは、明治大学に対して、バンカラなイメージを抱くのではないだろうか。

しかし2010年、明治大学はそれまで12年連続で大学受験志願者数ナンバーワンを誇っていた早稲田大学を追い抜き、トップに躍り出た。その要因のひとつはリバティタワーの建設に伴って、キャンパスがきれいになったことが挙げられる。しかし、その人気は決して外装の変化のみが反映されたものではない。明治大学は、ブランドイメージ自体を大きく変化させていたのである。「明るくておしゃれ」といった新たな大学のイメージによって、明治大学は「高校生が行きたい大学」ランキングで8年連続1位にも選ばれている。いまや、「女子高生が最も行きたい大学」のひとつだ。

明治大学は創立136年の伝統を誇る。大学という組織の変革は並大抵の努力ではできないはずだ。それなのになぜ、大々的な変革を成し遂げられたのか。

本書では、明治大学が他大学とは一線を画した特異なポジションを築くに至った経緯が、緻密な取材のもと、明らかにされている。これらを紐解くことで、大学以外の組織においても、改革を成功に導くための示唆を数多く得られるだろう。ブランディングの成功事例としても、知的好奇心を大いに刺激してくれる一冊だ。

池田 明季哉

著者

上阪 徹(うえさか とおる)
1966年、兵庫県生まれ。1985年、兵庫県立豊岡高校卒業。1989年、早稲田大学商学部卒業。ワールド、リクルート・グループなどを経て、1994年よりフリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍、webメディアなどで幅広く執筆やインタビューを手がける。著書に『10倍速く書ける 超スピード文章術』(ダイヤモンド社)、『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)、『僕がグーグルで成長できた理由』(日本経済新聞出版社)、『職業、ブックライター。』(講談社)、『リブセンス』(日経BP社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    明治大学の変革は、キャンパスの改築後に本格化した。情報化やグローバル化に伴う新学部の創設、入試改革、留学支援などが、大学のブランドイメージ刷新に寄与した。
  • 要点
    2
    明治大学は就職活動にも力を入れ、志望者の学生やその親からも高い支持を得ている。
  • 要点
    3
    明治大学は女子高生をターゲットとした広報活動を行い、独自のポジションを確立してきた。単におしゃれなイメージの大学というだけでなく、その伝統ゆえのOB・OGの活躍が、明治大学のブランドを支えている。

要約

抜本的なブランドイメージ改革の始まり

日本初の大学高層ビル「リバティタワー」

明治大学は、高校生から見る大学の実力という観点でも、この10年間で評価を高めてきた。大学のブランドイメージ改革の経緯をたどっていこう。

明治大学のシンボル「リバティタワー」。高さ120メートル、地上23階、地下3階であり、創立120周年記念事業として1998年に建てられた。リバティタワーという名前は、明治大学の建学の精神である「権利自由」に由来する。今でこそ当たり前になっているが、当時は大学が高層ビルを建てるなど考えられない時代だった。都心型キャンパスの先駆けは、明治大学だったのである。

土屋恵一郎明治大学長によると、昭和の建築様式を捨てて、完全な高層タワーを建てることで、大学のイメージを刷新しようとしたという。明治大学は伝統校だが、同時に常に新しいことを追求してきた。最先端の設備を整え、ホテルと見間違えるようなしつらえになったキャンパスが、学生のプライドのひとつになる。こういった部分から大学の人気が出れば、それは学生にとって誇りになるのではないか。そんな狙いがあったのだ。

本当の改革
leolintang/iStock/Thinkstock

2004年、明治大学は、志願者が7万人台まで落ち込むという厳しい状況に陥った。その前後から、明治大学を変革しようという意識が芽生えていった。さまざまな内部的な規則や制度を改めながら、民間企業と同じだけの強度を持った大学組織をつくりあげようという発想が強まっていった。

こうした意識のもと、学生の教育や研究を支える基盤を固めながらも、常に新しいものを取り入れていった。明治大学の戦略は、優秀な研究組織が生まれる風土づくりに大きく寄与したといえる。

これらの大きなシフトチェンジの後に推し進められたのは、明治大学の国際化である。それまでの明治大学は、留学生もそれほど多くない、国際化とは縁のない大学だった。しかし、大学の予算の配分を国際化に多く振り分けるようにした。こうした取り組みが奏功し、2007年には、受験の志願者数が10万人を突破した。

リバティタワーはたしかに、明治大学のイメージを一新するシンボルであったかもしれない。しかし、実際のブランドイメージの変化は、大学が戦略的に動くことで達成されたのである。

大学内部の新しい取り組み

地方から優秀な学生を呼び込む
AntonioGuillem/iStock/Thinkstock

2004年の志願者数激減に危機感を覚えた明治大学は、2007年に「全学部統一入試」を導入した。これは、8つの学部(当時)が共通の試験問題で入試を実施する制度だ。一度の受験で複数の学部に出願できるメリットが大きな反響を呼んだ。さらには、受験地を首都圏3つのキャンパスだけでなく、札幌、仙台、名古屋、福岡と、全国5都市に広げた。

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ジャンル
マーケティング 産業・業界
著者
上阪徹
出版社
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定価
1,404円
出版日
2017年11月30日
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